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飲食店開業でカラオケ設置するのに必要な許可は?抑えるべき3つのポイント

飲食店開業でカラオケ設置するのに必要な許可は?抑えるべき3つのポイント

飲食店開業の際にカラオケの設置を検討されている場合、おさえておきたいポイントがいくつかあります。
お客さまとのデュエットや歌の合間の手拍子などは「接待行為」に、お客さまにカラオケを勧めることは「遊興行為」となるため、風営法の許可を取らないと違法とみなされ営業停止や罰金が科せられることがあり注意が必要です。
また、カラオケによる振動や騒音は、近隣とのトラブルにつながることも。防音対策をしっかり取ることをおすすめします。
飲食店を開業する際、集客のためにカラオケの設置を検討中のオーナーさんもいらっしゃることでしょう。しかし、飲食店にカラオケを設置するためにはいくつかの注意点があります。
今回は、飲食店開業でカラオケ設置をする時におさえておくべきポイントを3つ解説いたします。

1. 飲食店にカラオケを設置するには風営法の許可が必要

カラオケが設置されている飲食店では、お客さまからデュエットを希望されることも多いでしょう。
断ってはお客さまの機嫌も悪くなり、店の売上にも反映されることから、ついデュエットに応じてしまうのではないでしょうか。
また、お客さまが歌っている間に手拍子したり、歌い終わったときに拍手することも当たり前のように思えますよね。

しかし、これらは「接待行為」で、風営法の許可(風俗営業1号)を取っていないと違法になります。
許可を取らないと、営業停止処分やオーナーの逮捕などにもつながるため、軽く考えるべきではありません。
お客さまとのデュエットや手拍子などの他にも、お酌や談笑、ダンスなども含まれますので、注意が必要です。

また、飲食店にカラオケを設置する場合、お客さまが曲を選び、店側が機械を操作するケースが一般的です。
これは店側がお客さまにカラオケを勧めている「遊興行為」とみなされ、風営法の許可なしで行うと違法になります。
さきほどご紹介した「接待行為」と「遊興行為」を飲食店が行うためには、キャバクラやホストクラブと同様の「風俗営業1号」の許可を取ることが必要です。

無許可営業を行うと、もっとも重い罰則となる2年以下の懲役か200万円以下の罰金またはその両方が科せられます。
違法行為を行った従業員だけではなく、店の経営者などの責任も追求されてしまいます。

2. 風営法1号許可をもつ店では深夜0時過ぎのカラオケは提供できない

風営法1号許可を持つ店は、営業時間が深夜0時までと定められています。
つまり、接待行為や遊興行為を行っている飲食店は、風営法の許可を取っていても深夜0時を過ぎたら店を閉めなくてはなりません。
カラオケどころか店を開けているだけで違法になります(東京都内では、一部の地域のみが例外として午後1時まで営業できます)。

この営業時間の制限に違反すると、20日以上6ヵ月以下の営業停止処分が課されるので注意しましょう。

・・24時間営業のファミリーレストランやカラオケボックスなどは違法?

深夜営業している飲食店は風俗営業になるとしたら、24時間営業の飲食店は違法なのでしょうか?
例えば、ファミリーレストランはカラオケもなく、接待行為や遊興行為は行われないため第1号の許可を取る必要はありませんから、深夜0時以降も営業できます。

また、深夜営業でお酒を提供する飲食店は、店舗所在地の都道府県公安委員会へ「深夜における酒類提供飲食店営業の届出」が必要と風営法で定められています。
しかし、営業時間中、常に主食と認められる食事を提供している飲食店は除外されています。

カラオケボックスはカラオケができ、食事も提供していますが24時間営業していても当然ながら違法ではありません。
なぜなら、個室でお客さまが勝手にカラオケを使用する(=店側が勧めていない)ため、風営法第1号許可を取る必要がないからです。

深夜営業する飲食店がカラオケを設置する場合、お客さまとのデュエットや手拍子・拍手などの接待行為や遊興行為を行わなければ、第1号許可を取る必要はなく、深夜0時以降も営業できます。
しかし、酒類を提供する場合は「深夜における酒類提供飲食店営業の届出」が必要となるケースがあります。

3. カラオケの重低音による振動や騒音対策が必要

カラオケの音量や歌声は、騒音や重低音の振動を伴います。カラオケをしている人は楽しいでしょうが、近隣の人たちには迷惑となる可能性も高く、トラブルにつながるケースもあります。

飲食店にカラオケを設置する場合、音漏れがしないようにするなど店内の防音対策をしっかり行う必要があります。
開業する地域(都道府県)や立地によっては、音漏れも法令違反となるケースがあるので、注意しましょう。

また、近隣から警察に苦情が入れば警察の立ち入り検査が行われ、騒音・振動以外の問題を指摘されてしまうケースもあります。

地域や立地によって騒音・振動基準は異なりますが、例として東京都の近隣商業地域や商業地域の基準をご紹介します。

午前8時〜午後6時 60デシベル
午後6時〜深夜0時 50デシベル
深夜0時〜午前6時(深夜営業時間帯) 50デシベル

基準に違反した場合は遵守事項違反となり、指示処分が下されます。
それにも従わなかった場合、10日以上80日以下の営業停止になる可能性があります。

防音設備の設置費用は高額ですが、カラオケを設置する場合は防音対策を十分に行いましょう。
また、店舗スペースが賃貸の場合には、賃貸契約時にカラオケ設置が可能か確認することも大切です。

・深夜0時以降も遊興行為や酒の提供があるなら「特定遊興飲食店営業許可」が必要

ここまで3つのポイントをご紹介してきましたが、お客さまとの遊興行為を深夜0時以降も行い、酒類も提供する場合には、「特定遊興飲食店営業許可」を公安委員会に申請する必要があります。※接待行為はできません。

これはクラブ(ディスコ)やライブハウス、スポーツバーやショーパブなどを営業するのにも必要な許可です。若者や地域環境に何らかの影響を及ぼす可能性が高いと考えられるため、通常の飲食店営業許可や風営法許可よりも審査が厳しくなっています。
都道府県によっては営業禁止時間があるケースもあります(東京都の場合は午前5〜6時)。

法律を無視した営業を行うと、重い罰則が科せられることになります。飲食店開業でカラオケを設置する際には、風俗営業許可や特定遊興飲食店営業許可の届け出をしっかり行うだけでなく、振動や騒音対策も忘れず行うようにしましょう。

この記事の監修

株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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