• 2021/06/04
  • 00:08:10

【Sec.2-4】日本政策金融公庫の面談対策

セミナー内容の紹介

こんにちは!canaeru開業サポートの加納です。今回は公庫の面談時の注意点をテーマに、ロールプレイングの要素も交えてお届けします。公庫融資の最終段階ですのでお見逃しなく。

公庫に申し込みをすると電話または書面、もしくはその両方で面談時に持参するものが指定されますので、面談時までに必ず揃えるようにしてください。こちらが持参するものの例です。もちろんすでに提出しているものについては改めて持っていく必要はありません。

事業計画書
創業計画書
源泉徴収票
運転免許書
不動産の賃貸契約書または賃貸物件の説明書
資格(例)調理師免許
通帳(公共料金引き落としがされている口座)
通帳(自己資金がわかる口座)
住宅ローンの支払明細表
店舗の住所と地図(ネットからでOK)

公共料金を口座引き落としにしていない場合、領収書のコピーが必要となる場合があるので注意が必要です。ただしクレジットカード払いの場合は明細があれば大丈夫です。

持参する資料が整ったらいよいよ面談です。でも、ちょっと待ってください。服装にも気を付けたいものです。スーツにネクタイとまでは言いませんが、なるべく小綺麗な服装を心掛け面談に臨むようにしてください。夏ならチノパンにポロシャツ、秋冬ならカーディガンやジャケットなどで清潔さを心掛けてください。近所だからと言ってジャージにサンダル履きというのは控えた方が賢明です。

面談時の質問は担当者によってさまざまですが、主に担当者が知りたいのは3つです。
1.ちゃんとお金を返してくれるか
2.自分で事業計画を考えたか
3.信頼できる人物か

それではこれらの質問に対する回答例をご覧ください。
面接官「飲食店の経営が結構難しいことは知っていると思います。もしも思うように行かず借金だけが残るような事態に陥ったらどうしますか?」
回答者「自分は20年もこの業界でやってきました。この場所なら絶対大丈夫です。がんばって売り上げを伸ばす努力をします」
コメント
がんばりますだけでは残念ながらまったく根拠が不明です。質問者の回答になっていません。お金を貸す側からしたら不安になってきます。
次は良い回答例を。

面接官「飲食店の経営が結構難しいことは知っていると思います。もしも思うように行かず借金だけが残るような事態に陥ったらどうしますか?」
回答者「はい。一度サラリーマンに戻ってやり直します。定期的な収入を得ながら毎月の返済は遅らせないようにします。そのために融資金額はなるべく低く抑えましたし、妻がパートで働いており別の収入があるので、自分が返済を続けても生活に困窮することはありません」
コメント
万一の場合の身の振り方や、家族内で別の収入があり生活に支障をきたさないことを合理的に説明しています。また“融資金額を低く抑えた”という発言で計画性も感じられます。何かあっても返してくれると考えることができます。

もうひとつ別の質問をしてみます
面接官「最初のうちからこんなに高い売り上げを見込むことができますか?」
回答者「えーと。そういうのが得意じゃなくて。今務めているお店の来店客数を参考にしたんですけど……」
コメント
得意不得意にかかわらず、経営者になるからには売り上げの見込みくらい考えなければなりません。次は良い回答例です。

面接官「最初のうちからこんなに高い売り上げを見込むことができますか?」
回答者「はい。住宅街なので平日よりも土日・祝日の満席率をこのように高めに見積もりました。ただし休みの日はファミリー層の利用が多くなると考え回転率は低くしています。客単価は……」
コメント
提出した事業計画書について、自分の言葉で数字の根拠を説明できるようにしておくことが大切です。

最後にもうひとつよく聞かれる質問です。
面接官「今回の申し込みが否決もしくは減額されたらどうしますか?」
回答者「何か問題あるんですか? だめならなんで面談に呼び出すんだよ」
コメント
担当者は融資申込者の計画性や思わぬことが起きた際の適応力を見ています。この回答では計画性も感じられず、おおよそ借り手として信頼できません。

面接官「今回の申し込みが否決もしくは減額されたらどうしますか?」
回答者「はい。自分の預金がまだ別にありますので、そちらを利用して開業するつもりです。なかなかこのエリアでは出てこない好条件の物件なので、逃したくないのです」
コメント
資金的にまだ余裕があることが伝わり担当者として安心できます。また、どうしても開業したいという強い思いが伝わってくる回答です。

最後にもうひとつ。面談の際には時間に遅れないようにしてください。時間に遅れるということは約束を守れないルーズな人間とみられてしまう可能性があります。どうしても遅れてしまう際は事前に電話連絡をし、遅れる理由を伝えるようにしましょう

いかがでしたでしょうか? 今回は実際の面談を想定してロールプレイング形式でお届けしました。公庫の面談対策はもちろん、開業に関するあらゆることはcanaeruにお任せください。お悩み・ご質問などは無料で承っていますので、こちらまでお気軽にお問い合わせください。

講師
canaeru開業サポート 加納健雄
元金融機関の融資担当者。今はcanaeru開業サポートのメンバーとして、店舗開業者のサポートを行っている。

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