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「絶対にやる!」準備期間は20年超。念願の独立開業から3年で年商約1億の人気店へ

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ホルモン焼 千歳
森井公一

東京都大田区大森北1-4-10 大森駅前共同ビル2階

エリア
東京
業種
焼肉店
ロケーション
繁華街
ターゲット
大人向け
業界経験
~3年
開業時の年齢
40代
目標月商
100万~200万
開業資金
1,000万~1,500万
坪数
10~20坪
家賃
30~40万以下

開業を目指すきっかけ

これまでの経歴を教えてください。
飲食店の経営に興味を持ったのは、大学時代のアルバイトがきっかけでした。勤めていたお店は食事もすごく美味しいし、みんなが楽しくワイワイ働いている雰囲気がよくて自分でもやりたいなと思いました。ですが、大学では全然関係ないことを勉強していたので、悩んだ末にいったん就職しました。開業資金を貯めていつかやろうと思っていたんですが、営業先でイタリアンを経営する社長と出会いまして。いろいろと話しているうちに「そんなに飲食やりたいんだったら早くやった方がいいよ」と言っていただき、マネージャーのポストが空くからやってみないかとお誘いを受けました。不安はありましたが、チャンスかなと思ったので思いきって飛び込みました。まあ、全く甘い世界ではありませんでしたけどね。

これまでの経歴を教えてください。

アルバイトをされていたとはいえ、未経験のマネージャーは周囲に信用してもらうまでに時間がかかりそうですね。
そうですね。いきなり素人が入ったので結構しごかれました。飲食は体育会系の側面もありますしね。でも今になって考えると、あの時いきなり置かれた環境でもがむしゃらにやった経験が生きているなと思います。
また、その時はお客様にも助けていただきました。ワイン好きでソムリエの資格も取られている方が、「ワインを勉強したほうがいいよ」って要点をまとめたテキストを作って持ってきてくださったんです。それまでワインはほとんど飲んだことがなかったのですが、そのお客様がきっかけでワインにもハマっていきました。ホテルのフレンチレストランでも勤務しましたが、そこでもソムリエの技術を磨いて資格を取ることができました。
イタリアンとフレンチを経験されて、どうしてホルモン業態で開業することを選んだんでしょうか?
単純にホルモンや焼肉が好きだから、という理由もありますが、実際のところフレンチで独立っていうのはすごく難しいだろうと感じていたんですよ。飲食に飛び込んだばかりの頃は、何か技術をある程度極めれば独立できるかなと、漠然と考えて頑張ってきました。ですが、いざ開業を具体的に構想しはじめると、シェフを雇って開業するというのはかなりの資金力がないと厳しい分野だなと感じまして……。でも飲食店経営をしたい気持ちは諦められなかったので、自分も料理をやる方向に転換して、焼肉店で修行をすることにしました。ただお肉の扱いは店長しかできないところだったので、基本的なノウハウは群馬にある全国食肉学校で学びました。学校に通いながら勤務していくうちに店舗展開が決まり、お店で実践できるチャンスが回ってきました。焼肉店での修業期間は5年ほどでしたが、そこで一気に覚えて業者さんとのつながりもできたので、大きなチャンスでしたね。最終的には店長になりました。
異業種かつホール業務から調理へ転向して店長にまで…5年でそこまで上り詰めてすごいですね。
絶対に自分のお店をやるって気持ちがあったからですね。これまで見てきた、経験がなくても成功してきた人たちの共通点は「絶対やる」っていう気持ちに尽きるな、と思っていたんです。

開業準備での課題と解決方法
(物件探し・資金集め, etc.)

開業準備で一番苦労したことは何でしたか?
大変だったのは、物件選定と資金調達でした。その2つについては知識がなく、本当にゼロスタートだったのでインターネットで手当たり次第に調べ、その流れでcanaeruを見つけました。参加した「事業計画書の書き方セミナー」の中で開業相談ができることを知り、開業プランナーの加納さんにその時点の候補物件について相談しました。

開業プランナー 加納:よく覚えています。板橋の物件でしたね。

そうでしたね。当時、エリアは絞っていなくて物件ありきで考えていました。でも経験がないので、家賃や造作の費用など数字だけを見て選んでしまっていて……。加納さんのアドバイスを受けて選ぶのをやめたのですが、今思えば危険でしたね。

開業プランナー 加納: 立地は一等地にあたる場所だったんですが、その物件で気になったのは、直近に入居していたお店が閉まってから1年以上借りられていないという点でした。そのお店は閉店する直前に格安のプランを提供していたこともあり、手段を選ばずに集客している印象でした。一等地で勝負していくのは正しい選択でもあるのですが、こうして中身を見ていくと避けた方がいい場合もある……という意味でアドバイスさせていただきました。

開業準備で一番苦労したことは何でしたか?

最終的に、飯田橋の物件を選ばれたんですね。
そうですね。当初は山手線沿線で、ある程度広さもある物件で…などわがままな希望を出していたので難航するかなと思っていたんですが、条件を満たす物件が急に出てきまして。造作もすごく安かったんです。ただ、契約条件を見ると「定期借家契約」で、契約期間は3年だったんです。最初見たときは、それの何がネックかわかっていませんでした。定借でも再契約してくれるんじゃない?と思っていましたが、加納さんに相談すると甘い考えだったと気づきました。

開業プランナー 加納:正直いうと、契約期間の3年で切られる可能性が十分あるんです。受けた融資を7年や10年というスパンで返済していく中で、再契約できずに3年で契約が終わる可能性がある物件はリスクが高いですよね。ですので、物件のオーナー様がどうして定期借家契約にしているのかという意図を不動産会社に深掘りしていただくようにお伝えしました。
確認すると、オーナーのスタイルで、更新を前提にしているけど定期借家という形を取っていることがわかりました。持っている他の店舗では再契約をしている実績も確認できましたし、それらのエビデンスを融資の申し込みにも持ち込んでいただくようにしました。

森井様:定期借家の期間を5年に延ばしていただけたのも大きいですね。コロナ禍の終盤だったので、オーナー様も早く入居してほしかったんだと思います。普通、なかなか延びないと思うので…。
資金調達を進める中でどんな気づきがありましたか?
開業相談をして一番驚いたのは、創業計画書の書き方でした。僕が考えていた視点と違ったんです。最初、僕は「がんばります!」「休みなく働いたらこれだけ売上を上げられます!」みたいな考えでいたんですが、それは違うよと加納さんから助言をいただいて。事業計画を策定する上で大切なのは、現実的で継続性のある設計ができているかだと知ったんです。

開業プランナー 加納:まずは、月に4回休みを取ることです。逆に30日間休みなく働くという計画は、金融機関から経営者として適正ではないと判断されます。それを従業員にも強いてしまう可能性がある、と審査側は考えるんですね。それと、売上のシミュレーションも現実的なラインで提出することが鉄則です。好調時・通常時・不調時と松竹梅を立てる中で、決して松として「絶好調時」の売上は載せないことです。少し抑えた設計を出しても、金融機関はちゃんと受け止めてくれます。一度きりの審査書類なので、よく見せたいという心理が働いてしまうものですが、そうではなく現実的な返済プランを考えられているか?を重視されるんですよね。

森井様:おかげさまで計画通りの額面で資金調達できました。加納さんとの出会いはターニングポイントでした!

開業後の気づき/今後の課題

開業してからはどのような課題がありましたか?
当時の一番大きな課題は集客でした。1店舗目の飯田橋店をオープンした頃はまだコロナ禍の余波があり、宴会予約を取ることができなかったためです。1組あたりの人数を絞らないといけない時期だったことと、お酒を飲む場を控える風潮があったので厳しい状況でした。だからオープン時はインパクトを与えようと思ってドリンクを格安で提供するキャンペーンを実施しましたね。生ビールを50円で出すなど、広告宣伝だと思って価格を引き下げて瞬間的に新規集客を狙いました。
そこから先は大きなことをせず、丁寧な接客を心がけてこつこつと集めていきました。最初のキャンペーンである程度定着した感じはありますね。
2022年から飯田橋店を3年ほど経営し、売上が軌道に乗ってきたタイミングで物件を探し、2025年5月に2店舗目となる大森店をオープンしました。2店舗目をスタートした今の課題は、人材の採用ですね……。本格的に社員募集をしましたが、なかなか応募が来なくて。まさにその問題に直面しているところです。

開業してからはどのような課題がありましたか?

今後も店舗数を拡大していく考えはありますか?
そうですね。数の目標があるというよりは、やりたいことがいろいろあるんです。飯田橋店の近くでやりたいことがあったり、ビジネスチャンスを感じている出店場所もあったりします。そして、ある程度この業態で店舗を増やしたら、これまで学んできたワインを特徴づけるなど自分の色を出す業態をやるのも面白いかなと。ホルモンとワインの両立って、設備面のハードルが高いんですけどね(笑)。中途半端にやってもダメなので、じっくり考えていきたいと思います。
学生時代に魅力を感じてから長い準備期間を経て飲食店開業という夢を叶え、ここまで続けてきていかがですか?
開業してすぐはあまり自分が飲食店に行くことができなくなったこともあり、正直に「お客様側でいることが飲食店を一番楽しめるんじゃないか」と思うこともありました。でも今はもう、そういう考えがブレることもなくなりました。経営者の方はみんな同じことを言うと思いますが、飲食店って直接お客様から「ありがとう」や「美味しい」と言っていただける。これに良さがある仕事だと思います。だから今は飲食店経営が楽しいですね。
ホルモン焼 千歳

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