更新日:

【小阪裕司コラム】第181回:「自慢コーナー」を作ろう

【小阪裕司コラム】第181回:「自慢コーナー」を作ろう

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

自慢できることは“自社の価値”

 今回は、「自慢コーナー」のお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員のある日本茶販売店と喫茶を営む店主からのご報告だ。
 ある日店主が店頭で接客をしていたところ、お客さんから、レジ横に並んでいるトロフィーを見て次の一言があった。「これはなんのトロフィーなんですか?」。
 それは、店主が利き茶の全国大会で準優勝したときや、東京都大会で優勝したときのものだ。もちろん誇らしいことゆえ並べていたのだが、特に説明などを添えることなく、レジ横に置いているだけだった。実はこれまでもしばしば聞かれていたのだが、そのたびに説明をしていたとのこと。
 そうして説明するとお客さんは「えーっすごい!どこのお茶とかわかるんですか?」と口を揃えて褒めてくれるという。それでも、自慢のように思われたくないという気持ちから、アピールしていなかった。しかし今回お客さんから言われた一言で、これはちゃんと発信しなければいけない、自慢ではなく自社の価値なのだから、と気づいたのである。
 そこでまずはPOP(店頭販促物)を作り、何のトロフィーなのか伝えることにした。受賞時の写真と「こちらのトロフィーは…!? 利き茶の大会で数々の賞をいただきました!」と書いた素朴なものだが、それを貼り出したところ、早速これがきっかけでお客さんから話しかけられ、会話が弾むようになった。店主は言う。「昔のことだから…とつい控えめにしていましたが、お客様のうれしい反応を見て、これからはもっと自信を持って伝えていこうと思いました」。

お客さんのためにも自慢しよう

 「自慢コーナー」とは、こういう、いただいたトロフィーや賞状などを1箇所に集め、それが何であるかの解説を添えたコーナーのことだ。長年実践会を営んできて思うが、そういう賞を多くいただく方は奥ゆかしい傾向があり、あまり語られることがない。また、当人たちは「当たり前」と思っていることもあり、あえて語られることもない。しかし、自分が利用しているお店がそういう技術などを持っていることは、お客さんにとっての価値なのだ。そのことを知ってほしい。だから、お客さんのために自慢してほしいのだ。かくて当会では以前から自慢コーナー作りが行われており、どの業界でも常にお客さんには喜ばれている。あなたの自慢コーナーは、どんなものになるだろうか?

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

canaeruは年間300件以上の開業サポート実績!

メールアドレスの登録で
開業までのサポート完全無料で受けられます!

個人情報の取り扱いについて

メールアドレスを入力してください

無料会員登録でできること
① 「日本政策金融公庫」の創業融資をはじめとする資金調達の相談が出来る!
② 開業時に必要な事業計画書の作成サポートが受けられる!
③ 店舗開業や運営に関するさまざまな疑問点・お悩みを何度でも相談可能!
※ 金融機関出身者、元飲食店オーナーら店舗開業のプロが対応します

PAGETOPへ