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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。
週休2日で前年比180%の売上を実現
今回は、自店の価値を上げ、連れて単価も上げ値上げもし、ファンも増やしていった結果として、店休日を増やすことができた、という事例を、回を分けてご紹介しよう。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の、和菓子店のお話だ。
同店は、地元では名の知れた老舗。その代を継いだ店主がワクワク系に出合い、実践し始めたのは今から1年半ほど前。当実践会には基礎知識を学ぶための動画教材が多くあるが、その1つ、「顧客化と、そのための絆作り」の中に、「絆作りを進めることで得られる9つのメリット」について解説しているくだりがある。店主いわく、入会間もなくその動画を見つつ、ウキウキしながらメモを取ったそうだが、9つのメリットの中に1つだけ実感が湧かなかったものがあったという。それは「休みが取れるようになる」というものだ。
当時店主はこう思った。「売上が上がったら忙しくなり、休めなくなるのでは?」「そもそも休みを増やしたら売上は下がるのでは?」。そして、それ以前に「菓子屋は休めない」と。しかし同店、この8月からめでたく週休2日となった。そして、結果を先に言うが、初めての週休2日の営業体制で迎えた8月以降、売上の方も、前年比180%で推移しているとのことだ。「営業日数」が売上を作っているのではなく、売上を作っているのは「お客さん」
大変多くの方が誤解していることがある。それは、「営業日数が減れば売上が減る」、ということだ。実はもうそういう時代ではないし、そもそもいつの時代も「営業日数」が売上を作っているのではなく、売上を作っているのは「お客さん」だ。もちろん今日でも、毎日一見客だけを相手にしているなら、「営業日数が減れば売上が減る」。しかし、今日重要なことは顧客作りであり、ファン作りであり、そのための絆作りだ。商売では常にリピート客が売上の要。そういう商売においては、営業日数が減っても売上が減るとは限らないのである。
また、そうなるために併せて重要なことは、自社の価値、および自社が提供している商品・サービスの価値を上げ、お客さんにその価値を伝え、十分な対価を得るための活動だ。同店もこの1年半、そこに注力してきた。その一環として、例えば今夏のかき氷は一気に倍の値段を付けたが、大人気だった。次回は、今回の週休2日への移行時のことも含め、同店がお客さんに対して行ったことを、幾つか具体的にご紹介しよう。〇執筆者
小阪裕司(こさかゆうじ)
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。- NEW最新記事
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