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ここ数年、飲食店でも扱われることの多くなった海外のクラフトビールや、日本の地ビール。
小規模な醸造所で丁寧に作られたビールとして、あるいは、地域の特性を楽しめる「ご当地ビール」として、その人気が高まっています。
最近では、そんなオリジナルの地ビールの醸造を依頼している飲食店が増えているのだとか。地ビールとは?
よく耳にする「地ビール」という呼称ですが「クラフトビール」や「自家製ビール」とは、違うものなの?と、あいまいな認識のままに呼んでいる人は少なくないはず。
この「地ビール」という呼称は、小規模な醸造所で造られる大量生産ではないオリジナリティ溢れるビールのおおまかな総称として、広く使われています。
ビールの製造免許の取得要件のひとつに「年間最低製造量 は、60キロリットル以上」という規定がありますが、それ以外にこれといった制限はなく、出荷量や販売量の規制もありません。
また、酒税法等の法律の上でも特に定めがないことから、実際にどこからどこまでが「地ビール」であるというような明確な定義があるわけでもないので、日本では「クラフトビール」と呼んだり「自家製ビール」や「地ビール」と呼んだり、その呼称はまちまちです。
また、「地ビール」という呼称の由来については、日本酒の「地酒」に倣ったものという説が有力なのだとか。
その土地の特性を生かしたビール、地域に密着した形で造られるビールということで、昨今のご当地ブームの流れに乗って「地ビール」という呼称が一般化したようです。ビールって勝手に作ってもいいの?
そもそもビールを勝手に作っていいの?あるいは、それって許可がいるのでは?と疑問に思う人も多いはず。
そもそも、この地ビールが世に出始めたのはいつ頃なのでしょうか?酒税法の改定で地ビールが登場!
1993年、当時の細川政権の下、一連の規制緩和の目玉として、地ビールを解禁する方針が示され、翌年に酒税法の一部が改正。
ビールの製造免許を取得する際に必要な年間最低製造数量の基準が、それまでの 2,000キロリットルから 60,000リットルに引き下げられました。
つまり従来、ビールは 2,000キロリットルの生産量がないと、製造許可を得られなかったところ、それよりも極めて少ない生産量でもビールを製造することが認められたということ。
少量生産で地域密着型のオリジナルビール、いわゆる「地ビール」が全国各地で登場するようになったのは、この規制緩和のおかげなのです。
では、実際にオリジナルの地ビールはどのような方法でつくることができるのでしょうか?オリジナルビールをつくれる工房へ行こう!
1994年の酒税法の一部改正によって徐々に増えてきた小規模醸造所。
これらの中には、飲食店や個人から委託を受ける形で、独自レシピのオリジナルビールの製造可能な醸造所も多数あります。
例えば、地域の特産品のフルーツを使って醸造して欲しい、大切な記念日にコース予約を入れていただいたお客様へのプレゼントにしたい、花を使ったビール醸造して欲しい、あるいは、開店10周年の記念に独自のレシピでお店オリジナルレシピのビールを醸造して欲しい、お店のイメージカラーのビールを作りたいなど、醸造所によっては、さまざまな要望に応えてもらうことも可能です。ちょっと待って!そもそも、オリジナルビールって販売していいの?
飲食店で瓶ビールを提供する際、お客様には栓をぬいてから提供しなければならないというルールがあることは、一般的によく知られた話かもしれません。
つまり、法律上、酒屋などの酒販店と飲食店ではそもそものルール(免許)が違うということを念頭に置いておかなければなりません。飲食店でオリジナルビールを販売するには、特別な免許が必要なの?
飲食店で、お酒を提供する場合に必要となる免許は「飲食店営業許可」です。
たとえ、調理のいらない瓶ビールを提供する場合もこの免許は必要となります。
また、その際は必ず開栓して提供しなければならないというルールがあります。
そして、同じ瓶ビールを酒類販売店で取り扱う場合に、必要となる免許は「酒類販売業免許」です。
ここでポイントとなるのは、「提供」なのか「販売」なのかということ。
つまり、飲食店でオリジナルビールをメニューとして「提供」する場合は「飲食店営業許可」があれば問題がなく、商品として「販売」する場合は「酒類販売業免許」が必要となります。
飲食店だからといってお酒の「販売」も同時に許可されているわけではないので、取り扱う際は注意が必要です。一度にどのくらいの量を醸造できるの?納品まではどのくらいかかるの?
それぞれの醸造所のタンクのサイズによって醸造できる量が決まります。
ある醸造所の設備では、100リットル(1本330ml瓶で300本程度)から依頼することができ、4000リットル(1本330ml瓶で12000本程度)くらいまでが、一度の依頼で可能なのだそう。
また、330ml瓶で50本程度からの依頼も可能という醸造所もあります。
個人経営の飲食店でオリジナルビールを醸造しようと考えた場合、このように少量から依頼可能というのは非常にありがたいものです。
また、納品までにかかる時間は、仕込みからおよそ1ヵ月前後。仕込みの段階から一緒に参加することもできる醸造所もあります。
醸造過程を実際に見ることで、ビールへの愛着もわき、お客様に提供する際もより詳しくビールの特徴などを説明することができるので、依頼時には是非、参加のお願いをしてみましょう。1本あたり、どのくらいの価格でビールがつくれるの?
醸造所や依頼する量やレシピ、納期等によってさまざまあり、一概に言うことはできませんが、少量醸造では1本あたり500円程度(330ml瓶)が相場のようです。
もちろん醸造量が多くなれば、1本あたりの単価は安くなり、例えば1本あたり400円程度(330ml瓶)でつくれるといった場合もあります。樽での納品もしてくれる!
ほとんどの醸造所では、樽のまま納品してもらうことも可能です。
1杯ずつ「樽生ビール」として提供できるので飲食店にとっては、嬉しいサービス。
また、サーバーを無料でレンタルしてもらえる場合もあります。
瓶代やラベル代にかけるコストが削減でき、金額もより安く抑えられるケースもあるので、見積もりの際に担当者に確認しましょう。もちろん、ラベルもオリジナルで!
瓶で依頼する場合は、ラベルにもこだわりたいものです。
お店のオリジナルロゴがある場合は、そのままデータで入稿すれば、オリジナルロゴラベルのビールが完成します。
醸造所の本業はあくまでもビール造り。
オリジナルロゴがなく、デザインから依頼する場合は、醸造所が外部発注するケースがほとんどなので、当然ながら別途費用がかかります。こんな素材でもビールになる!?
観光地の物産品店などでよく見かけるのが、その地域の特産品を使ったビール。
ビールに適している素材とそうではない素材があるようですが、イチゴやラズベリー、レモンなどのフルーツをはじめ、紅茶や抹茶、ほうじ茶などの茶葉を使ったものや、バラや桜などの花を使ったものなども見受けられます。
また、牡蠣やホタテ、海藻類などといった珍しいものもあります。
使いたい素材がある場合、依頼の際に相談して、お店の看板メニューとなるようなオリジナルビールを造りましょう。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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