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飲食店で気をつけたい宗教上タブーな食べ物

飲食店で気をつけたい宗教上タブーな食べ物

外国人観光客が増加し、さまざまな国籍の人が日本に訪れるようになりました。とはいえ、まだまだ異文化の食に対して理解が深い人は少ないと思います。そのため、国や宗教にあわせての対応に少し困ったことのある飲食店経営者の方も多いと思います。

宗教など文化によって禁止されている食材は多く、飲食店の開業後、そういったものを知らずに料理を提供してしまうと不快感を与えてしまうということも有りえます。というわけでこの記事では宗教や国籍によって異なる「食文化」について代表的な宗教を例に解説をしています。多国籍の人や宗教家の人の食文化に関して、抑えておきたい情報をしっかりと説明していますので、ぜひ開業後の飲食店運営の参考にしてみてください。

宗教上の食物禁忌とされているもの

イスラム教

イスラム教は世界でもキリスト教に次ぐ勢力を持つ宗教であり、とくに中東方面の国民はそのほとんどがイスラム教であるとされています。ムスリムの食文化としては以下の食品が禁止されています。

・豚
・アルコール
・血
・宗教上の適切な処理が施されていない肉

これらを直接出すことはもちろんのこと、上記の食品を想起させるような料理も禁止とされています。たとえば豚骨スープなど間接的に豚を用いているものや、水餃子など豚を連想させるような食事も忌避される傾向があります。基本的にムスリムの顧客には上記の食材と関係のない料理を出すようにしましょう。また厳密に宗教上で禁止されているわけではありませんが下記の食品も嫌われやすい傾向にあります。

・うなぎ
・イカ
・タコ
・貝類
・漬け物などの発酵食品

以上の食材は忌避されやすいために料理として出すのはなるべく避けるようにしましょう。

ユダヤ教

ユダヤ教はキリスト教やイスラム教ほどではないものの、世界でも有数の大宗教です。ユダヤ教において食べてはいけない食材は非常に多く、以下のように豚や血液は勿論のこと、甲殻類や軟骨類のほか、宗教上の処理が施されていない肉なども禁止となっています。

・豚、血液
・イカ、タコ、エビ、カニ、ウナギ
・貝類、ウサギ、馬
・宗教上の適切な処理が施されていない肉、乳製品と肉料理の組合せ

動物食を一部禁止するほかの宗教と同様にラードやバターなどといった動物由来の調味料も忌避されるほか、水餃子などといった禁止食材を連想させるような料理も好まれない傾向にあります。ただしユダヤ教では野菜や魚が制限のない食材であるため、野菜や魚をメインとした料理を出すようにしましょう。

ヒンドゥー教

ヒンドゥー教はインドやネパールなど東南アジア方面に多数分布する宗教の1つで、ほかの宗教と比較して特に動物食を忌避する傾向があります。そのため以下のように肉だけに留まらず魚や卵などほぼすべての動物食が禁じられています。

・肉全般
・魚介類全般
・卵
・生もの
・五葷(ごくん):ニンニク、 ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ

またヒンドゥー教徒は一般に生ものを食べる習慣がないほか、厳密な教徒においては五葷とよばれる5種類の野菜も食さないことがあります。そしてほかの動物性の食事を禁ずる宗教と同じく、バターやかつおだしなどといった動物をもとに作られた材料も禁じられています。

なお、ヒンドゥー教において動物由来の食材はほとんど禁じられているものの、卵に関しては例外的に無精卵のみ食べることができるという場合もあります。とはいえヒンドゥー教徒は基本的に肉類の摂取が禁じられており、食事を出す際には基本的に野菜オンリーの食事とし、ベジタリアンなどと同様のメニューを作るようにしましょう。

ジャイナ教

ジャイナ教はインド国内をほぼ全体として分布する宗教で、ヒンドゥー教と同様に肉類および魚介類全般の摂取が禁じられています。またヒンドゥー教やヴィーガンと異なる点として、厳密なジャイナ教徒は以下のように根菜球根類ないしハチミツといった植物ゆらいの食材に関しても食さないことがあり、それらの食材を料理に利用しないよう注意が必要といえるでしょう。

・肉全般
・魚介類全般
・卵
・根菜・球根類などの地中の野菜類およびハチミツ

なお、ほかの動物食を忌避する宗教と同様にラードやブイヨンなどといった動物由来の材料の摂取も禁じられています。このため、ジャイナ教徒に対して料理を提供する際は野菜オンリーの食事とし、かつ根菜類やハチミツをできるだけ避けるようにしましょう。

ヴィーガン・ベジタリアン

ヴィーガンとベジタリアンはほとんど同義語ですが意味としては「肉を食べない人達」のことで、米国・カナダ・イギリスをはじめとして世界中各国に分布している食嗜好です。基本的には

・牛肉
・豚肉
・鶏肉

など肉と名のつくものはほぼ全てNGとなっているほか、乳製品や卵など動物由来の食品もNGとされています。またカツオのだし汁やバターなどといった一見肉と関係なさそうに見えるものでも、動物から作られた食材であれば全て忌避される傾向があります。

ですから、ベジタリアンの方に料理を出す際には材料の材料から動物由来の素材が用いられていないか、しっかりとチェックするようにしましょう。ただし人によっては

・鶏肉
・魚肉
・卵
・乳製品

のいずれかは食べても大丈夫という人もいるため、ヴィーガンもしくはベジタリアンの方が来客した際にはしっかりと動物性の食事のうち何が大丈夫で何がダメなのかを確認しておく必要があります。

アレルギー

アレルギーは国籍に関わらずどのような人にでも発生しうる問題であり、一般にアレルギーが発生した際には以下のように約4種類の被害症状存在します。

1.皮膚粘膜症状(皮膚や粘膜に異常が見られる)
2.消化器症状(腹痛及び吐き気など)
3.呼吸器症状(せき・息苦しさ)
4.アナフィラキシーショック

なお、上記4種類の症状の中でもアナフィラキシーは呼吸困難や意識障害などの非常に重大な障害が現れ、最悪の場合は死亡することもあります。顧客にアナフィラキシーと類似の症状がみられた際には即座に救急車を呼ぶなどの処置を取るようにしましょう。このように生死にかかわるような症状が現れることのあるアレルギーですが、アレルギーの要因となる食材を排除することである程度の対策が可能です。

アレルギー対策をする際に全てのアレルギー要因を排除する、というのはなかなか難しいですが、下記の様にアレルギーの罹患頻度が高い食材や重篤な症状を来すようなモノに関してはメニューの端にアレルギー食材を使用している旨を表記するなどの対策を取るようにしましょう。

【食品のラベルなどにおいて必ず表示される5品目】
そば、落花生 (食物アレルギーの症状が重篤)
卵、乳、小麦 (食物アレルギーの頻度が高い)

【表示が勧められている 20 品目】
あわび、いか、イクラ、エビ、カニ、サケ、サバ、 オレンジ、キウイフルーツ、桃、りんご、バナナ、くるみ、 牛肉、鶏肉、豚肉、大豆、まつたけ、やまいも、ゼラチン

その他の外国人に嫌われやすい食べ物

宗教上・特定の嗜好というものに限らず、外国人から嫌われやすいという食べ物があります。

・納豆
・まだ息のある魚
・冷たいそば・うどん
・火の通っていない食べ物
・動物の形を残した食べ物

上記の食材は国によってある程度の差はあるものの、一般に外国人が苦手としている食材です。たとえば納豆は独特の匂いと粘り気が苦手という外国人が多く、息のある魚などは「生きているものを食べる習慣」がない人に嫌悪されやすいとされています。このように外国には馴染みのない文化・食事は忌避されやすく、外国の人をお客さんとして相手にする際は上記にあげたような食事はなるべく控えるようにしましょう。

自分の店舗に外国人のお客様がいらした際にまずは食べられないものや苦手なものがあれば注文をもらう前に聞いておくと良いでしょう。

その他の外国人に嫌われやすい食べ物

この記事の監修

株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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