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【小阪裕司コラム】第215回:「道案内」を送ると売上が上がる!?

【小阪裕司コラム】第215回:「道案内」を送ると売上が上がる!?

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

写真付きの「道案内」とフレンドリーな案内状

 今回は「道案内を送る」といった行為が、結果として売上を上げることになるお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員のある水産業の方からのご報告。
 同社では一般のお客さん向けに有料で漁業体験のサービスを提供している。例えば漁船に乗ったり、同社が行っている牡蠣養殖の作業に参加するといったものだ。特別にエンタテイメントとして仕立てているわけではなく、普段同社のスタッフらが仕事で行っていることに参加するようなものだが、一般の人々にとってはそれこそがエンタテイメント。数年前から試験的にスタートしたが、大変好評なため、現在本格的に事業化を進めている。
 そんななか最近力を入れていることは、より温かさや安心を感じてもらうにはどうするかだ。そこで始めたひとつが「道案内を送る」。元々事前の案内はしていたが、毎回「道に迷いました」という参加者がいたため、迷いやすい箇所の写真付きで詳細な案内を送ることにした。また、「迷ったらこちらへお電話ください」と、同社の店舗と担当者(同社三代目)の携帯電話番号も記載した。
 イベントの1、2日前に、改めて当日のスケジュールと天気予報を送ることも始めた。それも機械的な連絡ではなく、フレンドリーなタッチを意識した。「日程間違ってないよな?」「ちゃんとやさしくしてくれるかな?」といった不安を解消するためだ。
 さらに当日は、参加者全員を紹介して交流を促し場を温めたり、作業体験中、参加者が楽しそうに作業している様を写真に撮りLINEで共有するなども充実させている。参加者は作業中なかなか自分たちの写真を撮れないため、特に家族での参加者には、子どもたちが楽しそうに作業する姿を撮り共有すると大変感謝されるとのこと。

売上アップの素因は“人の温かさ”

 同社では他にも同様な充実を図っており、いずれも大変好評を博している。そして、これらを充実させていく中で気づいたことは、参加者がその後、同社商品を利用する頻度が劇的に増えていくことだ。そういうお客さんが続出しているのである。
 その原因として、お客さんにとって漁業体験が面白い、楽しいという満足感はまずあろう。ただそれ以上にあるものは、同社の親切さ、温かさに対する感謝や好感といったものだ。あちこちでシステム化が進む現代、“人の温かさ”を体験する機会は減っている。だからこそそれはお客さんの心により深く響き、お客さんはその会社のことを信頼し、好きになる。それが「選ぶ」という行為につながり、結果として売上が上がる。この時代、それこそが最強なのである。

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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