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ビュッフェ形式は儲かるのか?

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お手頃な価格で、さまざまな料理が食べ放題になるビッフェやサラダバーですが、店舗側からしてみると利益を上げることができるシステムなのでしょうか?それとも赤字覚悟で行っているサービスなのでしょうか。

ビュッフェやサラダバー導入のメリット

ビュッフェやサラダバーは、一律価格でお客様が好きなものを自由に選んで食べられるシステムです。ビュッフェやサラダバーを導入するメリットはあるのでしょうか?導入するメリットについて詳しく見ていきましょう。

セルフサービスで人件費を減らす

ビュッフェ形式のもっとも大きなメリットが人件費の抑制。セルフサービス形式では、食器や料理補充、清掃以外、お店側の手が掛かりません。さらに、お客様から受けた注文を捌きながら接客もこなすというスキルも必要とされません。ホールに配置するスタッフを減らせるだけでなく、雇用時の教育コストなども軽減できます。

ラインアップを固定する必要がない

とくに決まった料理を提供しなければならないといったルールは存在しません。お客様が満足できるバリエーションさえ確保できるなら、比較的自由に内容を変更できるメリットがあります。そのため、時期によって価格が高騰する食材を避け、安く入荷できた食材を使用することで、原価を抑えることが可能です。

スケールメリットを発揮できる

一般的な飲食店は、お客様が来店してから注文された品を作り始めます。その後しばらく時間が経ってから同じ品が注文されても、2名分作って2等分することができません。
しかし、ビュッフェ形式の場合には、誰がどの品を注文するというものではなく、その日のラインナップに合わせて、1品を大量に作るため効率良く作ることができます。このような状況をスケールメリットと言います。
大企業と中小企業が勝負して中小企業が勝つことが難しいのは、大企業の方が大量生産できる設備が整っていることによって、効率良く利益を生み出せるためです。このスケールメリットは飲食店ではビュッフェ形式に該当しているため、コストを抑えながら効率良く経営できると言えるでしょう。

時間管理による回転率の上昇

飲食店は座席の数が限られているため、効率良くお客様を回転させなければ、売り上げを伸ばすことができません。
例えば、ドリンクバーのある飲食店では、主婦層の井戸端会議の会場として使用されたり、学生たちの勉強の場所として使用されたりするケースがあります。このようなケースでは、一人あたりの売り上げが低いにも関わらず、滞在時間が長くお客様の回転率が低くなります。それが一概に悪い経営とは言えませんが、非効率的な経営とは言えるでしょう。
しかし、ビュッフェ形式の飲食店の場合は、ドリンクバーがあったとしても、普通は120分といったように制限時間が決められているため、お客様の回転率を高くできます。お客様が長く居座ることができないため、回転効率的に良い経営と言えるのではないでしょうか。

売り上げの予測を立てやすい

メニューを多く抱えている飲食店の場合には、1品ごとの単価がそれぞれ異なっているため、1日の売り上げの予測を立てることはほとんど不可能と言えます。
しかし、ビュッフェ形式の場合には、いくつかのパターンしか料金プランが存在しないため、売り上げの予測を立てやすいと言えます。
例えば、大人3,000円、子供1,500円、ドリンクバー500円と設定されたビュッフェ形式の飲食店があったとしてください。大人1人だと3,000円、ドリンクバーを加えて3,500円、子供も同様に1人だと1,500円、ドリンクバーを加えて2,000円です。あとは、どのような家族構成で来るかということを考慮すればいいだけです。
一般的な飲食店の場合には、大人と一口に言っても、大食いの人もいれば小食の人もいます。男性もいれば女性もいるなど、様々な要素を考える必要があることを考えると、ビュッフェ形式の方が売り上げの予測を立てることで、経営管理しやすいと言えるでしょう。

ビュッフェやサラダバー導入のデメリット

ビュッフェ形式にはコストを抑えることができるという大きなメリットがありましたが、デメリットはあるのでしょうか?
通常の飲食店の場合には、お客様が来店してから注文を受けて作り始めます。そのため、作った料理は必ずお客様の元に届けられ、最終的には対価であるお金に変わります。
しかし、ビュッフェ形式の場合にはどうでしょうか?ビュッフェ形式は、お客様の有無に関係なく、来店時にすぐ食べられるよう料理をある程度準備しておかなくてはなりません。そのため、平日などでお客様の数が少ない日には、支払いよりも経費の方が多くかかってしまう可能性があります。
来客率が低い飲食店の場合は、ビュッフェ形式にすることでコストが多くかかってしまう可能性があるため、経営を悪化させる原因になります。来店したお客様1人1人に対して料理を提供している方が、無駄を省いた効率の良い経営ができると言えるでしょう。

原価と価格設定のポイント

「食べ放題」というメニューを提供する場合は、原価や価格設定に気を配る必要があります。また、当然、人気の偏りによって食材の廃棄ロスが出ることも考慮しなければいけません。

価格設定のシミュレーション

価格設定は、お店のグレードや主力商品の価格によっても左右されます。一般的に、食べ放題を主力となるメニューの60%程度の価格に設定することで、お得感を出せると言われています。これに合わせて原価を決め、ビュッフェのラインアップを決定していきましょう。
通常、原価は販売価格のおよそ45%を目安にします。実際にどのぐらい食べられるのかを検証し、収益を出すポイントを探りましょう。さらに、食べ放題メニュー自体の予測販売数から、各アイテムにどれくらいのストックを用意するのか、一度にポットで陳列する量なども細かく考慮しましょう。こうした計算を徹底しておけば、少なくともビュッフェを設置しておくだけで赤字になるといった状況を避けられます。

食器の大きさで原価を抑える工夫を

ビュッフェ用の食器選びによっても、お客様ひとり当たりの原価を抑えることに繋がります。ポイントは大きく見えるが大量には盛り付けられないサイズの皿を選ぶこと。深さが浅めでフチの大きいスープ皿などが挙げられるでしょう。一度に盛れる量を減らすことで原価を抑えられます。

ラインアップを確保

お客様側のメリットは、好きな物を自由に選べるということです。そのため、ある程度のラインアップを確保することで「お得感」を演出できます。また、ラインアップを増やすことで、ひとつのコーナーにお客様が集中することを防ぎ、ビュッフェ周辺の混雑回避にもつながります。

「新鮮さ」をアピールする演出の工夫

ただ並べるだけでは食品の味を落としてしまう恐れがあります。例えば、冷却機能が付いた什器を用意できない場合は、ポットの周辺に氷を敷き詰める「アイスベッド」方式がおすすめです。氷の涼しげな雰囲気は、新鮮さをアピールする効果もあります。

ビュッフェ形式は使い方次第

ビュッフェは大きな集客のチャンスに繋がります。導入の際に考慮すべきポイントこそ多いですが、長期的に見た際の満足度の向上や固定客の確保に大いに役立つはずです。単純な人件費の削減だけではなく、顧客層の拡大や客単価のアップなど、ビジネスとして大きな可能性を秘めていると言えるでしょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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