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店舗などの開店日選びは、伝統的な験担ぎである「六曜(ろくよう)」から「大安」にしなければならないでしょうか?
「六曜」の意味と、店舗などの開店日選びについて考察します。大安でないとだめ?そして、仏滅よりも避けなければいけない日がある!?大安や仏滅……そもそも六曜って何?
六曜(ろくよう)という言葉を知らなくても、カレンダーに載っている大安、仏滅くらいなら見たことがあるという人も多いはず。日付の下に記載されている日時・方位などの吉凶、その日の運勢などを示したものは「暦注」と呼ばれていて、六曜もそのひとつです。
大安ならよさそう、仏滅なら悪そう…と漠然とした認識がありますが、まずが六曜の種類と意味から知りましょう。
六曜の起源は古代中国。一説には諸葛孔明が考え出したとも言われています。先勝(せんしょう・せんかち・さきかち)
『先に動くと勝つ』という意味です。
何事も急ぐと成功する日で、急用や訴訟を行なうのに適していると言われています。「午前中は吉、午後は凶」とされています。友引(ともびき)
本来は『共引』と書いていました。引き分けという意味で、物事に勝敗はないという意味です。それが日本の陰陽道の影響で『友引』という書き方になり、その文面からお葬式が避けられるようになりました。『この日に起こったよいことも悪いことも長続きしやすい』という意味です。
先負(せんぶ・せんぷ・さきまけ)
『何事も急いでは負ける』という意味です。
急な用事などを入れることなく、のんびり過ごすことが吉とされています。
重要な勝負事なども避けるとよいとされる日です。仏滅(ぶつめつ)
『仏さえ滅ぶほどの凶日』と言われています。一般には何をするにもよくない日とされており、こと結婚式などで忌み嫌われるのはこのため。しかし『物滅』という字も当てることができるため、『物事が一度終わり再生する日』という解釈から、新しい物事を始める結婚式にはよいという解釈もあります。
大安(たいあん)
『大いに安し』という意味で、六曜の中で最も縁起のよい日とされています。
何事を始めるにも大変に縁起がよく、この日に始めたことは繁栄し続けるそうです。
しかし、『大いに休むべし』という解釈もあり、この日は大きなイベントや大切な用事を入れず、休日にすべきという説もあります。赤日(しゃっこう・じゃっこう・せきぐち)
『赤いものの日』…ちょっと意味が分かりにくいかもしれません。
ここでいう赤とは血の色を意味しており、ケガなどに注意が必要な日ということ。
この赤口だけは日本の陰陽道が由来しており、他の日と少し解釈が異なります。血の色は死を連想させるため、この日は何を行うのも凶とされています。そのため、すべてにおいて仏滅よりも縁起の悪い日と言われています。店舗などの開店に適しているのは「大安」
開店に最も適しているのはやはり大安です。
金または土曜日に開店や新規出店をして、週末でお客様を獲得したいと考えている場合もあるでしょう。しかしながら、金・土曜日に重なる大安を待っていたら開店日が遅れてしまいます。そんな時は、大安でなくても、縁起が悪い赤口を避ければOK、そして可能であれば、先負と先勝を避けましょう。忌み嫌われやすい仏滅ですが、実は発展の意味もあるため、それほど気にする必要はありません。知っておきたい大安以外の縁起がよい日
六曜の大安のように、他にも縁起のよい日が存在します。その中でも特に知っておきたいのが「一粒万倍日」(いちりゅうまんばいび)。これは一粒の麦が万倍に増えるという非常に縁起のよい日。店舗などが開店、新規出店するにはもってこいの日です。その反面「何でも増える日」ですので、借金には適しません。銀行から融資を受けている場合は、この日に開店、新規出店するのを避けた方がいいかもしれません。また、百神が天に昇るとされている「天赦日「(てんしゃにち)も非常に縁起のよい日とされています。
大安は関係ない?十二直で店舗の開店日を選ぶのもよし
六曜以外にも、古代からそれぞれの日付に割り当てられている「十二直(じゅうにちょく)」と呼ばれる暦注もがあります。北斗七星の動きを吉兆判断に用いたもので、昭和初期までは六曜よりも当たるとされて、よく使われていました。よく見てみると、今でも、六曜の下に記されているカレンダーが多くあります。
十二直 一覧
建(たつ)
中吉。『すべてのものを建て生じる日』。新規事業の開始、開店に最適で、そのほかにも、柱立て、棟上げ、旅行、婚礼なども吉。ただし、土木作用や土動かし、蔵開きは凶です。
除(のぞく)
小吉。『障害を取り除く日』。種まきや医者にかかること、掃除、井戸掘りは吉。婚礼、旅行、お金を貸すのは凶です。
満(みつ)
大吉。『すべてが満ちる日』。新規事業、移転、旅行、婚礼、種まきなど、すべての祝いごとに最適な日ですが、土木作業や土動かしは凶です。
平(たいら)
大吉。『物事が平等・円満に成立する日』。地固め、柱立て、種まき、移転など、すべての祝いごとが吉。土を掘ったり、埋めたりするのは凶です。
定(さだん)
小吉。『物事が定まってとどまる日』。建築、新規事業、開店、売買に吉。移転、婚礼にも向いています。訴訟、旅行、土動かしは凶。
執(とる)
小吉。『物事を裁決して促す日』。婚礼などの祝いごと、井戸掘り、増改築に吉。財産の管理、持ち出しは凶です。
破(やぶる)
大凶。『物事を突き破る日』。訴訟や交渉事は吉ですが、祝いごとすべては凶です。
危(あやぶ)
大凶。『物事すべてが危うい日』。酒造り、祝いごとは、控えめにすれば吉ですが、特に旅行は凶です。
成(なる)
小吉。『何事も成功する日』。新規事業、開店に、移転、種まき、婚礼などが吉。訴訟や交渉事は凶。
納(おさん)
十二直 一覧
開(ひらく)
小吉。『物事が開き、通じる日』。運気を開くとされ、開店、移転、建築などが吉。葬式などは凶です。
閉(とず)
凶。『すべてのものを閉じ込める日』。墓づくりなどは吉ですが、開店や婚礼などの祝い事はすべて凶です。
このように、大吉が「満」「平」と2つあり、ともに何かを始めたり、祝い事をしたりするには最適の日です。また、大吉ではありませんが、「建」「定」「成」「開」もお店の開店日に向いている日とされています。一方、「破」「危」「閉」の大凶や凶の日は、やはり縁起が悪いので避けましょう。
二十八宿・二十七宿で店舗の開店日を決める方法も
暦注にはほかにも「二十八宿(にじゅうはっしゅく)」「二十七宿(にじゅうななしゅく)」と呼ばれるものがあります。起源が同じなので、似ているところが多いのですが、天球における天の赤道を、28のエリアに分割したものが二十八宿と呼ばれています。もともと中国の天文学や占星術で用いられていたものですが、インドに渡って、日の吉凶を表すために使われるようになりました。その際に「宿」が一つ減ったものが二十七宿です。日本では二十七宿と二十八宿、どちらとも使われています。新規事業や店など、新しいものを始めるのに良いとされるのは「氐」「房」「心」「尾」「斗」「壁」「胃」「昴」と、結構たくさんあります。婚礼以外は大吉とされる「鬼」、全般的に吉とされる「軫」などもおすすめです。ただし、すべてにおいてよくない日とされる「牛」(ただし、二十七宿にはありません)や、開店は凶とされる「柳」は避けた方がいいですね。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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