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未経験から飲食店を開業して、軌道に乗せるのは非常に難しいことです。未経験から開業して成功する割合は1割ほどであるといわれていますが、4つのポイントに注目すれば、それを成功させるためのヒントが得られるでしょう。ここでは、コンセプトを決めてその後のお店のイメージを膨らませていくこと、これまでの経験を強みにできるか考えること、資金を蓄えておくこと、店舗経営も忘れないこと、といったポイントを解説します。
飲食店開業というと、既に経験のある方が独立する場合や、調理師としての経験を活かしてお店を開いてみようとする場合が多いのではないでしょうか。しかし、飲食業界は経験の有無にかかわらず、参入が容易な業界です。経験がなくても開業する方はたくさんいます。
ですが、未経験から飲食店を始めて成功する人はそれほど多いものではなく、3年以内に90%のお店が閉店してしまうといわれています。続けるには非常に厳しい未経験からの飲食店開業ですが、成功例も数多くあります。
今回は、未経験でも飲食店開業を成功させるための4つのポイントを解説します。1. コンセプトを決めれば店の方向性が見えてくる
飲食店を開業する際、まず考えておきたいのはお店のコンセプトです。
突然ですが、あなたがお店を開業する理由は何でしょうか。それはしばしば、「自分の自慢の料理を食べてもらいたい」「食べ歩きが趣味なのでその経験を活かして開業したい」という自分本意な理由になってしまいがちです。
ですが、少し考えてみてください。その理由の裏には、しっかりと採算の取れるビジネスモデルが盛り込まれているでしょうか。
開業を成功させるには、自分が開業したい理由だけでなく、お客さんに対してどんなものを提供するのか、そういった需要はあるのか、事細かに計画していく必要があるでしょう。未経験での開業ならばなおさらです。
お店の計画をスムーズに進めるためにも、まずは、自分のお店のコンセプトを決めましょう。コンセプトとはすなわちお店に訪れたくなるような理由のようなものと考えてください。例えば、「安くてたくさん食べられるお店」というものもコンセプトとしてはアリです。
・「安くてたくさん食べられるお店」をコンセプトに設定した場合
コンセプトが決まれば、自然と自分のお店が目指すべき方向性がわかってきます。コンセプトを先ほどの「安くてたくさん食べられるお店」とするならば、ターゲットとなる客層は比較的若い人になるかもしれない、女性よりは男性客のほうが多いのではないだろうか、などなど、まずは自分のお店が狙うべきターゲットが明らかになってきます。
そうすると、自分のお店がどんなシーンで利用されるのかもだんだんとイメージできますよね。先ほどの例に沿っていくならば、普段のお昼休みに利用される、場合によっては夕食を食べに来るかもしれない、それほど長居はしないだろう…など、ここで来店するお客さんの属性などもだいたい絞れます。
さらに、どんな立地に出店すればよいか、イメージもついてくると思います。先ほどのコンセプトに照らし合わせれば、学生街やオフィス街、人通りの多い場所もよいですね。
このように、コンセプトを決めておけば、ターゲットを決めたり、お店のスタイルや立地を決めたりする時に役立ちます。2. これまでの経験を強みにできないか考えてみる
開業したいという熱意はあるものの、自分にはこれといった取り柄がないと悩んでいる方もいるかもしれませんね。しかし、飲食業界は未経験だからといって、まったく何もできないというわけではないのです。
あなたは、今までどんな経験をしてきましたか。もしかしたら、この飲食業界でも活かすことができるスキルが隠れているかもしれません。
例えば、前職では英語を日常的に使用しており英語が堪能というのであれば、外国人のお客さんに対しても接客が可能なので、それを売りにして、外国人観光客向けに色々と試してみることもできます。
食品の卸売をしていたのなら、前職の人脈を活かして安く材料を仕入れて、お客さんに安く料理を提供することで、他店との価格競争で優位に立つことができます。
これらはあくまで参考例ですが、あなたのこれまでの経験を振り返ってみて、何か飲食業界で使えそうなものはないか、今一度考えてみるのもよいかもしれません。3. 1年はやりくりできるくらいの資金を蓄えておく
未経験での出店だからこそ特に注意しなければならないのは、どれだけ貯蓄をしているのかということです。
未経験からのスタートなのですから、最初は高い確率で経営がうまくいかないと思います。店の運転資金もなくなり、もしかしたら自分の生活費すら賄えないなんてこともあるかもしれません。
そんな時、ある程度の現金を手元に残しておけば、業績が上がらなくても一定期間は我慢が効くのですが、お金を持っていなければ、経営が軌道に乗るまで辛抱することも難しくなるでしょう。
また、お店の初期投資にお金をかけすぎても、せっかくの資金を初めの時点ですっかり使い果たしてしまい、経営が厳しくなって閉店ということもあります。
初めから、どうせ閉店するだろうと思って開業する人はおそらくいないでしょうが、早い段階で経営が厳しくなることを見込んだ上で、1年間はやりくりできるくらいの現金を手元に取っておきましょう。お店の運転資金さえあれば、たとえ赤字であっても閉店することはありません。4. 店舗経営も忘れずに準備する
飲食店を未経験から開業するとなると、どうしてもメニュー作りや料理など調理面に目が行ってしまいますが、お店の経営にも目を向けなければいけません。
調理経験があっても飲食店は未経験の人、調理技術もなく飲食店も未経験の人、どちらの場合も、お店として経営するからには雇用や経理、店舗管理等の運営は必須です。
経理業務ができなければ、お店の数字を管理できず、売上も計算できませんし、人件費や材料費などの出費もわからなくなってしまい、赤字になってしまいます。
従業員を採用するときも、採用基準がよくわからなかったり、マネジメントができなかったりすれば、雇った従業員が入っては辞めるの繰り返しになります。一向に従業員は育たず、いいことはありません。
また、未経験の方には多いですが、調理人を雇っている時には特に注意が必要です。調理人の中には職人気質の強い人が少なからずいます。そうした人員のコントロールも難しいと考えておくほうがよいでしょう。
衛生管理の知識がまったくなければ、食中毒など、お客さんに迷惑をかけてしまうかもしれません。これは絶対に避けなければなりません。
以上のような店舗経営を未経験から行うのは非常に難しいので、そういう場合には、大手のチェーン店で一度働いてみるのも手です。何より大手ですから、経営面のレベルの高さは申し分なく、参考になる点が多いでしょう。
店舗経営については、下手をすると自分だけでなく、お客様にも迷惑をかけてしまうことになりますので、しっかりと準備していきたいところです。
以上、未経験から飲食店の開業を成功させるためのポイントについて解説しました。
まずは、コンセプトを決めることで、その後のお店のイメージを膨らませてみましょう。また、これまでの経験を振り返り、経営に活かせる力を探してみてください。資金にも十分余裕を持ち、店舗経営にも忘れず目を向けましょう。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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