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独立・開業・起業のなかでも、とりわけ競争が激しいと言われている飲食業界。
そんな業界で成功しているお店は、一体ほかとどこが違うのでしょうか?
著名な実業家の堀江貴文氏、著書「小さくても儲かる会社をつくれた44つの秘密」を執筆した株式会社グリーンツリー代表の森田健太郎氏のお話をヒントに、飲食店を成功させる上で知っておくべきポイント、経営者として必要なものは何かを探ってみました。目次
「飲食店に料理の味は関係ない」ってホント?
「飲食店の成功は味で決まる」。
そんな飲食業界の常識に、「そうとは限らない」と一石を投じて話題になった人物がいます。
それが堀江貴文氏。
実はこれ、経験のない人が飲食店経営を成功させるための彼なりの“持論”なのです。
「日本には安くておいしい店は数え切れないほどある」「ネットでレシピが簡単にシェアできるこの時代、おいしい料理なんて簡単に再現できてしまう」――そうした現状にふれ、競争に勝ち残るための秘訣は、決して味ではないと分析しています。
では、なぜ人は外食し、その際に特定のお店を選ぶのでしょうか?
この疑問に対し、堀江氏は「客は料理ではなく、情報を食べに来る」と答えます。
情報といわれてもピンとこないかもしれませんが、グルメサイトのレビューや味より見た目を重視する「インスタ映え」メニューを求めてやってくるお客様の多さが、その最たる例でしょう。
また、さまざまな分野の起業家が集うように設計された店なら、そこに通うことで料理以上に“おいしい”人脈がつくれるかもしれません。
自宅にいては得られない時間や空間、コミュニケーションを提供してくれるのなら、「飲食店が成功するか否かは味だけではない」というのもうなずけます。飲食店を安定経営する秘密…給料はたくさん上げられないようになっている例から考える
「頑張ったら、給料上げてやるぞ!」。
従業員を抱える飲食店経営者なら、従業員に対し、一度はそんな激励をしたことがあるのではないでしょうか?
しかし、「計算上、不可能」と言うのは断言するのは、森田健太郎氏。
大手企業でトップセールスを獲得した後、独立系ソフトウェアベンチャーの役員に引き抜かれ、わずか4年で売上げを13倍にした実績の持ち主にして、自身が立ち上げた会社「グリーンツリー」でIT系の開発に携わる傍ら、飲食店やヘアサロンの分野でも大成功をおさめたビジネスパーソンです。
森田氏は、経営の三大資源として「ヒト」「カネ」「モノ」をあげ、人手不足が叫ばれる今、なかでも飲食店に必要なのは、「スタッフを辞めさせないこと」と提言しています。
森田氏はなぜ、飲食店での昇給は計算上ほぼ不可能だと断言したの言うでしょうか。
その理由についてこう語ります。
「例えば従業員が10人の飲食店の場合、2店舗目の店長に抜擢される確率は10分の1、3店舗目の場合はさらに20分の1になってしまいますから、多店舗になるほど偉くなる道は閉ざされるんです」。
人件費がかかるため給料は上がらず、出世もないとなれば、従業員はある程度までいったら辞めざるを得なくなる――人手不足になる環境を会社自らつくっていると、森田氏は指摘します。
ではどうしたら人材を手放さなくて済むのでしょう。
森田氏の会社では従業員の貯蓄が300万円たまったら会社の不動産投資に相乗りできる制度や、75歳まで雇用を維持するといった新しい取り組みに挑戦しています。
実は森田氏がバーを経営しているのは、自社の従業員が75歳まで働ける場所を提供するための戦略の一つで、年齢が高くても「バーテンダーならさまになる」という発想から生まれたビジネス。
従業員が様々な方法でキャリアパスが描ける環境をつくっているのです。ヘアサロンの経営から考える「職人気質」の罠
ヘアサロン経営も手掛ける森田氏によると、日本の美容院・理容室の売上げトップ5のうち、2位~5位までのお店は、美容免許をもっていない社長が経営(2018年2月時点)。
一方、免許をもっているカリスマ美容師がオーナーのお店では、10店舗以上出店しているところはひとつもないといいます(※)。
免許をもっていない方が成功しているというこの結果は意外にも思えますが、飲食業界にも同じ傾向があると森田氏は分析します。
というのも、オーナー自身が「職人」だと、経営の三大資源のうちの「モノ」にどうしても比重が置かれてしまい、「ヒト」と「カネ」がおざなりなってしまうから。
前述の堀江氏の飲食店経営に対する考え方は、いわばこうしたオーナーに対するアンチテーゼといえるでしょう。
「カットがうまいだけではダメ」という美容業界のデータは、「料理がうまいだけではダメ」という堀江氏の持論を裏付けてもいるようです。
※カリスマ美容師が“雇われ社長”の場合は、10店舗以上出店しているケースがあります(フランチャイズ含む)飲食店オーナーの平均年収は?
では、飲食店のオーナーは儲からないのでしょうか。
実際、経営がうまくいっていない店だと、年収が200万円~せいぜい300万円というケースも珍しくありません。
ただ、「日経レストランONLINE」が実施した2017年の調査によると、飲食店オーナーの平均年収は627万円、その世帯年収の平均は940万円という数字があがっています。
厚生労働省がまとめた平成27年の「全給与所得者の平均年収」は420万円なので、一般サラリーマンの倍の年収を稼ぐ成功者になることは、決して夢ではないことがわかります。年収を上げるには、やはり客単価?
オーナーになるなら、黒字店にして自身の収入を上げたいのは当然のこと。
売上アップを実現する一番シンプルな方法は、「客単価」を上げることですが、多店との競争を考えるとリスクが生じるので、安易に考えるのは危険です。
人気メニューは据え置きにする一方、二番目に注文率の高い料理の価格を変えたり、単品との価格が比較しにくい宴会コースを新設したりするなど、お客さまの不満が出にくい方法を考えてみることが大事。
それと並行して、利益率が高いメニューを勧めたり、こまめにドリンクやデザートの追加注文を尋ねたりといった接客時の小さな積み重ねを大事にすれば、底上げが図れます。
それには適時に、的確に動ける人材を育成することが必要。
また、森田氏が指摘するとおり、オーナー自ら経営を徹底的に勉強して、税金や借入、設備投資などで損をしないことも重要になってきます。ここでも「ヒト」と「カネ」が鍵になりそうです。飲食店経営の成功の鍵とは?
そもそも資金さえあれば誰にでも事業は始められますが、続けることの方が難しいのです。
もちろん、飲食店経営も同じこと。
ゴールは開店ではなく、継続の先に見えてくるものです。
走りながら学びの姿勢と徹底した経営者意識を持つことが成功の鍵となるのは間違いありません。
飲食店をやる以上「モノ」を無視するわけにはいきませんが、「ヒト」と「カネ」にもシフトを置き、広い視野で動いてみることが大事です。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。#開業 #飲食店 #経営
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