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飲食店の試食会|汁無し担々麺専門店「タンタンタイガー」の例から考える

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飲食店は繁盛店を目指すうえで、お店のウリとなるメニューがあるかないかが非常に重要になってきます。
そのため、メニュー開発に力を入れる方も多いはずですが、実はこれだけではダメ。
メニュー開発と同等に重要になってくるのが、「試食会」。
その理由は単純。
自分が美味しいと思ったものを作っても、多くの人に受け入れられるメニューでなければお店の成功は難しいからです。

汁なし坦々麺の専門店「タンタンタイガー」から学ぶ飲食店における試食会の重要性

「飲食の開業に失敗しないポイントのひとつは、試作と試食で商品の完成度を徹底的に上げること」。
そう語ってくれたのは、canaeruの「叶えた人インタビュー」にご登場いただいた”汁なし坦々麺”の専門店「タンタンタイガー」の店主・東山広樹氏です。
競合うごめくエリアで、看板メニューの汁なし坦々麺一本で勝負をかける東山氏。
なんとこの汁なし坦々麺が完成を見るまでに、1000回以上の試作と220人以上への試食を行ったといいます。
こうして世に送り出された看板メニューは、お店を一気に人気店へと押し上げました。
1000回の試作!? 220人以上の試食!? なにもそこまでしなくても…と思った方もいるかもしれません。
しかし、試作と試食を繰り返すことで、人気店になれるということを証明したひとつの例でもあります。
毎日、大量に、しかも常に同じクオリティで作り続けることのできる”看板メニュー”。
独りよがりになるのではなく、ターゲット層の意見を真摯に聞きながら試行錯誤を繰り返すことが重要になります。

試食会を開くことのメリット3点

メニュー開発の第一ステップは、料理人や関係者といったいわば身内の意見を頼りに練り上げていきます。
ある程度試作品が完成したら、今度はいろんな方に食べていただく「試食会」を開催します。
料理人が看板メニューの産みの親だとすれば、「試食会」は育ての親。
「試食会」を開くことで得られる恩恵は、数多くあるのです。

料理の腕前や味の評価が聞ける

「試食会」を行う大きなメリットは、より多角的な意見が聞けるという点です。
自分が美味しいと思っているだけではメニューは売れません。
試食会の意見を元に試作を繰り返すことで、確実に完成度は高まっていきます。
その際、知りたい内容を細かく項目化し、一人一人に数値で評価してもらってもいいでしょう。
料理が出された瞬間の驚き度から、一口目の感動具合、食べ進めていく間の感想や表情の変化、そして食べ終えてからの総合評価などを記録。
試食の感想を数値化してデータで積み上げていけば、データから見えてくる傾向性を掴むことができます。
また、試食会の感想を座談会形式で自由に発言してもらうことも忘れずに。
その際は多くの人から正直の意見をもらうようにしましょう。
ただし、発言力の強い人がその場にいる場合、周りがその人の意見に引っ張られてしまうことがあるので、「客観性に欠けるもある」ということを念頭に置いておきましょう。

商品に対してのリアクションがわかる

飲食店の料理は、味はもちろんのこと、見た目も重要です。
人気店でお目当ての料理が運ばれてくると、スマホを取り出して撮影している姿を見かけます。
ビジュアルがよければ、SNSに投稿される確率も高まり、結果的にお客が新たなお客を呼んでくれる好循環が生まれる可能性もあるのです。
試食会をすることで、料理へのリアクションを確認できるというメリットもあります。
試食会に訪れた人の表情を観察してみましょう。

開業前のシミュレーションになる

試食会メリットには、店側のオペレーションを確認できるという点もあります。
料理は完璧でも、提供までに時間がかかりすぎてしまったり、一人前なら美味しく調理できていたのに、数人前を一気に作ると味が安定しないなど、いろいろな課題が出てきます。また、オープン直前などは、複数人で試食会を行い、その動きを確認しながらやることも得策です。
うまく試食会こなすことも大切ですが、課題を出すことも大切なのです。

試食会をパーリーにしてはいけない

飲食店を成功させるために、本気で行う試食会です。
気を遣って「おいしい、おいしい」と褒めてもらっても一文の得にもなりません。
では、いざ試食会を行う上で、どんな方を呼べばいいのでしょうか。

遠慮なく意見を言ってくれる身内、友人、知人

ダメなところはしっかり指摘する、シビアな評価こそありがたいと言えます。
参加者には予め、忌憚のない意見をもらう場であるという、試食会の趣旨をお伝えしましょう。
利害関係が絡む相手の場合は、「よいしょ」が混入してしまうかもしれません。
本音で正直に評価してくれる身内や、友人、知人に協力してもらうのも手です。

知人の紹介で訪れた人を仮想お客様として

友人、知人に、試食会に興味を持ってくれそうな方を紹介してもらいましょう。初めましての方なら仮想お客様として評価を聞けることができます。

ターゲット層のお客様を巻き込む

またお店のターゲット層に近い年齢やライフスタイルの方々の意見は、かなり参考になります。
ターゲット層のリアルな声がもらえる場は貴重とあって、お客様を試食会に巻き込む大手企業も増えています。
また、試食会に参加したお客様から、開発に携わったメニューの話題がSNSやブログを通じて口コミで広がるメリットも。
提供する側とされる側という関係から、一緒に作り上げる関係へと変化することで、よりお店に思い入れのあるファンを獲得していける効果もあります。

従業員に対して試食会を行うことが繁盛に繋がる理由とは?

飲食店の経営では料理人の腕が最も重要ですが、いくら料理がおいしい場合でも従業員の接客態度が良くない場合は再度食べに行こうとは思わないため、従業員の教育がしっかり行き届いているかも重要です。
そこで従業員を対象にして飲食会を開くというのも1つのポイントです。「従業員に対して飲食会を開いても何の売り上げアップにもつながらないのでは?」と思った人も多いかもしれませんが、どんなメリットがあるのでしょうか?

従業員に参画意識を持たせることができる

雇用主と従業員というような関係性の場合は双方の信頼関係が薄いため、より良い料理を提供できる環境が整っているとは言えません。そこで、飲食会を従業員対象に行って料理に対する意見を言うことで、「自分が働いている店」という経営に対する参画意識を持たせることができます。

お客さん目線を身に付けることができる

試食会では従業員ではなくお客さんの立場で試食会に参加します。そうすることによって、お客さんが普段はどのように感じながら料理を食べているのかを知ることができるため、どんなサービスが不足しているか気づくことができるほか、お客さん目線で考えることができるようになるため、サービス向上につながるでしょう。

客単価を上げることにつなげることができる

試食会で採用されたメニューは、従業員も一度は口にしたメニューであるため、ある程度は説明できるはずです。そのため、お客さんにおすすめのメニューを聞かれた時も、試食会で採用されたメニューであれば詳しく説明できるため、ただ新作料理を開発して終わりではなく、売り上げにしっかりとつなげることが期待できるでしょう。

定期的な試食会が安定経営をもたらす

一度うまくいったからと言って、環境が変化しても一定の味を提供し続けられるでしょうか?
温度や湿度の変化によって、材料のコンディションも変わります。
試作を繰り返し、定期的に試食会を開いて改善を重ねれば、精度は増していきます。
納得のいくまで取り組み完成したメニューは、あなたのお店をきっと繁盛させてくれる大切な相棒となるはずです。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

※この記事は、2018年4月24日に公開した内容を加筆修正したものです

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