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【小阪裕司コラム】第208回:「絆作り」はどんな業種でも

【小阪裕司コラム】第208回:「絆作り」はどんな業種でも

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

スタッフの自己紹介ポスターで患者との絆作り

 今回は、お客さんとの絆作り活動の意義と意外な盲点のお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員のある病院からのご報告だ。
 同院では、患者やそのご家族と絆を育むため、様々な活動を行っている。今回の報告はそのうちの一つ、院内に掲示するポスターを使った自己紹介についてだ。そのポスターは、スタッフそれぞれの顔写真に自己開示情報が添えられたもの。
 実はこの自己紹介ポスターの実践は、先にメインスタッフだけで実験的に行った。その際、掲載後患者からすぐに反応があり、その後もリアクションが続き、重要性が明らかになった。 また、前回のポスターでは掲載しなかったサブスタッフについて、名前や病院にたまにしかいない理由など、関心を持つ患者が多くいることもわかってきた。そこで、担当するスタッフ全員の自己紹介を作成し、再掲示することにしたのだった。
 今回添えた自己開示情報は、「名前、出身地、趣味(庭いじり、など)、好きな食べ物(刺身、春菊など)、苦手な食べ物」。出身地と好きな食べ物にはやはり患者からの反応が大きく、患者側からのアクションも増え、個人情報を出し過ぎない程度に人となりが伝わる自己開示情報は重要であることも再確認できた。スタッフすべての自己紹介に広げたことが、患者の良好な反応を引き出す結果となったと、同院課長は手ごたえを語る。
 そしてこうも言う。入院患者は、常に“知られる立場”で、発信する機会が少なくなりがちだ。そんな中、スタッフの情報が開示・掲示されることで、患者は話しかけやすくなる。それをきっかけに患者側も自己開示する流れができることは、患者との関係において明らかにプラスになっていると。このことは病院という特質を考えたとき、とりわけ重要だ。双方向の対話が深まることは、病院側が得られる患者本人に関する情報の質と量の充実、患者にとっての安心感など、治療に大きくプラスになるからだ。

言われてみれば・・・の意外な盲点

 ちなみに盲点の話だが、それはポスターに掲載された顔写真だった。今回は全員マスクを着用した顔写真としたのだが、これは、前回マスクなしの顔にしたところ、「誰だかわからない」という声が聞かれたため。普段マスクを付けた状態でしか顔を合わせていないからで、今回はどのスタッフについても、本人との一致が容易となったとのこと。「顔写真」と言えば「マスクなし」という一般の感覚が逆に盲点だったとの気づきである。

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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