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【第4回】飲食店の客単価アップ術 24~ワンオペでも簡単にできる仕掛け~④「他のお客様も…」の声がけで背中を押そう
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愛嬌接客®専門家の木村氏による、飲食店向け接客コラム第4弾!
人手不足やコスト高により、ワンオペ経営の飲食店が増えてきている昨今。忙しい中でもちょっとした接客テクニックを取り入れることで、満足度の向上だけでなく客単価アップにもつなげることができます。
本コラムでは誰でもすぐに実践できるテクニックを全24回に分けて余すことなくご紹介!
今回は「他のお客様も…」の声がけで背中を押そう、をテーマに実例をもとにしたおすすめトーク術をお届けします。なぜ「他の人の行動」は効果があるのか?
日常生活において「自分だけが特別な行動をしている」と感じると少し不安になり、逆に「他の人もやっている」と聞くと、不思議と安心して決断できることが多いと思いませんか?これを心理学では「社会的証明」というそうです。
たとえば、行列ができるラーメン店、SNSでバズっている商品、「人気NO.1」と書かれたメニューなど。どれも「みんなが選んでいる=きっと間違いない」と思って購入することがありますよね。つまり、「自分以外の人が選んでいる事実」は、お客様の判断を後押しする安心材料なのです。
今回は、私が働くたこ焼き屋でのエピソードを交えてお伝えします。ぜひ自分のお店の商品や客層と照らし合わせながら読んでください。
私が働くたこ焼き屋の情報
店舗名:くれおーるJUNK(ジャンク)
場所:大阪 道頓堀エリア
席数:14席(5テーブル)
公式Instagram
2階建ての店舗で1階はキッチンのみ、2階に客席があります。
道頓堀は1年中観光客で賑わっており、来店される方は体感で8割ほどが外国人のお客様です。
集客には困らない立地ですが、その分ライバル店も多いエリアです。某グルメサイトで検索すると、周辺には330件もの飲食店が存在します。また、たこ焼き店だけでも当店から半径500メートル以内に25件がひしめく激戦区です。
「他のお客様も…」の活用シーン
ワンオペの現場でも、この「他のお客様も…」という言葉やニュアンスは接客のあらゆる場面で活用できます。ここでは3つの実例をご紹介します。
シーン①迷っているお客様へのひと言
当店の場合、たこ焼きの味は8種類の中から選ぶので、なかなか決められないお客様も多いです。そんな様子のお客様には、「何か迷っておられますか?」と、声をかけるようにしています。ほとんどのお客様は、「そうなんです…。ソース味と、もう1つはどの味を選ぼうか迷っていて…」と、返されるので、「でしたら当店のイチオシ、トリュフ塩のたこ焼きは、いかがですか?」と、お答えしています。
これは当社グループの店舗で統一されたイチオシ商品なので、実際にPOPにも同じことが書かれています。もちろん美味しいですし、定番ソース味にプラスしてもう一つ選ぼうかな~と迷っている方にサッパリとしたトリュフ塩味は非常に喜ばれる商品です。
店員からの声がけがないと、店員さんがじっと待っているのがプレッシャーだな~…忙しそうだな…やっぱり一つでいいか…他のたこ焼き屋さんで買おうかな~などと思われてしまい、追加オーダーを逃して機会損失になります。
この、「不動のナンバーワン」をおすすめする方法。お客様にとってのメリットは、短時間でやりとりが終了すること、味への期待を裏切らないこと、人気の商品を食べられた満足感の3点です。
シーン②注文追加へのひと押し
注文時にお客様が小声で呟く一言や目線も逃さず対応しましょう。
例えば当店のノーマルメニューでは、たこ焼きに「追加トッピング」が存在しません。これはオペレーションへ配慮するためでメニューを簡素化して商品を素早く提供するという創業者の方針が現在も続いています。
したがってたこ焼きに「ねぎ乗せ」の追加トッピングもメニューにはありません。ですが、たまにお客様が「ねぎ乗せできるかな~」と呟きながらメニューをご覧になっていたり、お連れ様同士で「ねぎがたくさん乗ったたこ焼きないかな?」と会話する方がいたりします。そんな時は「ねぎ乗せできますよ。50円いただきますがよろしいですか?」と、特別提案をしてみるとほぼ100%ご注文いただけます。
また大阪の地ビールのPOPに目を向けたお客様にはすかさず「たこ焼きにこの地ビールは合いますよ。」と笑顔で人気商品の銘柄をおすすめするとオーダーに繋がることが多いです。
この場合のお客様のメリットは、食べ物に対する自分の希望が叶うこと、その場所やそのお店ならではだからこその商品と出逢えること、プチ贅沢の気分が味わえること。これらの3つのささやかな体験を提供できることです。
シーン③おすすめの提案に説得力が増す
「おすすめはどれですか?」と聞かれた時、お客様に時間の余裕がありそうで、店側も行列が途切れるなどして余裕のある時は「このあと、他のお店のたこ焼きも食べる予定はありますか?」
と質問します。もしそうなら定番のソース味以外の商品をおすすめします。
これは道頓堀という場所柄、店舗をはしごしながらたこ焼きを食べ比べるお客様が多いことから行動を予測した私からの返答です。
そうすると、チーズペッパーソース味やポルチーニソース味など、定番のソース味以外のたこ焼きを選んでくださいます。
当店の場合、2025年7月時点で定番商品である王道のソース味は4個で410円ですが、それ以外の品は470円なので、このやりとりだけで単価にして60円アップします。さらに、こういったやりとりが楽しくすすむと、本来なら何か一つだけ注文しよう。と思っていたお客様の気持ちと財布の紐が緩み、会計の確認をしようかという段階で「ちょっと待ってください(笑)」と、追加のご注文をいただくことが多いのです。たまに470円だった会計が3,000円くらいになることもあるくらいです。
ポイントはお客様の行動と気持ちを読み、心を開放いただくことです。例えば寒い日に温かいお料理を、暑い日に冷たい食べ物をおすすめするのも同じです。「他のお客様も…」と言った言葉はなくても、(自分と同じようなお客様が多いんだな)というニュアンスが伝わるだけでもOKです。
この場合のお客様のメリットは、自分の状況の先読みをしてくれたこと、ベストな選択ができたこと、気持ちの良いやりとりができたこと。この3つの喜びです。
すぐに使える“セリフ例”集
ここで、「他のお客様も…」と同類の言い回しをご紹介します。
「さっきのお客様も召し上がっていましたよ」
「今日はこちらが人気ですね!」
「ランチタイムは皆さんこのセットをよく選ばれています」
「このメニュー、リピートされる方が多いですよ~」
「最近よくご注文いただくのは、こちらですね」
語尾に「~ですよ」「~ですね」と優しくつけることで押しつけにならず、印象がグッと柔らかくなります。注意ポイント:やりすぎ注意!こんな使い方はNG
「他のお客様も…」の言葉を使う際に気をつけたい注意点を3つ紹介します。
①事実でないことを言わない
「売りたい」気持ちが先に出ても、ウソは絶対にNGです。お客様は意外と敏感なので1回でも信頼を失うと、次の来店につながりません。
②相手を見て言葉を選ぶ
中には「他人が何を頼んだかは関係ない」というタイプのお客様もいます。あくまで“軽い情報提供”くらいのトーンで伝えましょう。
③自分の主観を主張しすぎない
「私が一番好きなんです!」という主観的なおすすめも悪くはないですが、「他のお客様も」と客観的な言葉を含めると、安心感を与えます。
言葉と表情でロックオン!
今回お伝えした方法を自分のお店に合わせてアレンジ&ブラッシュアップしてみましょう。観光地なら客単価UPに繋がりますし、住宅街や駅前立地ならリピーターも増えます。まずは心の距離を縮めるために笑顔で「いらっしゃいませ」からスタートしてみてはいかがでしょうか?
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