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2023年3月13日から、新型コロナ対策としてのマスク着用方針が見直され、屋内・屋外を問わず個人の判断に委ねられることになりました。しかし、同じ飲食業界の中でも方針はさまざまであり、来店客やスタッフのマスク着用についてどう対応すべきか迷っている経営者も多いことでしょう。
今回は、canaeruが実施したアンケート結果や大手飲食チェーンの事例を挙げながら、飲食店でのマスク着用の対応について考えていきます。
2023年3月13日以降、マスク着用は個人判断に
新型コロナウイルス感染症対策におけるマスク着用の方針が見直され、2023年3月13日からマスク着用は個人の判断に委ねられました。
この動きは、2023年5月8日以降、新型コロナウイルス感染症の法上の分類が現在の2類相当から「5類」に引き下げられることに先駆けて打ち出されたものです。
これまで屋外では原則不要、屋内では原則着用とされてきたマスク着用ルールは撤廃に。行政が一律にルールとして求めるのではなく、個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることを基本としています。
ただし、高齢者など重症化リスクが高い方の感染を防ぐため、以下のような場面では、引き続きマスクの着用が推奨されています。
マスク着用が効果的な場面
・医療機関を受診するとき
・高齢者など重症化リスクの高い人が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設などを訪問するとき
・通勤ラッシュ時など混雑した電車やバスに乗車するとき
このように状況によっては引き続きマスクの着用が推奨されるため、臨機応変に対応できるよう、外出時にはマスクを携帯しておくと安心です。
飲食店はどう対応すべきか?
✓「スタッフはマスク着用、来店客は個人判断」が主流
2023年3月13日以降のスタッフ・来店客への対応について、canaeruが飲食店経営者124名にアンケート調査を行ったところ、52.4%が「スタッフはマスク着用を継続し、来店客の着用は個人の判断に委ねる」と回答。
「スタッフ・来店客ともにマスク着用は個人の判断に委ねる」が26.6%、「3月13日の時点ではマスク着用を継続するが、様子を見て判断する」が14.5%、「スタッフ・来店客ともにマスク着用を継続する」が6.5%という結果になりました。
✓大手飲食チェーンの方針は?
飲食チェーン大手のワタミは、国内で運営する飲食店15ブランド、計380店舗全てで、マスクの着用を来店客の判断に委ねることに決めています。来店時の手指消毒や検温は引き続き呼びかけるものの、今後はスタッフだけが原則としてマスクを着用する方針です。
すかいらーくグループのファミリーレストラン「ガスト」や「ジョナサン」、中華レストラン「バーミヤン」なども来店客のマスク着用は任意とし、スタッフはマスクの着用を継続します。
その一方、居酒屋「金の蔵」などを展開するサンコーマーケティングフーズでは、来店客・スタッフともにマスク着用は個人の判断に委ねる方針に。カラオケチェーン「ビッグエコー」を運営する第一興商も、来店客・スタッフともにマスク着用を任意としています。
✓来店客・スタッフのマスク着用は店舗に委ねられる
政府が示した『業種別ガイドラインの見直しのためのポイント』には、「事業者から利用者や従業員に対して、必ずしもマスクの着用を呼びかける必要はない。その一方で感染対策上、事業上の理由でマスクの着用を求めることが許容される」と記載されています。すなわち、来店客やスタッフのマスク着用の方針は、店舗側で決められるということを意味します。
政府の方針に合わせて、各都道府県では飲食店の認証制度に関するルールを変更し、認証基準からマスク着用に関する項目を削除。マスクの着用を促すポスターの配布を取りやめる動きも見られます。
参照元:業種別ガイドラインの見直しのためのポイント
マスク以外の感染防止対策は判断が分かれる
来店客・スタッフのマスク着用が店舗に委ねられた反面、店内の換気、手指消毒、距離の確保、パーテーションの設置など、マスク以外の感染防止対策に関しては、東京都や神奈川県など多くの都道府県が継続するよう求めています。
しかし、マスク着用の方針が見直されたことをきっかけに、客席のパーテーション設置を不要とする自治体も。マスク以外の感染防止対策に関しては、自治体によって判断が異なるのが現状です。
自店の方針をはっきりと示し、トラブルを回避しよう!
判断が店舗に委ねられているとはいえ、方針をあやふやにしていると、マスク着用の有無で来店客とトラブルになる可能性も。店頭や店内、HP・SNS等で自店のマスク着用に関する方針をはっきりと示し、お客様やスタッフの理解を得る
ようにしましょう。
お客様に安心して足を運んでもらえる店づくり、スタッフに安心して働いてもらえる環境づくりを貫くことは、結果的に経営の安定にもつながります。
ライター:上田はるか(フリーライター)
大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。
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