• 2021/06/03
  • 00:05:19

【Sec.1-2】物件、内装などの費用の内訳

セミナー内容の紹介

みなさん、こんにちは!canaeru開業サポートの加納です。
第一回では、お店を始めるには様々な費用がかかることをお話ししました。
今回はそれぞれの費用がどれくらいかかるのか具体的なモデルケースで紹介したいと思います。

不動産取得費用
まず初めにご紹介するのは不動産取得費用です。
お店を始めるには店舗が必要となります。店舗物件の取得にはどのくらいの費用がかかるでしょうか。

保証金
不動産取得費用の中で最も大きなものが保証金です。こちらは地域や物件によって異なりますが、東京23区内の場合、おおむね家賃の10ヵ月分というのが相場となっています。保証金は家賃の何倍という設定のほか、具体的に金額が指定されている場合もあります。

礼金
つづいて礼金です。
賃貸の住宅でもよく見られる礼金。こちらは家賃の1ヵ月~2ヵ月分のことが多いようです。

前家賃
次に前家賃です。
家賃は基本的に翌月分を当月に支払うので前家賃も必用となります。

造作譲渡費
最後に造作譲渡費です。
居抜き物件の場合、造作譲渡費がかかる場合があります。この造作譲渡費はお店を譲るオーナーへ支払う費用です。そのためオーナーとしては高く売りたいわけですが、高すぎると買い手がつきません。また、良い立地を確保するための費用という見方もあるようです。
ここでひとつ例を紹介します。
家賃が25万円、保証金10ヵ月、礼金2ヵ月、造作譲渡費200万円の場合です。
トータルで525万円かかる計算になります。
思ったよりも費用がかかるなと感じられた方が多いのではないでしょうか。

内外装費用
内装費で最も費用がかかるのがエアコン、ダクト、トイレ、キッチンなどの設備です。居抜きの物件で造作費がかかったとしても、これらの設備をそのまま利用できるのであれば、初期投資額を大きく抑えることができます。
費用がかさむ例としては、排煙ダクトを直出しできないスケルトン物件で、屋上までダクトを上げなければならない場合、工事費用だけで100万円を超えてしまうこともあります。

参考までに10坪程度のスケルトン物件から居酒屋をオープンさせた場合がこちらです。

居酒屋オープン 10坪 スケルトンの場合
内外装工事 400万円
電気工事費 100万円
空調設備工事 70万円
給排気設備工事 80万円
給排水設備工事 100万円
ガス工事 30万円
設計費 40万円
合計
820万円

こちらはゼロからの工事となりましたが、居抜きの場合は、何が使えるかによって大きく費用が変わってきます。

備品類その他の費用
店舗をつくるには内装だけでは終わりません。
店内を彩る装飾品や備品類にも意外にお金がかかることを頭に入れておいてください。

運転資金
最後に運転資金です。
これまでお店をオープンさせることについてお話してきましたが、オープンさせることはゴールではなく、スタート地点です。これからどうやってリピーターを増やし売上を上げていくか、考えていかなければならないのです。そしてオープン当初から大繁盛というお店はほぼありません。利益が出るどころか赤字の可能性も高いのです。それでも食材や消耗品などは購入しなければなりません。ある統計によると、開業一年以内に閉店する飲食店の割合は35%にも上ると言われています。リピーターがつく前に閉店してしまっているのが現実です。このようなことを避けるために運転資金は厚めに用意したいところです。仕入れ資金の1ヵ月分、諸経費の4~6ヵ月分程度を目途に運転資金は用意されることをおすすめします。
これまで店舗を開業するには資金が必要だということをお話してきました。全額自己資金でお店をオープンさせるに越したことはありませんが、そこまで資金がある方はそう多くないかと思います。

さあ、次回はいよいよ資金の調達方法についてお話しします。

講師
canaeru開業サポート 加納健雄
元金融機関の融資担当者。今はcanaeru開業サポートのメンバーとして、店舗開業者のサポートを行っている。

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