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二等立地に飲食店を開業して「わざわざ行きたい店」にするには?

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新規のお客様を獲得しやすい一等立地と比較して、二等立地は新規のお客様の獲得が難しい立地です。しかし、工夫次第ではお客様に印象に残る外観を工夫し、サービス力でリピーター作りにつなげることも十分に可能です。お客様が時間をかけて「わざわざ行きたい」と思ってもらうための店作りには欠かせない、お店の外観とスタッフのサービス力向上のために役立つノウハウをご紹介します。

味だけでなく他のお店では絶対に真似できない空間づくり

人通りが多く集客しやすい一等立地ではなく二等立地に飲食店を開業した場合には、細部までのこだわった店内の空間作りが欠かせません。店内空間のデザインは、お客様がくつろいで過ごせることや非日常的となる特別な雰囲気を感じられることが大切です。限られた間取りのなかで店内のスペースを最大限に活用し、お客様が「来て良かった」と思える店内作りを意識してみましょう。提供される料理が他店より優れているだけでは、お客様が「わざわざ行きたいお店」とはなりにくいです。料理はもちろん、店内の空間作りについても他店との差別化を図ることによって、リピーター確保へつなげましょう。
内装は店内に誘導されたお客様の第一印象を決める要素です。家具、壁の色彩、照明機器、観葉植物といったこだわる要素は多数あります。オープン前の内装が不十分だと、閑散とした雰囲気が漂う理由になりかねません。居抜きとして借りて改装して新しいお店をオープンさせる場合は、古くなった家具や壁のほころびに気をつけるべきです。店舗で提供するメニューにマッチした内装にすれば、お客様にも料理と店内の雰囲気の両方を印象づけることが可能です。

店内のコンセプトを明確にする

飲食店を開業するときは、最初に内装の基本コンセプトを明確にしましょう。方針が決まっていないと、内装業者にも発注の段階で修正や詳細の確認作業が多くなります。また、完成後もコンセプトが定まっていないと統一感のない印象を与えがちです。お客様にも働くお店のスタッフにも、明確に店内で「表現したい雰囲気」を理解してもらえるような空間作りを意識してみましょう。繁盛店や有名店がどのような点を内装でこだわっているのか情報を事前に収集することができれば、店内コンセプトの作成の参考にすることができます。

接客は一番の看板商品になる

繁盛している飲食店では来店されたお客様に喜ばれる接客が徹底されています。お客様に対する来店の感謝を伝える工夫はもちろん、楽しいと思える時間を過ごしていただくためのサービス力にも力を入れています。また来店したいとお客様が思う理由に「スタッフのサービス」がよいことが理由になるお店は少なくありません。丁寧で細やかな気遣いができる接客を徹底すれば、料理と同じように客様に喜ばれる「看板商品」になります。
サービス力が高いと「もう一度あの店のスタッフに会いたい」という理由で再来店するお客様の獲得にもつながります。ただし、お客様への接客をスタッフだけに任せるのは危険です。なぜなら、スタッフの個性や能力で接客の質に差が出てしまう可能性があるからです。そのため、具体的な接客マニュアルを作成して、サービスのクオリティをある程度均一にすることも大切と言えます。

接客マニュアルを作成する

接客マニュアルを作成することで、フロアの担当者がお客様に対してサービスの優先順位を理解できます。混雑時、宴会、クレーム発生時など何を優先して接客すればよいか判断基準を持てます。接客マニュアル作成の際のポイントは、接客マニュアルは「基本業務」ごとに分けることです。
接客マニュアルを作成する際には業務の時間や業務内容ごとに分けましょう。開店・閉店業務、ホール業務、キッチン業務、イレギュラー対応などに分けておけば、状況に応じた対応を理解するために役立ちます。また、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」などの接客でよく使われる用語に対して接客マニュアルを作成しておくとよいでしょう。どのようなシーンで用いるべきか、スタッフが正しく理解しやすくなります。
また、すべての接客スタッフが基準以上の接客ができるよう、誰でも再現が可能な接客マニュアルを作成にすることも重要です。そのためには、お客様のニーズを最大限考慮したうえで、具体的な目標を明確にすべきと言えるでしょう。マニュアルではすべてのスタッフの行動を拘束せず、自発的な行動を自分の裁量で行える余地も残さないといけません。責任者や同僚スタッフがマニュアルには記載されていないお客様情報や注意点をスタッフ全員が共有できれば、お店のサービス力向上につながるでしょう。

二等立地で飲食店を出す際は一度来たら忘れられない外観にする

一度見たら忘れられない外観にすれば、二等立地で飲食店を出すときに近隣の店舗との差別化につながります。二等立地の場合は、一等立地に比べると多くの人の目に触れる機会は少なくなってしまいます。だからこそ、お店で提供している商品が分かりやすく、忘れられない外観にしないといけません。
ただ、壁の色や外観を奇抜にしたり、特別な照明や看板を用意したりする必要はありません。外装デザインは新規のお客様を獲得するための最も効果のある方法の一つですので、オープン前に十分に準備をしておくとよいでしょう。

・コンセプトに沿った外装
高級感をセールスポイントにするのなら、高級素材や間接照明を使った外装が望ましいです。また、ファミリー向けのお店であれば、お子様にも喜ばれる遊び心や、色彩が落ち着いて親しみが湧く外装が適しています。そのほか、同業の店舗と差別化した外見にしたいなら、主力商品や店名が記載されたメインの看板やマスコットを配置するなど工夫してみてもよいでしょう。

・A看板の設置
A看板とは設置場所が可動式の折りたたみ式の看板です。置いた状態を側面から見たときに「A」の文字に見えることから、飲食店の関係者にA看板と呼ばれています。メインの看板や外装で伝えきれない主力商品や臨時の目玉メニューを伝えることができれば、お客様に店舗の「売り」を強くアピールできます。おすすめメニューを写真やイラストつきで表示することも可能です。

・近隣店舗との外装の差別化を図る
近隣にある飲食店の外装を確認して差別化することでも、店舗を目立たせることができます。スーパーや美容院などが近隣にある場合、看板や店舗の壁の塗装の色合いが類似していないかなど注意します。周辺の店舗と雰囲気が似てしまうと街の風景の一つに溶け込んでしまい、目立たなくなってしまいます。品のない目立ち方はお客様に敬遠されてしまいますが、適度に周辺店舗より目立つことは新規のお客様獲得には欠かせません。

「自分だけが知っている」という特別な思いが差別化される店に

お客様にとって、あまり知られていない二等立地の名店を「自分だけが知っている」という特別な思いがあると、友人や家族に紹介したくなる理由になります。数ある店舗のなかからお店を選ぶ権利があるお客様にとっては、特別なお店に足を運びたいと思うのは当然のことです。紹介した人に喜んでもらえると、紹介したお客様も自分で選んだお店が「本当によいお店だった」という自信が確信に変わり、リピート率の向上につながります。
料理の質や味だけではなく、お店の外観やサービスなど、来店時のすべての記憶がお客様の総合的な評価につながります。店舗で提供している情報とサービスに手抜きせず、お客様に喜ばれるための接客マニュアルの準備や外観の工夫をしなければなりません。多くのお客様に興味を持ってもらい「特別なお店」と記憶されることが二等立地でも繁盛店になるための秘訣です。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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