飲食店の開業には資金が沢山必要！やはり家賃は安い方がいい

飲食店を開業する際、最寄りの駅から近いことよりも、店舗の家賃の安さと物件の広さを選定条件に考えたオーナーの集客方法とは？東京・国立にある、お餅専門の和食店「餅や蔵王」のご主人にお話しを伺いました。

当初の希望は駅近で（笑）。広さは15坪程度、近くにコインパーキングがあって、できればコンビニや牛丼チェーン店の跡地のような駐車場もあるような場所を探していました。「お餅専門店」って珍しいから、近くを通った時に気になってふらっと入りやすい環境が必要だと思ったんです。それでまず吉祥寺で探していたのですが、やっぱり駅前で人気エリアとなると家賃が高いんです。それじゃあと荻窪、三鷹と少しずつエリアを広げていきました。2ヵ月で30件くらい物件を見たかな。国立エリアでは3件ほど見たんですが、ここに決まりました。家賃はもちろん、広さも希望通り。駐車場がないのは痛かったですが、交通量の多い生活道路沿いだったのも決め手のひとつです。

うーん……駅が近い方がよかったというのが本音ですが、やっぱり家賃が安く済むことは大きかったです。開業って、何をするにもとにかくお金がかかるんですよね。駅近くだと同じ家賃でもとても狭かったりとか、なかなか条件が揃わない。あとは、お客様はご近所さんが中心でコミュニケーションが取りやすいのはいいところかな。生活の中に入りこみやすい。そのためか何度も来てくれるリピーターさんが多いのも嬉しいですね。

お客様からのリクエストがきっかけです。オープンしたころは看板メニューのくるみ餅やずんだ餅など、お餅メニューが中心でした。でもあるとき「お酒が飲めるメニューも置いて欲しい」って希望があって。そこで店名の「蔵王」にちなんで、山形県の郷土グルメである玉こんにゃくや芋煮などを用意しました。この辺りには夜に食事が楽しめるお店も少ないんです。だから餅以外のメニューを用意することで、ランチやカフェとしての利用だけでなく夕食を食べに来る人も増えてきました。

とにかく物件を決める前に、周りの環境をしっかりリサーチすることでしょうか。どんなお店があるかとか、どんな人が住んでいるかとか。今考えれば、できるだけ飲食店がたくさん固まっているエリアがいいのかなと思います。店が固まっているということは、それだけ人が来るということですから。選択肢のひとつに入りやすいですから。
またこれは僕の今の課題でもあるのですが、店の宣伝についてグルメサイトにしろフリーぺーパーにしろ、ちゃんとそれぞれの特徴を調べたほうがいいです。特に駅から遠い店ってことは、どれだけ多くの人に店のことを知ってもらえるかが大切だと思うので。それに宣伝って結構お金がかかることなので、どれだけ反響があるのかを事前に調べておくのは大切ですね。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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