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【小阪裕司コラム】第189回:「工程会議」を価値ある「儀式」に
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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。
施主も交え「儀式」として一体感を創出
前回、実践会員の工務店による小さな心配りが顧客や施工先の周辺住民との良い関係を築き、結果的に大きな売上を生んでいる例をお伝えした。その会社から最近、新たに驚くべき取り組みの報告が届いたので、こちらもぜひご紹介したい。
それは、これまで行っていた「工程会議」を「着工式」にレベルアップさせた、というものだ。工程会議とは文字通り工事の工程についての会議で、新たに住宅を建てるに当たり、関係する業者を集め工程の打ち合わせを行うもの。報告には当時の写真も載っていたが、会議室にロの字型に関係者が座り、会議を行っているよく見る風景だった。その写真の隣に、このたびレベルアップされた着工式の写真も載っていたが、こちらは、席のレイアウトこそ同様だが、旅館や料理店の宴会場のような場所に一堂に会していた。そしてもう一つ大きな違いがあった。そこに施主も同席しているのである。
同社社長は着工式について、「これは単なる会議ではなく、お客様と職人が一体となり、安全と品質への意識を高める画期的な試み」と語る。
この式、まずは地元の神社での工事安全祈願から始まる。神社本殿において関係者全員で祈祷を受ける本格的なものだ。その後場所を移して着工式となるが、社長挨拶に始まり、彼の言う「施主の想いに寄り添う動画」が上映され、施主へ花束と模型の記念品が贈呈される。次いで、この工事に関わる職人やスタッフが自己紹介と工事への意気込みを語り、施主からの挨拶となる。その後全員で「お客様へのお約束の唱和」を行い、そこから施主も交えてそのまま、以前から行われていた工程会議へと進む。
「儀式」というコミュニケーションが施主や職人にもたらしたこと
以前の工程会議と比べるとずいぶん大掛かりなものだが、社長は言う。この着工式は、施主に大変喜ばれ、期待を大きく高める機会となった。さらに職人にとっても施主の前で直接決意を表明する貴重な機会となり、安全、品質、現場環境整備、マナーに対する意識向上に大きく貢献したと。
私も住宅の購入経験があり、今回の報告を読んで、ここまでやってもらえるのかと驚いた。施主の期待感は大いに高まり、安心感は深まったことだろう。職人らも同様だ。工程会議がこのような儀式に変わることで、仕事に対する意識は変わる。これから建てるものが単なる住宅ではなく、施主をはじめ、皆の思いが込められたものになるからだ。「工程会議」を価値ある「儀式」に――素晴らしい価値創造の実践である。
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