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【第11回】飲食店の客単価アップ術 24~ワンオペでも簡単にできる仕掛け~⑪お客様が“思わずドリンクを頼みたくなる”スタッフの特徴7選
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愛嬌接客®専門家の木村氏による、飲食店向け接客コラム第11弾!
人手不足やコスト高により、ワンオペ経営の飲食店が増えてきている昨今。忙しい中でもちょっとした接客テクニックを取り入れることで、満足度の向上だけでなく客単価アップにもつなげることができます。
本コラムでは誰でもすぐに実践できるテクニックを全24回に分けて余すことなくご紹介!
今回は、客単価アップに重要なドリンクの注文を後押しするトークテクニックをお届け。思わず注文したくなる応対の例を、7つのタイプ別にご紹介します。目次
はじめに
あなたがお客として訪れた飲食店で、スタッフにおすすめしてもらおうと尋ねた時に「店長に聞いてきます。少々お待ちください」という返事をされた経験はありませんか?
その瞬間「サッと答えてほしかったな…」や「忙しいのに、ごめんなさい」など、質問したことに後悔した経験はないでしょうか?こうした対応は、せっかく盛り上がったお客様のワクワク感=購買意欲を削いでしまう残念な対応の一つです。
逆に、自信を持ってサッと回答してくれると「さすが!」と心を動かされ、「おすすめ」された通りに(笑)オーダーした経験がある方もいらっしゃると思います。
今回は飲食店の利益をグッと引き上げる大事なアイテムであるドリンクを例に取り、「お客様が思わずドリンクを頼みたくなるスタッフ」の特徴を7つのタイプに分けました。
お客様から実際にありそうな質問を挙げ、回答例とポイントを紹介します。
ぜひ貴店のフード&ドリンクメニューを横に置きながら読み進めてください。
① 即答タイプ:「この方、慣れている!」と思わせるスピード感
《お客様の質問》
「唐揚げに合う飲み物って何ですか?」
《スタッフの応対》
「ハイボールが人気ですよ!油っぽさがスッキリするんです!」
◆解説
即答は安心感を与えられます!お客様は「考える間もなく答えが出てきた=経験豊富な人」だと感じます。
このテンポの良さが信頼につながり、注文の流れを生みます。
◆ワンポイント
“0.5秒の間”で返せるように、人気の組み合わせを3つだけ覚えておくと◎
◆追加ポイント
「即答=マニュアル」と思われないように理由も添えましょう。
② 共感タイプ:「わかってくれている!」と感じさせる寄り添い力
《お客様の質問》
「今日は温かいものが飲みたいんだけど…」
《スタッフの応対》
「そうですよね。今日は寒かったので温まりたいですよね。
でしたら自家製のホットサングリアはいかがですか?」
◆解説
まず“共感”してから提案するのがコツ。
共感の一言が入るとお客様は「理解してもらえた」と感じ、その後のおすすめを素直に受け入れやすくなります。
◆ワンポイント
「そうですよね」「わかります」「私もそうなんです」など、
“相づちフレーズ”を先に言うだけで印象が激変します。
◆追加ポイント
仮に共感できない返答がきた時は、冒頭に「そうなんですね。確かに…では、」と付けると寄り添う姿勢が伝わりやすくなり、自然な流れで会話ができます。
③ 体験共有タイプ:「その話、信じられそう」と思わせる実感トーク
《お客様の質問》
「このお店で一番人気のドリンクって何ですか?」
《スタッフの応対》
「果汁たっぷりレモンサワーですね!
うちのお店では生ビールの注文数を抜く日もあるくらい注文が多いです。
昨日ご来店されたお客様も“最高でした!”って、ご機嫌さん(or笑顔)で帰られましたよ。」
◆解説
自分の体験や他のお客様の声を交えると、“広告”ではなく“リアルな口コミ”に変わります。
お客様は人の体験を聞くと安心しやすく「じゃあ私も」と思いやすいです。
◆ワンポイント
「よく頼まれます」や「この前のお客様が〜」という表現が具体的でより伝わりやすいです。
◆追加ポイント
近年は「ぐびぐび」や「ゴクゴク」など人によっては「お酒がすすむ」といったニュアンスの表現を避けるお客様もいらっしゃるので、あくまでも「多くのお客様に支持されている」ということをお伝えしましょう。
④ 一言プラスの提案タイプ:「なるほど!」と納得させる理屈トーク
《お客様の質問》
「このフグの天ぷらに合う飲み物ってありますか?」
《スタッフの応対》
「白身魚の天ぷらは、やっぱり日本酒が合いますね~。」
↓
(お客様の反応を見たあと、ご興味がありそうなら)
「白身魚は、身が硬く締まっていて淡泊なので、甘口系の日本酒が良く合うんですよ。」
↓
(さらに興味がありそうならメニューリストを一緒に見ながら)
「日本酒には魚の生臭さをなくす効果があるんです。当店のラインナップなら…」と、銘柄をお伝えする。
◆解説
おすすめに“理由”を添えることで説得力が増し、注文に繋がります。
◆ワンポイント
理由は短く伝えましょう。上記以外では「ソースが濃いから○○が合います。」「香りが強いから△△…」「後味がすっきりするから□□…」といった定番のフレーズだと短くまとまります。
◆追加ポイント
接客に慣れてない方は特に気をつけたいポイントですが、お客様の反応がよくて会話を続けていく際には一呼吸おいて、ゆっくり丁寧にお伝えすることを心がけましょう。
⑤ 楽しそうに話すタイプ:「なんか頼みたくなる!」を引き出す表情力
《お客様の質問》
「この中だったら、どれが美味しいですか?」
《スタッフの応対》
「今、スタッフの間で、この自家製のファジーネーブルが大人気なんです。香りがとっても良くて飲むとふわっと幸せになりますよ〜。実は、賄いの時に毎回飲んでて、今日も楽しみなんです。今も(笑)。」
◆解説
トーンと表情が9割!人は「言葉」ではなく「声の印象」で“おいしそう”を判断します。
楽しそうに言うことで、そのドリンクの魅力が更に伝わります。
◆ワンポイント
笑顔と一緒に声にも“ワクワク”をのせる意識をしてみましょう。お客様の中には「飲むと、どんな気分になるか」で選ぶ方もいらっしゃいます。
◆追加ポイント
“楽しい演出”ができれば、よりGood!例えば決定に時間がかかりそうなお客様なら「私とジャンケンします?お客様が勝ったら○○、私が勝ったら△△のご注文とか、どうですか?」と、選択が楽しくなるようなプチネタを持っておきましょう。⑥ 迷った時に助けてくれるタイプ:「この人、頼りになる」と感じさせる導き方
《お客様の質問》
「どれにしようか迷ってるんです〜」
《スタッフの応対》
「炭酸系と甘い系なら、どちらの気分ですか?さっぱりしたいならレモンサワー、ちょっと甘めなら梅酒ソーダも人気ですよ♪」
◆解説
お客様が迷っているときは、2択または3択の選択肢を提案しましょう。
選択肢を与えると“選んだのは自分”という満足感が生まれ、短い時間で決まります。
◆ワンポイント
「AかB、どちらですか?」という質問形式がおすすめです。
提案というより“相談にのってくれる人”という印象に変わります。
◆追加ポイント
一つ質問をしたら必ずお客様の反応を見ましょう。質問を一方的に重ねると“押し売り”や“誘導”さらには“詰問”のように受け取られてしまいます。会話形式ですすめましょう。
⑦ 自信を持って背中を押すタイプ:「じゃあそれで!」と即決させる締めトーク
《お客様の質問》
「この中だったら、どれが美味しいですか?」
《スタッフの応対》
「私はこの組み合わせが好きです!味のバランスが本当にいいですよ。間違いないです!」
◆解説
お客様は「確信を持って勧めてくれる人」に弱いです。お店に詳しい“あなた”が
自信を持って言い切ることで、迷っていた気持ちをスッと後押しできます。
◆ワンポイント
答えはシンプルでも語尾はやわらかく「〜ですよ」「〜なんです」など笑顔で締めると押し売り感が和らいで好印象を持たれやすいです。
◆追加ポイント
「間違いない」と言い切るには、ある程度の見た目の年齢や熟知していそうな雰囲気、そして実績が求められるかと思います。仮に新人や若い年齢のスタッフがズバリと伝える時は必ず「理由と売上点数などの数字」を付けましょう。そうすると信頼度が増します。
まとめ
お客様の質問にどう答えるか。それは単なる会話ではなく、信頼を築く一番のチャンスです。
大切なのは、「完璧に答えること」ではなく、その場で気持ちよく答えること。今回お伝えしたどのタイプも、まずは“人として感じがいい”ことが共通点です。
お客様は「味」で選んでいるようで、実は「人」でも選んでいます。お客様が“あなた”のことを「お店に詳しいスタッフ」だと信頼するのは「商品知識・振る舞い・気配り・おもてなし」の4つが整ったときです。
日頃からの積み重ねを意識し「この人のおすすめなら間違いない」と思ってもらえる、お店の“顔”を目指しましょう。
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