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メニューは5感に訴えかける方法が有効なワケ

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お客様にお出しするメニューは、名前である程度どんな料理なのか想像が付くもの。そのため、どんな料理なのか好奇心をそそられる要素を盛り込む必要があります。かといって、長くて奇をてらった名前は、興味を失う原因にもなるので逆効果であることも。
飲食店においては、まさに、メニュー名の付け方が、経営を左右することもあります。

メニューの名付け方の基本

メニュー名を決める際は、以下の基本的な3つのポイントを意識しましょう。

好奇心をそそられる

この3つのどれかに当てはまると、メニュー名としては非常に効果的です。では、このようなメニューはどうやって考えればよいのでしょうか。

五感に訴えかける表現が効果的

食べる行為は味覚だけでなく、五感すべてを使って味わうものです。美味しい料理でも、盛り付け方や香り、場所、体調、気分によって変わったように感じられます。だからこそ、メニュー名に五感と結びつけたフレーズを使用することで、お客様が欲しいメニューを選んでいただけるよう工夫する必要があるのです。

「嗅覚」を刺激するメニュー名

料理における香りの重要さは、容易に想像できるはずです。料理は舌だけでなく、香りでも楽しめるもの。メニュー名に、香りや風味に関する情報があるだけで、お客様の香りに関するイメージを呼び起こし、ぐっと食欲を引き立てることが可能です。香りに関するフレーズをメニュー名にするなら、香りの内容も具体的に表現しましょう。例えば、出汁の香りが特徴的なら、『かつおだしが香る炊き込みごはん』など、出汁の種類を記載しておきましょう。また、ハーブなどは具体的な種類を名記。『風味豊かなバジルソースパスタ』、『爽やかミントのパンナコッタ』など香りが想像しにくいハーブは説明を加えます。

「視覚」を刺激するメニュー名

フレンチや和食では盛り付けにも厳格な決まりがある通り、食器や盛り付けも味を演出する要素のひとつです。メニューに視覚を刺激するフレーズを入れる際は、その料理のアピールポイントに沿ったものにしましょう。たとえば、「ごろっと野菜のスープカレー」、「山盛りお肉のチンジャオロース」など。視覚を刺激するメニュー名は、料理が来た際に一目でわかるボリュームのある料理の方がインパクトを生み出せるでしょう。

「食感」を刺激するメニュー名

一般に五感では「触覚」と呼ばれていますが、料理の場合は「食感」、つまり歯触り、舌触り、のど越しなどを意味します。デザート系スイーツなどは「ふわふわ」、「とろーり」というようなネーミングが、多くのスイーツ好きな女性に好まれています。焼き菓子などは、「さくさく」、「かりっと」という歯ごたえを想像させるネーミングもお客様の好奇心をそそります。また、舌触りやのど越しを意識するなら「つるつる」、「もっちり」などの言葉で味への好奇心を掻き立てるようにします。

「聴覚」を刺激するメニュー名

焼き肉やステーキの「ジュージュー」という音に食欲をそそられませんか?食欲と聴覚も密接な関係にあります。料理の調理過程の音をアピールすることで、お客様に「おいしそうな料理だな」と印象付けることができます。「コトコト煮込んだ○○」、「カラッと揚げた○○」などが例として挙げられるかと思います。

「味覚」を刺激するメニュー名

味覚を想像させる言葉には、まず擬音というものがありません。そこで、甘い、辛い、しょっぱい、酸っぱいという4代味覚と、その組み合わせがポイントになります。ここで大切なのは、メニューの味を可能な限り正確に表現すること。例えば、甘いという味覚1つとっても「甘酸っぱい」、「甘辛い」といった表現が挙げられます。メニューにある味の表現と、実際の料理の味にズレがあると、お客様をがっかりさせかねないからです。
また、もうひとつのポイントは、形容、比喩的な表現でお客様の想像力を掻き立てるという手法。「ロマンチックな甘さ」、「火のような辛さ」などが挙げられるでしょう。ただし、このような抽象的な表現や料理の実力以上の謳い文句の多用は、大げさに感じられてかえって逆効果なので気を付けましょう。

伝えたい『情報』を盛り込むネーミング

メニューの名付けにあたって、料理の特徴をメニューに盛り込むという手法もあります。メニューの中でもアピールしたい要素、食材や調理法、産地などです。食材なら「有機野菜」や「天然素材」、特別感を演出するなら「自家製」や「秘伝製法」、「焼きたて」など、見た目ではわからない商品の強みをネーミングに盛り込みます。また、産地の場合は「北海道産の○○を使った○○」など、地名のブランド力を活用して興味を引く手法も効果的です。このように、メニューにさまざまな情報を盛り込むことで、付加価値を与えられます。

メニュー名を考える際の注意点

メニュー名を考える際に、常に念頭に置いておくべきことは、お店のコンセプトや客層、立地です。オシャレな通りのカフェでしたら、話題の海外のスイーツなどをその産地の国名ごとつけるとしゃれた雰囲気になります。「ベルギー仕込みのワッフル」、「○○のドルチェ」など。しかし、ボリュームのある食事を求める顧客が多い場合は、こういったオシャレなメニューは見向きもされません。その場合は「がっつりハンバーグ定食」、「こってりつけ麺セット」など、エネルギッシュかつリーズナブルな言葉選びが効果的。そのほか、お店のコンセプトに応じて、エコ、ヘルシー、オーガニックなどの適切な言葉選びをおすすめします。

豊富なセットメニューを準備することもポイント

飲食店は、座席の数が定員の上限になるため、いかにお客さんの回転率を高めるかもしくは一人当たりの単価を上昇させるかが売り上げを伸ばす重要なポイントになります。そこで考えられるのが豊富なセットメニューを準備しておくという方法です。
例えば、ハンバーグのメニューの近くには、ライスやパン、サラダやスープといったようなセットメニューを載せておくほか、チーズといった追加トッピングに関する情報を載せておくなどです。また、セットメニューは、それぞれを単品で頼む場合よりもリーズナブルであることを強調するように掲載すると、一人当たりの単価上昇につながりやすいと言えるでしょう。
また、写真はできるだけ載せておいた方がよりお客さんが注文しやすくなります。例えば、ハンバーグ単品の写真と文字だけのセットメニューではなく、ハンバーグセットの写真をあらかじめ掲載しておき、「セットは下記から選択できます」と他のセットメニューも写真入りにしておくなどです。そうすることでセットが前提になるため、お客さんの単品注文を避けることができるほか、写真を見ることで食欲がそそられるため、よりセットメニューを頼みやすくなると言えます。また、ハンバーグ単品の写真と文字だけのトッピングメニューではなく、最初からハンバーグの写真を追加トッピングしたものにしておいて、「こちらはチーズトッピングを追加した場合です」と、トッピングに誘導しやすいように工夫するのも効果的と言えるでしょう。

まとめ

メニューの名付けは、ただライバル店を真似るのではなく、自分のお店のコンセプトや、客層に合わせて付けましょう。また、本当にアピールしたい商品のみを目立たせることで、メリハリをつけるのもポイントです。最も重要なことは、お店の料理のこだわりや価値をいかに「わかりやすく」伝えられるかということ。じっくり考え抜いた上手なメニューの名付けで、お客様に料理とともに満足と感動を届けられるようにしましょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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