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飲食店オーナーの平均年収はいくら?年収を上げるための方法も伝授!

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人件費や食材費、内装費がどのくらいかかり、利益がどのくらい上がるかなど、お店の開業前にはさまざまなシミュレーションを行います。

しかし、意外と忘れがちなのが自分のお給料です。

飲食店オーナーはいったいどのくらい儲かるものなのでしょうか。

そして、 2021年、新型コロナウイルスがもたらした飲食業界への打撃は、飲食店オーナーの年収にどう響いてくるのでしょうか。

飲食店オーナーの平均年収は会社員を上回る?

「日経レストランONLINE」が実施した調査によると、オーナーシェフや個人飲食店経営者の平均年収は627万円となっています。

国税庁の「令和元年 民間給与実態統計調査」によると会社員個人の平均年収は436万円なので、飲食店オーナーの平均年収は平均的な会社員の年収の1.5倍弱ほどあることが分かります。

また、店舗経営者の世帯平均は940万円となっており、こちらも国民の世帯平均の額と比べ、2倍近く多いという結果になっています。

しかし、これが赤字店オーナーになると、平均年収は黒字店オーナーの半分以下、300万円という結果になり、「年収200万台もザラ」とも言われています。

経営する飲食店が赤字でなければ、飲食店オーナーの平均年収は会社員を上回る傾向にあると言えるでしょう。

出典:「令和元年 民間給与実態統計調査」

飲食店オーナーの平均年収は会社員を上回る?

客単価が高い飲食店ほど平均収入は高くなる?

では、どうしたら平均収入を増やすことができるのでしょうか?客単価が高ければ、平均収入も増え、ゆえに儲かるのでしょうか?

飲食店の売上を表す式「売上=客数×客単価」にあてはめてシミュレーションしてみましょう。

たとえば、客単価が1000円のA店と3000円のB店を比較すると

【A店】1日30人の来店で30人×1,000円=1日30,000円、月25日の営業で月75万円の売り上げ=年900万円
【B店】1日30人の来店で30人×3,000円=1日90,000円、月25日の営業で225万円の売り上げ=年2700万円

単純計算では客単価が3倍になれば、売り上げも3倍になります。

しかし、先ほどの式をもう少し分解すると「売上=席数×回転数×客単価」となるので、回転数は客単価の低いファストフードやラーメン店では、1日10回以上回転することも多いですが、逆に高級料亭のようなお店では1回転ということも珍しくありません。

つまり、必ずしも客単価が高い飲食店ほど収入が高いというわけではないということになります。

ただ、客単価を上げることが売り上げを増やすことに繋がることは事実です。
例えば、先ほどのA店で客単価を200円上げれば、

【A店】1日30人の来店で客単価が1,200円、30人×1,200円=1日36,000円、月25日の営業で90万円の売り上げ=1,080万円 

上記の計算の通り、180万円も年間売上を増やすことができます。

しかし、客単価を上げるにはリスクがあり、競合との価格差など、安易に値段を上げるだけではお客様の不満足に繋がってしまうからです。

客数が減れば当然、売上も減ってしまいます。

飲食店オーナーにかかる4つのコスト

飲食店のオーナーとして忘れてはならないのが、お店を運営していくうえで発生するコストの存在です。

売り上げが同じだったとしても、かかるコストに差があればその分だけ年収にも差が生じることになるので、どのようなコストがどのくらいかかっているかは、きちんと把握しておかなければなりません。

飲食店を経営していくうえで発生する主なコストについて、以下で説明します。

飲食店オーナーにかかる4つのコスト

家賃

自分で物件を所有していない限り、家賃は必ず発生します。

飲食店にとって立地は売り上げを左右する重要な要素のひとつなので、駅前などの人通りが多い場所の場合は、それ相応の家賃を支払わなければなりません。

物件のオーナーと話ができるのであれば、長期間利用することを条件に挙げて契約前や更新時に家賃の交渉をしてみることで、多少家賃を引き下げてもらえる可能性もあります。

FLコスト

FLコストとは、食材費(Food)と人件費(Labor)の合計金額のことを指します。

飲食店経営でかかるコストにおいて特に高い割合を占めるので、利益を上げて年収を増やすためには、FLコストの割合を低くすることが非常に重要です。

とは言え食材費や人件費もできるだけ引き下げてしまうと、客も従業員も集まりにくくなってしまいます。

適切な原価でメニューを考案し、人件費に関してもお店の運営状況や業務量などを考慮して設定することを心がけましょう。

光熱費

光熱費は、お店をオープンしている限り毎日必ず発生する費用なので、日々の積み重ねが年間になると大きな差になります。

電気会社やガス会社などを吟味してなるべく安いところと契約するようにする、電気とガスを同じところで契約して料金を少し割り引いてもらう、などの対策が重要です。

従業員にも光熱費を節約することを意識づけることが大切です。

店舗の宣伝費

タイミングによって費用は上下しますが、店舗をオープンしたばかりのときは特に宣伝費にお金をかける必要があります。

飲食店のポータルサイトや口コミサイト、チラシ、ホームページなどへの掲載ボリュームは、客足を大きく左右します。

広告媒体に掲載してもらうためには掲載費が必要になりますが、自社のSNSアカウントでお店の宣伝を行うのであれば費用はかかりません。

有料の広告と自社での宣伝をうまく併用することで、費用対効果のよい宣伝が行えるでしょう。

飲食店オーナーが年収を上げる方法

お店の売上が上がれば飲食店のオーナーの所得も上がります。

つまり、地道な作業のようですが、日々、売上を上げる策を考え、投じていくことが、実は所得アップへの近道なのです。

では、たとえば、どんな施策があるのでしょうか。繁盛店で行われている売上を上げる策を調べてみました。

経営の勉強をする

まず、基本となるのは経営に関する税金や経費の知識を高めることです。

「数字が読める」経営者になれば、健全な経営を目指すことが成功への第一歩となります。

基本的な経営知識があれば、あらゆるところから自分の店を発展させるヒントを学ぶことができます。

また、定期的に他の店舗の視察に行くことも大切です。
自分の世界を広げるため、同業だけでなく異業種の人気店にも視察に行ったり、さまざまな業種の経営者が集う交流会にも参加したりして意見交換し、ノウハウの吸収を試みるのもひとつの方法でしょう。

交流会や経営者向けセミナーも数多く企画されています。もちろん、経営に関する本や雑誌を読む、インターネットで情報収集をする、自分の欲しい知識をピンポイントで学べる通信教育を利用するなど、時間をうまく使って努力することも重要です。

オススメ商品の導入

オススメ商品としてメジャーなのは、季節限定のメニューです。

その時にしか食べられないというプレミアムがつくので、通常商品よりも高い値段を設定しても、オーダーが入る可能性があります。

また、その逆の方法で、低価格で追加オーダーを促せる限定メニューを考案するのも、注文数が増えて売上が伸びる可能性が考えられます。

追加オーダーの促進

グラスが空くタイミングでドリンクの追加注文を促したり、食事が終わるタイミングでデザートをおすすめしたりすることで、客単価アップに繋げることができます。

注文の多い商品の値上げ

他の商品を値上げしなくても、注文の多い商品の値上げだけで、客単価アップが可能です。

割高感が出ないように二番目に注文率の高い商品を値上げするなど、値上げと値下げを上手く組み合わせるとより効果的です。

宴会メニュー導入

宴会には必ず予算があります。

それに合った宴会を提案することで、通常より高い客単価に設定することも可能になります。

ちなみに、飲み放題プランは客単価が上がりますが、利益率が下がるので注意が必要です。もし飲み放題を入れる場合は、提供する飲み物の種類を一部に限定すると良いかもしれません。

多店舗展開をしてみる

年商1億(年収1,000万)レベルになると、多店舗を手掛けているオーナーが多くなります。

年収1,000万円をシミュレーションしてみましょう。

一般的に言われているようにオーナーの収入を年商の10%とすると、年商1億円、月商840万円の店舗が必要です。

1店舗で月商840万円という数字は、あまり現実的ではありません。

では、多店舗経営ならどうでしょう?

例えば年商5,000万円、月商416万円の店舗を2~3店舗経営することができれば、年収1,000万円超えが見えてきます。

設備投資にお金をかける

昔から『客を飽きさせないためには、内外装や食器を時々変えるべし』と言われるように、継続的な集客のために設備投資は欠かせない要素です。

また、最新の設備を導入することでより美味しい料理を効率よく提供できれば、顧客満足度を高め、より高い利益を上げることができるかもしれません。

しかし、「過度の」設備投資は経営を悪化させる要因になってしまうでしょう。大切なのは「適切な」設備投資です。

どれくらいの投資が適切なのか判断することが大切になります。

判断基準のポイントとしてよく言われているのが「償却前利益の範囲で設備投資を行う」ということです。

設備投資は一定期間かけて減価償却を行います。例えば、償却期間が5年なら、その5年間に投資額に見合う利益が期待できるかどうか考えることが大切です。

売上の限界を意識する

もちろん「売上=客数×客単価」を増やす努力は必要ですが、その限界があることを事実として意識することが大変重要です。

儲かりにくい店にならないよう最初からお店の売上の限界を意識し、費用の掛け方もスリム化した店舗づくりを目指しましょう。

意識すべき「売上に占める費用の配分」は以下のとおりです。

・材料:30%
・人件費:30%
・家賃、管理費:10%
・光熱費、消耗品、雑費:10%
・償却や借入れの返済:10%
・利益:10%

この配分から少しずつでも足が出る場合、利益のはずの10%が削られることになります。

経費を一定枠内に収めることができない店は儲かりにくい傾向があります。

経費をかけるべきところにはしっかりかけ、節約すべきところはシビアに節約するなど、シンプルな鉄則を守れるかどうかも重要なポイントです。

飲食店オーナーの年収は努力次第で上げられる!

飲食店のオーナーの平均的な年収は一般的な会社員の年収を超えてはいますが、オーナーになりさえすれば誰でもそれなりに高額な所得を得られるというわけではありません。

2020年は新型コロナウイルスの影響で、例年よりも経営が厳しくなってきているオーナーも多いことでしょう。

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」の産業別で調べてみると、飲食サービス業の平均賃金は、208,900円と、最も低い賃金となっていることがわかります。
これは経営している側のオーナーも例外ではないかもしれません。

そういったことから、いかにして経営する店舗のコストを下げ、売り上げを上げていくかを考えて試行錯誤していくことが大切です。

繁盛店の視察に行ってみたり、経営者向けのセミナーに参加してみたり、テイクアウトの検討や、一定のペースで新しいメニューを考案するなど、できる範囲の努力を行って年収を上げることを目指しましょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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