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料理の美しさを決める!包丁の正しい研ぎ方とは

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調理に欠かすことができない包丁。包丁は研ぐことによって切れ味が増し、本来の能力を発揮します。オープンキッチンの飲食店では、料理人の使用する道具もまた料理を演出する重要な要素のひとつ。熟練の料理人による包丁さばきは、お客様の期待感を高め、その店ならではの体験を提供するエンターテイメントです。

しかし、そこで使われている包丁が切れ味の悪いものであると、料理の魅力も半減してしまいます。
もちろん、切れ味が落ちた包丁は、肉や野菜を押しつぶしてしまい料理の見た目や美味しさを失わせることはいうまでもありません。

そこで今回は、包丁の正しい研ぎ方をみていきます。正しい包丁の研ぎ方を覚えて、お店の魅力を高めていきましょう。

包丁を研ぐ前に確認しておきたいこと

包丁を研ぐ前に見ておきたいのは、包丁の材質、刃の種類です。包丁の材質によって適した砥石が変わってくるので、あらかじめ材質を把握しておきましょう。

包丁の材質の確認

包丁の材質は、市販の包丁であれば、包丁自体に印字されていることもありますが、パッケージなどに記載がある場合もあります。
不明の場合はメーカーへの問い合わせやウェブサイトのチェックなどで調べてみてください。

片刃包丁と両刃包丁

包丁が片刃なのかそれとも両刃なのかは重要です。刺身包丁や出刃包丁に代表される片刃包丁には表面と裏面があり、それぞれ研ぎ方が違います。一方、両刃包丁は両面が表面で、表と裏がほぼ同じ角度で研いであります。三徳包丁や菜切包丁は両刃です。片刃包丁なのか、それとも両刃包丁なのかによって研ぎ方は若干変わってきます。

砥石について知っておく

砥石は包丁との相性があるため、砥石選びは慎重に行わなければなりません。
砥石を選び間違えると、うまく研ぐことができず、刃の状態を悪化させる可能性まであります。

砥石の粒度とは?

砥石は大きくわけて3つの種類があります。粒度の小さい順に「荒砥石」「中砥石」「仕上砥石」です。この粒度をはかるのが「番手」です。
番手は「#500」のように表示されており、数字が低いほど粒度が粗く、削る力が強くなり、数字が高くなるほど粒度が細かくなっていきます。

種類・番手
荒砥石・120~600
中砥石・800~2000
仕上砥石・3000~
大きく刃こぼれしている時には荒砥石を使用します。
刃の一般的な手入れの場合には中砥石を、中砥石でついた傷を取り去り、刃を細かく調整しながら美しく仕上げたい時には仕上砥石を使います。
刺身を切る柳刃包丁の仕上げなどでは、番手が8000以上のものも利用されます。

水を吸う砥石と吸わない砥石がある

砥石の特徴は粒度だけではありません。包丁を研ぐ時には、摩擦熱対策に水を使用しますが、水を吸収する砥石もありますし、吸収しない砥石もあります。

吸水性のある水砥石の場合は、研ぎ作業中に水をかける手間が少なくなるメリットがありますが、研ぐ前に水に漬けておくなどの準備が必要です。
一方、不吸水性の砥石の場合は作業中に何度も水をかける手間が出てきますが、水をかければすぐに使えるのが強みです。

包丁の材質にあった砥石の用意

包丁の主な材質は大きくわけてふたつ。鋼とステンレスです。しかし最近ではチタンやセラミックなど硬度の高い素材も利用されています。
鋼の場合はセラミックの砥石を選びましょう。鋼は硬い素材なので、砥石にも硬さが要求されます。
ステンレスの場合は、鋼よりも柔らかいため、一般的な砥石で問題ありませんもちろん、硬い砥石の利用もできます。

注意したいのが、セラミックを使用した包丁。硬度が非常に高いため、ダイヤモンド砥石を使用しなければなりません。

砥石台があるかないか

刃を研ぐ上で重要なのは砥石が動かないこと。固定するには砥石台があると便利です。
固定器具がついているものや底面にゴムなどの滑り止めがついているタイプなど多くの種類があるので、自分に合ったものを選びましょう。

砥石も手入れが必要になる

ご存知の方も多いかと思いますが、砥石は使っていると、次第に擦り減って中央部がへこんできます。
へこんだ状態では、刃が引っかかるなどして逆に包丁を痛めてしまう可能性があるため、「面直し」という専用器具を利用して砥石を平面に戻さないといけません。

包丁の研ぎ方

砥石を水で濡らして動かないように固定したら、さっそく包丁を研いでいきます。

包丁の研ぎ方

1.包丁は数回に分けて研ぐ

包丁は切っ先から真ん中、手元まで順番に数回に分けて部位ごとに研いでいきます。

2.研ぐ時の角度に注意する

上から見た時に砥石に対して45度くらいの角度で包丁を置き、横から見た時に、約15度になるように刃を傾けて研いでいきます。
15度は砥石と包丁の間に10円玉が2枚入る程度の角度です。角度は一定に保つことが重要です。

3.表を研ぐ

利き手で包丁を持ち、研ぎたい場所を反対の手で力を入れずに押さえて表を研ぎます。
手前から奥に押し出し、戻す時には力を加えずに優しく引くことを20回ほど繰り返します。
先端部から手元まで「かえり(まくれている箇所)」が出たら、裏面に移ります。出てきた砥汁は洗い流さずに、水を少しずつ加えて研いでください。

4.裏を研ぐ(両刃の場合は反対面)

裏面全体を砥石にぴったりとあてて、「かえり」が取れるよう、表と同じように軽く研いでいきます。かえりが取れないと包丁は切れません。
手元の部分は砥石に対して90度にして研ぎます。両刃包丁の場合は、表を研ぐ時と同じ方法、同じ回数で研いでいきます。

5.仕上げをする

仕上げ砥石を使って、表と裏を研ぎます。砥石をのせる木台などに包丁を軽く当てて、刃先の細かなかえりを取ります。

6.包丁を洗い、砥石を片付ける

研ぎ終えた包丁は水洗いをして汚れを落とし、水分を拭きとったのちに保管場所で保管しましょう。
砥石は乾かして保管しますが、砥石が平面を保っていない場合は、砥石のメンテナンスも行いましょう。

研ぎ方は料理人によっても違います。それは包丁の使い方の違いからくるところが大きく、一概に正解の研ぎ方というものはありません。

プロが使う包丁の種類について

最後に、プロが使う和洋の代表的な包丁をまとめてみました。

プロが使う包丁の種類について

和包丁

和包丁の特徴は何といっても断面の美しさです。日本刀を原型に発達した和包丁は基本的に片刃となっています。

出刃包丁

魚の三枚おろしや肉を骨ごと切るのに利用します。刃元が厚く、切っ先は鋭く薄くなっています。

刺身(柳刃)包丁

和包丁の代表です。組織を傷つけずに一気に引き切るように使用すると、片刃包丁ならではの美しい切り口が現れます。刃渡りはかなり長く、細身です。

菜切包丁

両刃の包丁です。野菜を刻んだり皮をむいたりと、さまざまな用途に使えます。

洋包丁

フランス料理やイタリア料理などに利用される包丁は洋包丁と呼ばれています。いまでは牛刀やペティナイフなどが1本あれば、切る、剥く、刻むなどさまざまな用途に利用できます。

牛刀

刃渡りは長く、主に肉を切るのに利用されますが、たくさんの用途に利用されます。シェフズナイフと呼ばれることも。

ペティナイフ

刃渡りは短く、100㎜以下です。持ちやすいので、細かい作業に向いています。

筋引

骨付きの生肉から骨を取り除くためのナイフです。切っ先が鋭利で、複雑な骨の周りを切るために特徴的な形をしています。

包丁を研ぐ時には愛情をこめて

包丁を研ぐと、野菜の繊維などを潰さずに切ることができるので料理の美味しさが増すだけでなく、切り口が見える料理の見た目もよくなります。例えば、お刺身やカットステーキなど切った断面が潰れていたり、ぼろぼろになっていたりすると折角の料理が美味しそうに見えなくなってしまいます。
また、切れ味が悪いと無駄な力が入ってしまい不意の事故に繋がることもあります。
常に包丁をベストな状態を保つことで道具に対する愛着が深まり、より大事に利用するようになり、その結果1本の包丁を長く使うことができるようになります。

包丁は料理人のパートナーです。
今まであまり研ぎ方にこだわりが無かった方も、ぜひ包丁の正しい研ぎ方を覚えて、大事に使っていきましょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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