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トレンドの移り変わりが激しいスイーツ業界。その中で、ネクストトレンドスイーツとして注目を集めているのが缶に入ったスイーツ、通称「スイーツ缶」です。スイーツ缶はクリームやフルーツで彩られたかわいすぎる見栄えはもちろん、自動販売機での販売方法なども話題になっています。
この記事では、いま注目のスイーツ缶をピックアップ。スイーツ缶の種類や、販売方法などを詳しくご紹介します。
目次
スイーツの次世代トレンド「スイーツ缶」とは?
これまで缶で楽しめる食べ物といえば、缶詰や飲料水、おでんといったものが主流でしたが、いまやスイーツも缶で楽しめる時代に。そのブームの発端は、北海道・札幌市にある夜パフェ専門店を運営する株式会社GAKUが、「ショートケーキ缶」を発売したのがはじまりといわれています。
「ショートケーキ缶」の特徴は、生クリームとスポンジの層とみずみずしいイチゴの断面を360度楽しむことができる美しい見た目。それ以外にも、24時間自動販売機で購入できる点や、ケーキの崩れにくさ、持ち運びのしやすさといった特徴も支持されているポイントです。
「ショートケーキ缶」のブレイクを機に、そのブームは全国に波及中。いまではさまざまなスイーツ缶が各地に登場しています。
スイーツ缶の魅力は“萌え断”!
ここ数年、食のトレンドキーワードとして注目されているのが“萌え断”というワード。萌え断とは、カラフルで美しい食べ物の“断面”に“萌える”ことを指しています。代表的な萌え断の食べ物といえば、具がぎっしり詰まったサンドイッチやおにぎらず、さまざまな果物を挟んだフルーツサンドもその一例です。
透明の缶に生クリームやフルーツ、カラフルなゼリーなどをぎっしり詰め込んだスイーツ缶も、まさに萌え断にあてはまるフォトジェニックなグルメ。目と舌で楽しめることから、場をわかせる手土産としても人気を呼んでいます。
アイデアに富んだスイーツ缶たち
話題のスイーツ缶ですが、実際にどのようなスイーツ缶が販売されているのでしょうか。
ケーキ
ブームの先駆けとなった株式会社GAKUでは、たっぷりの生クリームとスポンジ、新鮮なイチゴを詰め込んだ「ショートケーキ缶」のほかに、「チョコレートケーキ缶」や「ティラミス缶」も展開。さらに、ふわふわのシフォンケーキを詰めた「ふわ缶」も販売しています。
そのほかのスイーツショップでも、モンブランや抹茶ケーキ、クレープなど、さまざまなスイーツ缶が登場しています。プラスチックの容器に詰め込むことから型崩れの心配がなく、パティシエのアイデア次第でいろんなケーキ缶を生み出すことができるのです。
ゼリー、プリン、パンナコッタ
つるりとした食感が特徴の、ゼラチンで固めたスイーツも人気です。口当たりが重いケーキと比べ、さっぱりと食べられるゼリー類は夏場を中心にメニューに加わることが多いようです。
ケーキと違い、もともと容器に入って提供されることが主流のゼラチンスイーツにおいては、カラフルなゼリーの層やさまざまな種類のカットフルーツを入れて、さらにフォトジェニックを意識。プリンやパンナコッタ、杏仁豆腐などに、フルーツのソースやコンポートなどをプラスしたスイーツ缶も発売されています。
冷凍スイーツ缶
5,000種類以上のケーキ、スイーツを取り揃えている株式会社Cake.jpでは、さまざまな冷凍スイーツ缶を通信販売で購入することができます。
見た目や味にこだわった多種多様なスイーツ缶の中には、有名パティスリーが監修したものや、人気キャラクターとコラボしたものも。全国に発送可能であるため、地域にスイーツ缶を提供しているショップや自動販売機がなくても、話題のスイーツ缶を味わうこができます。
缶に入った食品を販売するには?
話題のスイーツ缶を販売したいと考えた場合、いちからはじめるにはどのような許可や届出が必要になるのでしょうか。自動販売機での販売方法も含めて解説します。
菓子製造業許可を取る
スイーツ缶は「菓子製造業」にあたるため、「菓子製造営業許可」が必須になります。菓子製造営業許可の取り方のおおまかな手順は以下の通りです。
①食品衛生責任者の設置及び、それに順ずる者の資格証明書を準備する
②製造する施設の図面を用意する
③保健所へ相談する
④地域の施設基準を満たした設備を施行する
⑤申請書・手数料を準備して保健所へ申請する
⑥保健所からの視察をクリアする
菓子製造業許可を取得すると、テイクアウトを前提としたお菓子やパンの製造・販売が可能になります。なお、店内で飲料だけを提供する場合は菓子製造業許可に含まれますが、店内での飲食やアイスクリーム、酒類の提供をしたい場合は次の「飲食店営業許可」も必要です。
本来、缶飲料や缶詰などは「常温で長期保存できる」食品であるため、営業の届出が不要の業種にあたります。しかしスイーツ缶は、“缶”での提供とはいえ冷凍・冷蔵が必要な長期保存ができない食品です。ケーキ缶やゼリー缶を販売したい場合は、必ず菓子製造業許可を取得しましょう。
アイスクリームを入れたスイーツ缶を販売したい場合は、「アイスクリーム類製造業」の営業許可証も必要になる可能性があるため注意してください。
飲食店営業許可を取る
スイーツ缶のテイクアウトや自販機による販売だけでなく、イートインを行う場合は「飲食店営業許可」が必要です。飲食店営業許可の取り方は、おおむね菓子製造業許可の取り方と同じ流れになります。
タイムロスをなくすため、イートインを考えている場合は菓子製造業許可と飲食店営業許可の同時取得を目指すべきです。必要な手順や書類などを取りこぼすことがないよう、準備をはじめる際に一度保健所に相談へ行くとよいでしょう。食品ラベルを貼付する
食品表示法では、消費者等に販売される全ての食品に食品表示が義務づけられています。スイーツ缶は加工食品に該当し、以下の表示事項を食品ラベルに記載しなければなりません。
・名称
・保存の方法
・消費期限又は賞味期限
・原材料名
・添加物
・原料原産地名
・内容量又は固形量及び内容総量
・栄養成分の量及び熱量
・食品関連事業者の氏名又は名称及び住所
・製造所又は加工所の所在地及び製造者又は加工者の氏名又は名称
など
(引用:消費者庁:早わかり食品表示ガイド)
食品表示法は、時代に応じて改正されることがあります。最新の内容を確認してから、記載内容を決定しましょう。なお、食品ラベルの貼付を怠ったり、違反表示をした場合は罰則の対象になるため注意が必要です。
自動販売機での営業許可を取る
食品の自動販売機を設置する場合、機能や条件に応じて必要な許可と届出が異なります。スイーツ缶においては、冷蔵・冷凍機能を有する自動販売機を使用するため営業許可が必要になります。
スイーツ缶を自動販売機で販売するためは、各都道府県が定めた基準をクリアしたうえで、営業許可の申請を行います。取得の手順は、おおむね菓子製造営業許可・飲食店営業許可の流れと同じになりますが、こちらもタイムロスをなくすために事前に保健所へ相談へ行くことをおすすめします。自動販売機の設置方法は?
各営業許可を取得できたら、自動販売機の設置に取り掛かりましょう。自動販売機はメーカーから購入することで導入可能です。購入の費用感や維持費の目安については、こちらの記事で解説しているので参考にしてください。
スイーツ缶を販売するメリット
次世代スイーツとして注目を集めるスイーツ缶を販売するメリットは、以下のような内容が挙げられます。
・見栄えがいい
・話題性がある
・型崩れしにくい
・持ち運びがしやすい
・手土産にすると喜ばれる
・自販機などで24時間販売が可能
そのほかにも、「生クリームの劣化を防ぐ」というメリットがあります。生クリームを使ったスイーツの品質を保つには、なるべく空気に触れさせないことが大切。缶で密封するスイーツ缶は、プルタブを開けるまで空気に触れることなく保存ができるため、生クリームの劣化を防ぐことができます。自販機で販売しているスイーツ缶は、24時間おいしいスイーツを提供することが可能なのです。
スイーツ缶を販売するデメリット
スイーツ缶のデメリットは、以下のような内容が挙げられます。
・勢いよくプルタブを開けると中身が飛び散ってしまう
・深さがある容器を使用しているため食べづらい
・専用のスプーンが必要
・ボリュームがあるのにシェアしづらい
そのほかにも、容器に入ったスイーツの楽しみ方のひとつに「容器の再利用」がありますが、耐久性のない缶容器は再利用に適していません。容器にも付加価値を求める場合は、缶ではなく瓶を使ったスイーツを検討するのもよいでしょう。
まだまだ販売店舗の少ないスイーツ缶を取り入れてみよう
話題のスイーツ缶ですが、販売している店舗や自動販売機はさほど多くありません。店舗が少ないからこそ、販売店に人が集中し、地方の出店も話題になります。
今回ご紹介したスイーツ缶は洋菓子が中心でしたが、和を取り入れたスイーツもあり、アイデア次第でさらに目新しいスイーツ缶を生み出すこともできます。まだまだ続くフォトジェニックなスイーツトレンドの潮流に乗り、新たな“萌え断”スイーツを生み出してみるのはいかがでしょうか。
ライター:上田はるか(フリーライター)
大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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