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スパイスを使った料理で、思い浮かぶのは何と言ってもカレー。しかし、スパイスを使った料理は、カレーだけに留まりません。専門店のみならず日本の食卓にも浸透しつつある世界各国のスパイスは、いつものメニューにチョイ足しすれば新しい味の発見に繋がるかもしれません。さっそくスパイスについての知識を深めていきましょう。
ハーブと何が違う?そもそもスパイスとは
店頭では同じ棚に並べられることの多いスパイスとハーブ。独特な風味を加えるという点では同様のように思われますが、スパイスとハーブに違いはあるのでしょうか?
ハーブの特徴
ハーブとは、日本語でいうところの「香草」あるいは「薬草」のこと。料理に独特の風味や苦味を加えたり、薬草としての薬効を与えたりする調味料のことを指します。一般に植物の茎や葉など緑色の部分をそのまま、あるいは乾燥させて使い、中でも鎮静作用のあるハーブは、お茶として飲まれることもあります。
比較的手に入りやすい、パセリやミント、バジル、ローズマリー、ローレル、レモングラス、セージ、タイムなどは、さまざまな料理に使われ、飲食店でも扱いやすいハーブです。
ピッチャーにミネラルウォーターや炭酸水を注ぎ、ミントやローズマリーを入れたハーブウォーターは、風味はもちろん、見た目もおしゃれでインスタ映えも抜群。女性客をターゲットとするカフェなどにおすすめです。スパイスの特徴
スパイスとは、日本語でいうところの「香辛料」。食材に独特の辛味や風味、色付けをする調味料を指します。植物の種子や実を乾燥させ、あるいはそのまま使用され、複数を組み合わせて使われることもあります。
胡椒やカラシなど、日本の食卓でも昔から馴染みのあるものや、カレーには欠かせないターメリックやクミンなどは、初心者にも使いやすい代表的なスパイスです。このように「スパイス=辛いもの」というイメージが強くありますが、辛くないスパイスもたくさんあり、むしろ世界には辛くないスパイスの方が多いと言っても過言ではありません。効用別!スパイスの種類
スパイスの本場、インドでは、スパイスを日頃の体調管理のためにも利用しています。そして、実は日本でも、生薬(漢方薬)として昔から親しまれているスパイスも多いのです。
さっそく、代表的なスパイスの効用について、チェックしていきましょう。香りを出すスパイスの代表例
<クミン>
日本人に一番馴染み深いスパイスは、クミンかもしれません。実はカレー独特の“いい香り”の主成分はこのクミン。カレーの本場であるインドをはじめ、東南アジアなどの「エスニック料理」には欠かせないスパイスです。肉料理との相性がいいのが特徴で、唐揚げや焼き鳥、ソーセージのグリルなど、人気の居酒屋メニューにも好相性。いつものメニューにクミンシードを数粒添えただけで、たちまちエスニック風に変身。使う前に少し炒ることで風味がアップします。
<ローリエ>
洋風の煮込み料理に欠かせないローリエは、月桂樹の葉のこと。香りが強く、魚や肉の臭い消しとしての効果が強いので、シチューやポトフなどの煮込み料理では葉をそのまま、あるいは、半分に切って一緒に煮込み、羊や牛などを焼く際にはパウダー状にしたものを擦り込んで使用することもあります。ピクルスの漬け汁としても使われ、カラフルな野菜に1枚ローリエの葉が入るだけで、風味がよくなるのはもちろん、見た目もどことなくオシャレな印象になります。
<コリアンダー>
ここ数年で、爆発的に人気の高まったパクチー。生で食する際には「パクチー」と表現されることが多いのですが、その種子を乾燥、粉砕するなど、加工をしたものは、一般に「コリアンダー」と呼ばれています。スパイスとしての歴史は古く、パクチーとは違った風味があり、奥行きのある深い甘みや、柑橘類のような爽やかさを持ち合わせています。
最近のパクチーブームから、葉の部分を乾燥、粉砕した“緑のコリアンダー”も広く流通しています。生のパクチーと違い、日持ちもするので、カフェなどのフードメニューにも取り入れやすいスパイスです。辛みを増すスパイスの代表例
<チリペッパー>
いわゆる赤唐辛子のことで、日本でも古くから馴染みがあります。カイエンヌペッパーとも呼ばれ、細かく砕かれた一味唐辛子や輪切り唐辛子、韓国料理で多用される糸切り唐辛子など様々な加工・名称で売られています。
辛味を加えるのはもちろん、料理をひきしめ、旨味を出す作用もあります。
<ブラック・ホワイト・グリーン・ピンクペッパー>
成熟したコショーの実を皮ごと乾燥させたブラックペッパーは、ピリッとした刺激的な辛さが特徴。また、それに対して実の皮を取り除いて乾燥させたのがホワイトペッパー。ブラックペッパーに比べ、穏やかな印象の辛味が特徴です。グリーンペッパーは、未熟なコショーの実を乾燥させたもので、辛味や香りに加え、フレッシュな色合いも楽しむことができます。
また、ピンクペッパーは、コショーの実ではなく、ペッパーツリーの実。辛味はほとんどありません。加熱には適さないので、主に、カルパッチョやサラダのトッピングなど、いろどりを添えるために使われます。トッピングするだけで、料理がワンランク上の印象になるので、飲食店では常備しておきたいスパイスです。
<マスタード>
日本や中国では「からし」として、辛さが求められますが、ヨーロッパでは辛さより風味が重視される傾向にあります。フランスでは主に、粒(種)がなく、酸味の少ないディジョンマスタードを肉料理や揚げものなどに添えて、ドイツでは粒(種)のある酸味のあるオールドタイプのマスタードをハムやソーセージにたっぷりとつけて食べることが多いようです。どちらのマスタードも肉系のおつまみとの相性がいいのが特徴。ワインやビールを提供する飲食店では、マイルドで上品な風味のディジョンマスタードと、酸味と食感が楽しめる粒(種)入りのオールドタイプマスタードの両方を揃えておきましょう。色付けするスパイスの代表例
スパイスは、風味付け以外にも“色付け”のために使われるものもあります。例えば、ターメリック。独特の香りとほろ苦い風味で、黄色く着色させるためによく使われ、カレーには欠かせないスパイスです。また、サフランは、「サフランライス」のように、カレーに添えるライスを黄色く色付けする際に使われます。ほかに、クチナシは栗きんとんや沢庵の色付けにも使用され、日本でも古くから馴染みのあるスパイスです。
スパイスは身体にも嬉しい効果がある
最近は、アンチエイジングなどの美容効果や健康増進効果のあるスパイスが注目を集めています。そんな中、今、いちばんの注目株が「クミン」。カレーでおなじみのポピュラーなスパイスですが、クミンは古くから、消化器官を活発にさせる働きがあるとされ、整腸作用に効果があると言われています。ほかにも、貧血予防や抗酸化作用などもあると言われ、女性にとって嬉しい効果が期待できるスパイスなのです。女性客をターゲットとした飲食店では、さっそく取り入れたいスパイスのひとつです。
冬にぴったり!スパイシードリンクの作り方
飲食店では、スパイスを使ったドリンクメニューがおすすめです。冬にぴったりなメニューとして提案したいのは香りのよいスパイスを使ったチャイ。小鍋を用意し、牛乳、紅茶の茶葉と、シナモンやカルダモン、ジンジャーなどのスパイスを入れ、沸騰させない程度にじっくり温めます。牛乳が色づき、香りが立ったら出来上がり。カップにシナモンスティックを添えると丁寧に作られた印象になります。また、シナモンやジンジャーは、ホットワインのスパイスとしてもおすすめです。レモンやオレンジの輪切り、はちみつなどを加えると甘みも増し、見た目も華やかになります。
寒さの厳しい季節には、スパイスを使ったオリジナルメニューをプラスして、集客アップに繋げましょう。【カレー屋】の開業方法はこちら≫「カレー屋を開業するには?開業資金や準備、繁盛するための対策とは?」
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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