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【小阪裕司コラム】第219回:「まだ来店したことのない顧客」を作る

【小阪裕司コラム】第219回:「まだ来店したことのない顧客」を作る

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします

HP登録の改善から生じた意外な気づき

 今回は、まだ来店したことのないお客さんも自店の会員にできる、というお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員のある飲食店・テイクアウト店・ネット販売を営む方からのご報告。
 同店には会員制度がある。個人情報を記入し会員登録してもらうと会員特典が受けられるものだが、これまでその登録方法は、主に店頭で声をかけその場で個人情報を記入してもらう方法と、オンラインショップから商品購入する際に登録する―登録するとWebでの購入がしやすくなる―の二通りだった。今回は、来店してくれた人が「いいお店だったなあ」とお店のことを思い、より詳しく知ろうとHPを見に来てくれたとき、会員登録フォームがあれば登録するのではないかとの仮説で、HPでの登録の流れを改善した。
 その後、はじめは想定した通りの方々が、「○月○日来店しました。とても美味しくて、温かいおもてなしをありがとうございました」と登録が相次いだ。しかし、しばらくすると思いがけないことが起こり始めた。まだ来店していない方からの登録が増え始めたのだ。「ネットで噂を聞きましてぜひ食事に行きたくなりました」「まだ出向いたことはありませんが、Youtubeで紹介されているのを見て…」といったものだ。
 それは店主には意外なことだったが、まだ来ていない方もそう思うのなら来た人はもっとそうではないかと思い直し、より積極的に、店頭ではメニュー表に会員登録用紙を挟み込むことにし、さらに登録者数は増えた。登録した方には手書きのメッセージを添えてニューズレターを送るなどし、「体温を感じてとても嬉しかった」と喜ばれている。

会員化と同時に来店の動機づけも考える

 ここでの学びはいろいろあるが、注目したいのは、まだ来店していない人も自店の会員制度の対象者だという点だ。SNSなどがこれだけ浸透すると、まだ来店していない人が何かで自店を知り、「いつかは行ってみたい」と思う可能性は大いにある。そんな人たちを会員化すれば、それは顧客に近い存在だ。来店した方が100%再来店するとは限らないのだから、「いつかは」と強く思っている方々は優良な顧客とも言える存在なのだ。ただそういう方々も、つながってコミュニケーションを図り、来店を動機づけしなければ、往々にして来店することはない。だからこそ、今回のような気づきと実践は大切なのである。

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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