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進化を続ける立ち食いグルメの魅力とは?飲食店にとってのメリット・デメリットも解説

進化を続ける立ち食いグルメの魅力とは?飲食店にとってのメリット・デメリットも解説

駅前の立ち食いそば店や昔ながらの酒場のイメージが強い立ち食いグルメ。しかし、そんな立ち食いグルメが年々進化を遂げ、ジャンルも多様化していることをご存知でしょうか?最近では、高級寿司店が立ち食い業態に参入し、多くのメディアで取り上げられるなど話題沸騰中!多くの消費者の注目を集めています。
この記事では、立ち食い形式の飲食店の事例やメリット・デメリット、開業にあたって注意すべきポイントなどについて解説します。

年々進む、立ち食いグルメの進化と多様化

立ち食い形式の飲食店は昔から存在しており、決して珍しいものではないですが、2021年2月、東京・白金の高級寿司店が立ち食い寿司をオープンしたことが話題に。イタリアンやフレンチ、焼肉といったジャンルでも立ち食い業態が増えるなど、立ち食いグルメの進化・多様化が進んでいます。
近年では20〜30代の若者が好む、おしゃれな立ち飲みバルも増加傾向に。少し崩したスタイルの立ち飲みバルなら、本格的なフレンチやイタリアンと違ってカジュアルで入りやすく、一般的な居酒屋よりもおしゃれで写真映えする点も支持されています。

立ち食いグルメが人気な理由は?

価格の安さ

客席には椅子がなく、長居するのは難しいものの、その分リーズナブルな価格で楽しめます。一般的な飲食店と比べて店舗面積が小さく、配膳スタッフが少なく済みます。その恩恵がドリンクや料理の価格に反映されているのです。
また、短時間でサッと食べられる・飲める場所という特性から、料理一品あたりの量が少なく、価格が抑えられている場合もあります。

気軽に入れる

立ち食い形式の飲食店はカウンター席・ハイテーブル席が基本で、一人や少人数での来店が中心となります。自分のペースで食事やお酒を楽しむことができ、一人で飲食店に入るのが苦手な方、ゆっくり外食する時間がない方でも気兼ねなく利用できる手軽さが人気の理由です。

代表的な立ち食いグルメってどんなもの?

そば

立ち食いそばは元祖日本のファストフードともいわれ、駅前や駅のホームにも多く見かける立ち食いグルメの定番です。元々単価の低い麺類ですが、立ち食いならさらにリーズナブル。手早く食べられてお財布にもやさしいことから、忙しいビジネスパーソンに重宝されています。
最近では、一見そば屋には見えないおしゃれな外観・内観の立ち食いそば店も登場。和洋折衷なアレンジそばや、バーのような佇まいの「そばバル」がオープンするなど、立ち食いそば自体も進化しています。

焼肉・ステーキ

一枚単位で注文できる立ち食い焼肉は、一人や少人数でサクッと焼肉を楽しむのに最適です。通常の焼肉店なら一皿数千円するような高価な稀少肉もリーズナブルに楽しめます。
また、株式会社ペッパーフードサービスが運営する人気のステーキチェーン店「いきなり!ステーキ」も元々立ち食いスタイルでスタート。ステーキはディナータイムにゆっくり食べるものという概念を覆し、厚切りステーキを低価格で食べられるコスパの良さが消費者の支持を得ています。

ピザ

1枚500円のワンコインで窯焼きピザが楽しめる、立ち食いスタイルのピザ専門店も定評があります。ランチタイムだけでなく、仕事終わりに一人でふらっと立ち寄って一杯のビールとピザを楽しむ。ピザを食べながらワインを片手に友人と語り合う。といった立ち飲みバルとしての使い方も多く見られます。

寿司

そもそも寿司が生まれた江戸時代には、寿司は庶民が気軽に立ち寄れるファストフード的な存在で、昭和の初期までは立ち食いが主流でした。現代でも立ち食いの寿司店は決して珍しいものではありませんが、最近では高級寿司店が立ち食い業態に参入して話題に。
寿司をリーズナブルに食べたい場合、回転寿司という選択肢もありますが、板前が自分の目の前で一貫ずつ握ってくれるという特別感は回転寿司とは別格です。サクッと気軽に、超一流な握り寿司を味わえる点がウケています。

立ち食い形式の飲食店のメリット

開業資金が抑えられる

狭い土地やテナントでも開業でき、家具や設備も最小限で済むため、開業資金を抑えられます。余った資金を食材に投資して「料理の質」を売りにしたり、料理やドリンクの価格に反映して「安さ」を売りにしたりと、他店との差別化を図ることも可能。
開業資金を抑えられる分、原価率が多少上がっても利益が出やすいメリットもあります。

回転率が高い

一般的な飲食店と比べて滞在時間が短いため、必然的に回転率も高くなります。料理やドリンクの価格を下げたとしても、回転率が良ければ売上・利益を確保しやすくなり、安定した店舗経営が可能になります。

人件費が抑えられる

店舗面積が小さく、カウンターやハイテーブルが中心のため、料理やドリンクの提供が行いやすくバッシングや後片付けもスムーズに。配膳スタッフが少なくても店が回るようになり、人件費が抑えられます。

立ち食い形式の飲食店のデメリット

料理・ドリンクの提供速度が求められる

立ち食い形式の飲食店は提供速度が早くて当然と思われがちです。飲食店側にとっても、回転率を高めることが重要であることから、料理やドリンクを素早く提供することが求められます。
配膳スタッフが少なく済む一方で、オペレーションが上手く回らなければ、お客様からのクレームにつながることも。店舗設計の段階から動線を意識し、店舗オペレーションを徹底しておくことが必要です。

客層が限定される

立ち食い形式の飲食店は一人や少人数での来店が中心で、サッと食べて帰る、長居しないスタイルが特徴です。そのため、家族連れや高齢者、大人数客には向かず、客層がある程度限定されます。
既存の飲食店を立ち食い形式に転換させようとする場合、既存の顧客を失ってしまう可能性もあるため注意しましょう。

立ち食い形式の飲食店を始める際のポイント

立地選びは慎重に

立ち食い形式の飲食店が少ないエリアを選び、目新しさで勝負する手もありますが、安易に選ぶのは危険です。ランチタイムや仕事帰りにふらっと来店してもらえるよう、人口密度が高い繁華街や駅前、オフィス街を選ぶなど、ターゲット層に合わせた立地選びを行いましょう。

入店しやすい店構えにする

立ち食い形式の飲食店のメリットは、一人でも気軽に入れること。しかし、初めて来店するお客様にとっては、店内の様子がわからないと敬遠されてしまう場合もあります。
入口が大きく開放感のある店舗、入口から店内の状況やお客さんの雰囲気がよく見える店舗は、気構えることなく入店できます。入口がガラス戸である、店内が明るいといった点もポイントです。

状況を見て、椅子を設置するのもアリ

「いきなり!ステーキ」のように、元々立ち食い形式だった飲食店が椅子を設置する事例も見受けられます。家族連れや高齢者などを新たな客層として取り込みたい場合は、状況を見ながら一部椅子席を設けるなど、臨機応変に対応する手もあります。

立ち食いグルメのさらなる進化に大注目!

安くて気軽に楽しめる立ち食いグルメは今後もさらに進化し、需要が高まっていくことが見込まれます。開業資金や人件費が抑えられる立ち食い形式の飲食店は、独立開業を考える方にも敷居の低い業態といえるでしょう。選択肢の一つに入れ、検討されてみてはいかがでしょうか。

ライター:上田はるか(フリーライター)

大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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