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【第9回】飲食店の客単価アップ術 24~ワンオペでも簡単にできる仕掛け~⑨ “アツアツ” “とろ〜り”など食欲をそそる「食感オノマトペ」を使ってみよう
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愛嬌接客®専門家の木村氏による、飲食店向け接客コラム第8弾!
人手不足やコスト高により、ワンオペ経営の飲食店が増えてきている昨今。忙しい中でもちょっとした接客テクニックを取り入れることで、満足度の向上だけでなく客単価アップにもつなげることができます。
本コラムでは誰でもすぐに実践できるテクニックを全24回に分けて余すことなくご紹介!
今回は、五感に訴えかけて思わず食べたくなる言葉のテクニック「食感オノマトペ」の活用方法をお届け。シズル感が伝わる用語とその使用例を中心にご紹介します。目次
はじめに
あなたは、お客様におすすめを聞かれたり、出来上がった料理をお客様のテーブルへ置く時、何か意識することはありますか?メニュー名だけ伝えたり、ただ置くだけ…だとしたら、もったいないです。
お客様へ提供する際のご案内を料理名のみで済まさず、プラス一言添えるだけで「おいしそう!」という気持ちをぐっと高められ、お客様の満足度を引き上げて更なる注文に繋げることも可能です。誰でも簡単にできることですがポイントがあります。その料理ならではの魅力を“アツアツ”や“ふわふわ”など「短く表現すること」です。今回は私が働く大阪・道頓堀のたこ焼き屋「くれおーるJUNK」のメニューを例題にしてみました。なお、口頭だけではなく、料理名・POPなどにも使用できますので、貴店のメニューを想像し読み進めてくださいね。
5つの食感オノマトペ
先ほどの“アツアツ”や“ふわふわ”といった言葉をオノマトペと言います。オノマトペとは音や動作や感情などを言葉で表現したもので、大きく擬音語(ぎおん)語と擬態(ぎたい)語の2つに分かれます。擬音語は“実際に聞こえる音”を言葉で表現したもので「雨が“ザアザア”降る」や「子供が“ぎゃあぎゃあ”泣く」といった風に使われます。一方、擬態語は“様子や感情”を言葉で表現することで「胸が“キュンキュン”する」や「星が“キラキラ”輝く」といった風に使われます。今回は“食感オノマトペ”として、食べ物を口にした時の感覚=食感を表す言葉を5つにまとめてみました。
料理提供時に使える“5つの食感オノマトペ”
① 温度・鮮度を伝えるワード
料理が「今まさに食べ頃」であることが強調できます。
◆おすすめワード熱い状態のもの 冷たい状態のもの 鮮度 ・アツアツ・焼きたて
・揚げたて・ホクホク
・出来立てほやほや など
・ひんやり・冷た~い
・キンキンに冷えた
・冷え冷え など
・切りたて
・もぎたて
・朝掘り(主に筍) など
◆実際の使用例
シーン:主に「呼び込みの時の掛け声」で使用します。
「たこ焼きはいかがですか?」
↓
「 “焼きたて・アツアツ”のたこ焼きはいかがですか?」
◆他の伝え方
「“アツアツ”なので、気を付けて召し上がってください」
「“ホクホク”のポテトグラタンです」
「“冷た~い”うちにどうぞ!」
「“もぎたて”果実の○○です」
◆ひとこと
《熱い・冷たい》といった温度感や《鮮度》が伝わる言葉を添えることで、より一層「今(新鮮さや最高の状態)」が誇張されます。
② 食感・口当たりを伝えるワード
口に入れたときの「楽しみ」を想像させる言葉は記憶に残りやすいです。
◆おすすめワード柔らかい 歯ごたえ ・ホロホロ・トロトロ
・とろ〜り・ふわふわ
・もちもち・プルプル など
・シャキシャキ・キュッキュッ
・カリカリ・ガリガリ
・サクサク・ザクザク
・パリパリ・バリバリ
・コリコリ・ポキポキ など
◆実際の使用例
・シーン:POPに書き込みフレーズ
くれおーるのたこ焼き 4個410円
↓
・くれおーるのたこ焼き 外は“カリッ”中は“トロッ”」 4個410円
◆他の伝え方
「“プルプル”プリン、お持ちしました」
「揚げたて“サクサク”ですよ!」
「手で“バリバリ”割って召し上がってください」
「“シャキシャキ”感をお楽しみくださいね」
◆ひとこと
《柔らかい》や《歯ごたえ》を添えることで、「美味しそう!」というイメージを伝えることができます。
③ ジューシーさ・とろけ感を伝えるワード
肉やチーズなど「中から溢れる」「溶ける」系にぴったりです。
◆おすすめワードジューシー なめらか ・ジュワッ・じんわり
・ジューシー・したたる
・肉汁たっぷり・みずみずしい など
・とろ〜り・クリーミー
・トロトロ・スルスル~
・なめらか・とぅるん
・とけるような など
◆実際の使用例
シーン:おすすめを聞かれた時の返答
「チーズペッパー味のたこ焼きは、どうです?」
↓
「チーズペッパー味のたこ焼きは、どうです?口の中で“とろけます”よ
◆他の伝え方
「喉の奥が“じんわり”しますよ」
「“ジューシーさ”が売りです!」
「“クリーミー”な味わいです」
「“スルスル~”っと食べられます」
◆ひとこと
《ジューシー感・なめらか感》は特に印象に残りやすいので、舌の上で広がる瞬間をイメージさせるとお客様の「早く食べたい!」「もっと食べたい!」を引き出すことが可能です。④ 香りや風味を伝えるワード
五感の中で最も想像力を刺激する香りです。
◆おすすめワード香り 風味 ・香ばしい・甘〜い香り
・ぷ~ん・つ〜んと
・ほんのり・かぐわしい など
・旨みたっぷり
・ピリッ・ほわん
・コク深い・ヒリヒリ
・芳醇・ほろ苦い など
◆実際の使用例
シーン:商品をご提供する時
「お待たせしました。ポルチーニソースのたこ焼きです。」
↓
「お待たせしました。ポルチーニソースのたこ焼きのです。
“香ばしい”ソースも手作りなので味わってみてください。」
◆他の伝え方
「“甘〜い香り“もお楽しみください」
「“つ〜んと”した香りも一緒に味わってください」
「“ピリッ”としますが、辛くはないですよ」
「“コク深い”ので○○(お客様が飲まれているドリンク)と合いますよ」
◆ひとこと
《香り》の言葉を添えると、温かい状態だけでなく濃厚な香りが脳内にイメージされます。また《風味》は独特なので、ご注文の前なら苦手な方への伝言にもなります。⑤ 後味・全体の印象を伝えるワード
食べた後の「満足感」や「軽やかさ」を想像させます。
◆おすすめワード満足度 軽やかさ ・ガツン・こってり
・ボリューム満点
・優しい味わい
・クセになる
・濃厚・しっとり
・さっぱり・キリッ
・後味すっきり・あっさり
・さわやか
・フレッシュ
・シュワシュワ
◆実際の使用例
シーン:お客様に夏場の店頭で「おすすめのたこ焼きを聞かれた時」
「トリュフ塩のたこ焼きは、いかがですか?」
↓
「トリュフ塩のたこ焼きは“さっぱりした”味ですがいかがですか?」
◆他の伝え方
「“後味すっきり”なのでお口直しにぴったりですよ」
「“シュワシュワ”のレモンソーダ、お待たせしました。」
「○○はいかがですか?“ボリューム満点”ですよ」
「“濃厚でしっとり”とした味わいです」
◆ひとこと
《満足度》は、いわゆる「お腹にたまる系」なので文字通り、お客様にとって「食べた!」ことが実感できるため満足いただきやすく、《軽やかさ》は逆に「しつこくない系」なので「最後のもう一品」として、ご注文につなげやすいカテゴリーです。おわりに
料理提供時のひと言は単なる「声かけ」ではなく、お客様の体験を彩るスパイスです。
上記とシチュエーションは少し違いますが、私が働くたこ焼き屋で行列ができている時、お客様が並んでいるのにたこ焼きが一旦売り切れてしまい、在庫がない状態になることは多々あります。そんな時、次のお客様に「申し訳ないです!(あなたの注文は)今から焼くので15分くらいかかるんですけど、お時間は大丈夫ですか?」と聞くと「そんなに待てない」とイライラとした表情で買わずに帰られるお客様がいらっしゃいますが「申し訳ないです!今から“新しいたこ焼き(=①出来立て・アツアツ)”を焼くので15分くらいかかるんですけど、お時間は大丈夫ですか?」と、伝えると「本当に時間がない」というお客様以外は喜んで待ってくださいます。
このようにちょっとした一言で、お客様の気持ちが満たされ、客単価UPやリピートにも繋がります。特別なスキルは不要なので「プラスひと言」でお客様の記憶に残る時間を演出してみてください。- NEW最新記事
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