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【小阪裕司コラム】第218回:「電話に出ません」が顧客を作る理由

【小阪裕司コラム】第218回:「電話に出ません」が顧客を作る理由

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

店内環境を気遣う店主の課題解決方法

 今回は、「電話に出られません」という留守録メッセージが顧客を作るお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の結婚指輪専門店からのご報告だ。
 同店のモットーはゆっくりじっくり指輪を選んでもらうこと。そのための環境作りには気を使っており、それを知るお付き合いの長い顧客は、来店の際新規相談中のお客さんがいると分かると相談の邪魔をしないようそーっと入店する。宅急便の配達員も、店内にお客さんがいると分かると裏口に回り自宅玄関のチャイムを鳴らす、そういう店だ。おかげで新規のお客さんは時間を忘れるくらい指輪選びに没頭し、2,3時間を過ごすことも同店では日常の光景だ。
 しかし問題があった。同店は店主が一人で購入相談・販売からアフターサービスまですべてをこなす、いわゆる“ワンオペ”の店。そこでの問題は店にかかってくる電話だ。お客さんが指輪選びに没頭している最中に電話に出ると、どうしてもそのムードを中断してしまう空気になり、お客さんの心も冷えてしまう。とはいえ、出ないわけにもいかない。
 そこで店主は考え、電話の留守録メッセージを変更し、電話に出ないようにした。そのメッセージとは、「ただいま、ご来店中のお客さまのお幸せづくりのお手伝いをしているため電話に出られません。後ほど先着順で折り返しのお電話を差し上げますので、ピー音が鳴りましたら、ご用件またはご来店希望日時の第一希望、第二希望とお名前、必ずお電話番号をお話しください」。
 そうしたある日のこと。指輪を購入することになった新規客(カップル)の接客中に電話がかかってきた。もちろん店主は電話には出ず接客を続けたため、店内には着信音と続くメッセージが小さく流れた。すると、それを聞いた彼らはこう言った。「私たちが電話したとき、お幸せづくりのお手伝いをしているため電話に出られませんっていうメッセージを聞いて、絶対ここで買おうって思ったんだよね」。

お客さんが店を選ぶ際の決定的なポイントとは?

 お客さんはどの店で買うか、誰から買うかを、何で選び決断していると思うだろうか?確かにお値打ちさや品揃えの豊富さもあるだろう。有名な店かどうかも一つだろう。しかしより決定的なポイントは、作り手・売り手の姿勢だ。特に指輪のような“大切な買い物”においては。そしてその姿勢は、留守録メッセージのようなささやかなことでも伝わると今回の例が物語る。ささやかなことを散りばめよう。あなたの姿勢が伝わるためにも。

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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