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飲食店のお箸。エコ箸と割り箸どちらがおすすめ?

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ここ数年のキーワードにもなっている「エコ」。飲食店で使用するお箸も、使い捨ての割り箸から何度も使用できる樹脂製の「エコ箸」を導入するところが増えてきています。コスト削減につながったり、さらには「エコ」をアピールできることから、「エコ箸」の導入がおすすめのような印象ですが、実際にはどうなのでしょうか。

箸を置いていない業態とは?

日本人には親しみがある箸ですが、海外では箸を使用しない国もあるということから、日本でも箸を使用しない業態も存在をしています。

では、そんな箸を使用しない業態とはどのような業態なのか。

実は、箸を常に用意している国は日本・中国・韓国の3カ国のみなのです。例えば、フレンチレストランを食べに行った時、テーブルに並べられているものの中にほとんどの場合箸はなく、スプーン・フォーク・ナイフのみです。

このことから、日本・中国・韓国などの料理を提供しているお店以外では、箸を常に置いていないお店が多くなっているのです。

箸を用意しておいた方が良い理由

そんな箸を用意していない業態がありますが、箸は用意をしておいた方が良いのでしょうか。実は、箸は常に用意をしておくべきものと言えます。

あくまでも、ここは日本であり箸を使用する国です。もちろん外国でも日本人が来店することもあります。若い方であれば、わざわざ箸を使用したいと思う方は少ないかもしれませんが、高齢者などといった少し年齢を重ねている方々は、スプーン・フォーク・ナイフよりも箸を使用したいという方は多い傾向にあります。

その時に、「箸はありません」と言えば、恐らくそのお店に足を運ぶ客数は減ります。最近では、箸を常備していることは常識の1つでもあり、皆が快適な空間にて料理を楽しむことができるように、箸は用意をしておいた方が良いと言えます。

準備すべき箸は?

では、そんな箸ですが準備すべき箸は一体何か。箸といっても、割り箸とエコ箸の2種類があります。最近では、エコに気を使いゴミを出さないように割り箸を使用するお店は減ってきており、エコ箸を使用しているお店が増えてきています。

しかしながら、割り箸とエコ箸どちらにもメリットやデメリットはあり、どちらを選ぶべきなのかお店的にも悩むものだと思います。割り箸のメリットはお客様側にあり常に新品、デメリットはお店側にありコスト面が高い・ゴミが増えるということです。

一方、エコ箸のメリットはお店側にあり、ゴミが減りコスト削減をできる、デメリットはお客様側にあり、洗ってはいるものの誰かが使用した箸を使用することになります。

このようなことから、割り箸を使用するのか、エコ箸を使用するのかはお店側がきちんと見極めて選ぶことがおすすめであると言えます。

エコ箸と割り箸、コストの違いは?

経営者として気になるのがコスト面。お箸は飲食店にはなくてはならないものだけに、長期的な視点をもって、無理なく運用できる方を選びましょう。

割り箸の場合

材質や用途、箸袋のあり・なしで金額は変わってきますが、一般的な袋なしのものなら1膳当たり2円~5円程度。袋入りのものでも、3円ほどから手に入ります。100膳、5000膳と、販売単位が大きくなるほど、1膳当たりの価格は安くなります。ただ、毎回捨てなければならないので、定期的な購入が必要なことと、廃棄費用が余計にかかることを計算に入れておきましょう。

エコ箸の場合

シンプルな四角箸なら1本40円ほどからありますが、抗菌や滑り止めがついたものなどは、概ね150円~300円といったところ。耐久性があるため数年単位で使えますが、洗浄費用(水道代・洗剤代・電気代・人件費など)を考慮しておく必要があります。

エコ箸にするメリットとは?

1本当たりのコストが高く、運用する手間や費用がかかるものの、導入する店が増えているエコ箸。そのメリットはどこにあるのでしょうか?

環境にやさしい

何といっても、ごみの量を減らすことに貢献できるというのがエコ箸のいいところ。昨今は環境に配慮しているかどうかを、店を選ぶ基準のひとつにしている顧客も増えています。エコ箸にすれば、「エコを意識しているお店」として顧客に認知され、店のイメージアップが図れます。

食べやすい形状のものが続々登場

エコ箸は樹脂製なので滑りやすいという欠点がありましたが、先端に刻まれた溝で麺が絡みやすくなった箸や、握りやすい5角箸、テーブルの上で転がりにくい10角箸などが登場しています。また、同じデザインのものでも、18センチから24センチ程度まで長さのバリエーションがあり、顧客層に合わせた選択が可能になっています。

エコ箸のデメリットとは?

エコ箸は割り箸のように作るにあたって木を伐採する、使い捨てにするということがなく、環境にやさしいなどのメリットがありますが、デメリットはあるのでしょうか?エコ箸のデメリットについて見ていきましょう。

不衛生な印象を与えてしまう

エコ箸は、折れるなどのように使い物にならない状況になるまでは使い回すのが基本です。そのため、何度も使い回している傷だらけのエコ箸を見ていると、エコ箸に対して不衛生な印象を抱くお客さんも出てくる可能性があります。エコに賛同しているお客さんの場合は、エコ箸に好印象を抱いてくれることが期待できますが、エコに賛同していないお客さんの場合は、「お客さんの満足度よりもコスト削減を優先している」と思われてしまう可能性もあることがデメリットと言えるでしょう。

トータルコストが高くなる可能性がある

エコ箸は、割り箸のように使い捨てることがないため、来店したお客さんの数だけ購入する必要がある割り箸と比べると、大きくコストを抑えることができます。しかし、あくまでも抑えることができているのは最初のうちだけです。エコ箸は他の食器と同様、食洗機で洗うことができるため、大きく労力が増えるわけではありません。ところが、食洗機のない店舗などでは、洗う工程が一つ増えることになるため、それなりの手間とコストがかかります。エコ箸を使う場合も水道代・洗剤代・電気代・人件費が発生することを考慮した上で、どの箸を導入するか選ぶようにしましょう。

割り箸のメリットとは?

全体の98%近くを主に中国から輸入している割り箸。材料となる木材の伐採が緑地の砂漠化を引き起こしているとされ、悪いイメージがついてしまいました。しかし最近では、間伐で不要になった木材を利用する“エコな”国内産の割り箸が注目されるなど、新たな展開を見せています。使い捨てながらのメリットを見ていきましょう。

常に新品の安心感

洗浄するとはいえ、誰かが一度使った箸には衛生面で不安を感じるという人も少なくありません。その点、割り箸は常に“新品”ですので、こうした問題をクリアにすることができます。また、祝事や神事には真新しい箸を用意するという習慣がありますが、割り箸なら簡単に対応することができます。

割り箸のデメリットとは?

エコ箸は使い回すため不衛生という印象を抱かれる可能性がありますが、使い捨てである割り箸は、衛生面を気にするお客さんにとって魅力的であるというメリットがありますが、デメリットはあるのでしょうか?割り箸のデメリットについて見ていきましょう。

とにかくコストがかかる

エコ箸のコストと割り箸のコストを考慮すると、導入時はエコ箸のコストが高かった場合でも、お客さんの人数が多く、長期間店舗の経営を行うとなると、使い捨ての割り箸の方のコストが高くなってしまいます。また、割り箸を捨てる際は、生ごみを含めた全てのごみを産廃業者に回収してもらうことになりますが、廃棄量単位の重量制の契約であれば、ごみの量が増えた分、廃棄にかかるコストも増えてしまうので、とにかくコストがかかってしまうことが大きなデメリットと言えるでしょう。

エコに反している印象を与えてしまう

いくら森林の間伐を行うことが必要で、間伐材を使っている割り箸だったとしても、それが間伐材を使っている割り箸かどうかをお客さんは分かりません。もし、間伐材を使っている割り箸であることをアピールするために、割り箸の袋にそれを印刷するとなると、不必要な支出を増やすことになるほか、逆に間伐材にこだわりすぎて割り箸のコストが高くなった場合には、そこまでして割り箸を使うことにメリットがあると言えません。世の中の流れはエコに傾いてきていて、エコなものを評価する流れになっています。「割り箸=森林破壊」という流れの中で、「環境破壊に加担している店」という印象を抱かれてお客さんが離れてしまうリスクを考えると、デメリットが大きいと言えるでしょう。

箸袋を使った宣伝

箸袋は食事の間ずっと手元にあるため、お店のPRが印刷されていれば自然と目に入ってきます。ひとりなら時間つぶしにじっくり読めますし、人と一緒なら食事中の話のネタに使えることもあり、効果の高さが期待できます。袋をクーポン券などにして、リピート率を上げるツールにするのも手です。QRコードなどを印刷して、店舗のSNSとうまく連動させれば、よりリピート率の向上につなげることができるほか、TwitterのリツイートやFacebookのシェアといった高い集客効果も期待できるでしょう。また、同じ顧客層をターゲットにした異業種の商品やサービスなどを、いわゆる広告タイアップとして印刷する「箸袋広告」もあります。広告料を還元すれば、1膳当たり1円程度で運用することも可能になります。

エコ箸と割り箸の併用も考える

衛生面の不安で述べた通り、 使い回しへの抵抗は女性客を中心に根強いものがあります。エコ箸をメインに割り箸も併用することをおすすめします。箸立てやメニューに「割り箸も用意がある」というインフォメーションを記載したり、箸立てを2種類用意したりするなどして、顧客に自由に選択させるようにしましょう。

文/canaeru編集部

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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