更新日:

ネットの誹謗中傷…「駆け込み寺」はどこか調べてみた

ネットの誹謗中傷…「駆け込み寺」はどこか調べてみた_記事画像

ネット上の口コミや評価を参考に、店選びをする人が増えています。
口コミによって知名度が上がり人気店となる店が増える一方、最近では、特定の飲食店を誹謗中傷し炎上に発展してしまったという騒動も耳にします。
飲食店は、SNSはもちろん、食べログと言った口コミサイトにお客様が手軽に評価を書き込むことができるので、その評価がお店の評判を左右してしまうこともあるのです。
味の評価などならまだ納得できるものの、明らかに悪意ある悪口が書かれてしまい、そこから一度「炎上」してしまうと、飲食店は、閉店へ追い込まれるケースも少なくありません。
もし、自分の店が誹謗中傷の被害にあったら、どのように対処したらよいのでしょうか?

市議がインターネットで飲食店を誹謗中傷!罰金は30万円!

石川県のとある市の市議がインターネット上で飲食店を中傷する書き込みをしたとして、名誉毀損罪で略式起訴され、罰金30万円の略式命令を受けました。
この市議は、匿名のコミュニティーサイト上に複数回にわたり、顔見知りの男性が経営する飲食店の衛生管理を批判する内容を書き込んだものとみられています。
その内容は「ゴキブリ店主がゴキブリ入りの料理を出す店」「消費期限が切れたものを提供」「ツバを入れるから食えない」といったひどいものばかり。
この店はその後に閉店に追い込まれ、被害を受けた飲食店経営者は刑事告訴に踏み切りました。
市議によると「個人的なトラブルがあった」と話し、議員辞職については「支持者の皆様などと相談、検討した上で考えたい」としていましたが、市議会は「市民を誹謗中傷したことは断じて許されるものではない」とする辞職勧告決議案を全会一致で可決。
市議は「一身上の都合」を理由に市議会議長宛てに出した辞職願が受理され、議員辞職となりました。

瞬時に拡散!口コミサイトに注意

食べログなど、店を選ぶ際に活用するツールとして利用者も多いさまざまな飲食店の口コミサイト。
提供された料理の写真をアップし、味の感想、店の雰囲気や従業員の接客態度等のレビューを書き、五段階評価するというのが定番のパターン。
食べ歩きを趣味としている人の善意の投稿がほとんどではありますが、料理の味や提供の仕方、従業員の振る舞いを酷評するなど悪意あるレビューも見受けられ、中には同業のライバル店がお客様を装って悪口を書き込むといったケースもあるのだそう。
飲食店としては、温かい料理は温かいうちに、冷たい料理は冷たいうちに、より美味しく味わってもらいたいものですが、料理を出してもすぐには口にせず、カメラばかり向けているお客様の姿をあまり好ましく思っていないというシェフや飲食店経営者の声も多く耳にします。
そのような風潮もあり、最近では、ネット上のトラブルを未然に回避するため、食事中に写真を撮ること、また、勝手にネット上に掲載することを予めお断りしている飲食店も増え始めています。

しかし、グルメサイトを見てお店を知ったというお客様が多数いるのも事実。
また、そのお客様がお店にとって嬉しいレビューを書き込んでくれる、といった可能性も十分に考えられます。
お客様の視点に立てば、お店選びを失敗したくないのは当然のこと。
どちらを優先するかは、飲食店側の判断となりますが、誰もが自由にネット上で発言できる時代となった今、解決の難しいネット上のトラブルを未然に防ぐためにも、お店の「エゴサーチ」を定期的にかけるなどの対策は、しておいて損はないはずです。

インターネットで誹謗中傷されたらどうする?

インターネットの仕組み上、規模の大きなグルメサイトは、検索サイトの検索結果に上位表示されやすくなります。
そのため、大手グルメサイト上で誹謗中傷の書き込みを発見したら、一刻も早い対策が必要となります。
それでは、実際に誹謗中傷の被害に遭った場合、グルメサイトの口コミは、削除してもらえるのでしょうか?

削除依頼ってどうなの?…

とある大手グルメサイトでは、トラブル回避のためにガイドラインが設けられています。
ガイドラインでは、ユーザーがクチコミを投稿する際の注意点などが複数項目、設けられています。
そのガイドラインの中でも「禁止」と強調されたものに「個人への誹謗中傷、店舗への断定的批判、及び不適切な表現は禁止」というものがあります。
たとえば「こんなにまずい店に行く価値はない」「ぼったくり」「つぶれてほしい」などという、飲食店・個人を攻撃するような誹謗中傷、批判投稿はそもそも「禁止」となっているのです。
このような誹謗中傷を受けた場合、飲食店・個人側は「ガイドライン違反」として運営元に通報すると、運営元の判断で該当する口コミを削除してもらうことができます。
しかし、口コミ内容の解釈の相違により、運営元に「言論の自由」の範囲内とみなされる場合もあり、削除に応じてもらえないというケースも。
この場合は、粘り強く削除依頼をし続けることが大切です。
また、ネット関連に詳しくない場合は専門業者、専門家に相談をするのも選択肢のひとつです。
誹謗中傷を受けたその後の経営方法についても相談できる場合もあるので、信頼できる業者、専門家を選びましょう。

まずは警察に被害届を出す

忘れてはならないのが、ネット上で誹謗中傷されたら、まずは警察に被害届を出すということ。
該当する書き込みの内容が犯罪行為に当てはまるという判断が下されれば、直ちに捜査へと進みます。
たとえ誹謗中傷被害について立件とならなかった場合でも、何かしらの協力が得られる可能性もあるので、被害届は必ず出すようにしましょう。

警察へ届け出るメリットとは?

警察に届け出ることの大きなメリットは、何といっても「強制力」が生まれること。
警察が介入することで、サイトの運営元は速やかに削除に応じるケースがほとんどです。
また、匿名だった場合は、発信者の情報を得ることもできます。
人物の特定がなされると、刑事告訴も可能となり、民事訴訟でも損害賠償を求めることができるようになります。

どこの警察署に届け出ればいいの?

ネット上の誹謗中傷被害については、各都道府県警のサイバー犯罪相談窓口、あるいは最寄りの警察署が対応します。
また、最寄りの警察署が小さい場合は、各県庁所在地にある警察本部のサイバー犯罪相談窓口に直接問い合わせをしたほうがいいという専門家の意見もあります。

警察に相談する際に必要なもの

ネット上の誹謗中傷について、警察署へ被害を届け出る際は、該当するページをプリントアウトしておきましょう。
また、誹謗中傷がなされた日を特定できるものがあれば、被害状況が伝えやすくなります。

ホームページは危険?絶対にやってはいけないこととは?

ネット関連に詳しくない場合、やってしまいがちなのがホームページの閉鎖。
誹謗中傷されたことで「ネット」そのものが恐ろしくなってしまい、ホームページを閉鎖してしまう飲食店が少なくありません。
しかし、ホームページは、お店の主義・主張を表明できる便利なツール。
もし、ネット上で誹謗中傷を受けた場合、被害の程度にもよりますが、ホームページ上に、お店の見解や対応を明示し、騒動となった場合は「お騒がせ」をお詫びする文面を掲載するのも、有効的な対応策のひとつです。
また、誹謗中傷を含んだ口コミや、ツイッターに返信したり、掲示板に書き込んだりして、反論、反撃することも絶対にやってはならないこと。
伝えたいことがある場合は、ホームページを利用してアピールしましょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

canaeruは年間300件以上の開業サポート実績!

メールアドレスの登録で
開業までのサポート完全無料で受けられます!

個人情報の取り扱いについて

メールアドレスを入力してください

無料会員登録でできること
① 「日本政策金融公庫」の創業融資をはじめとする資金調達の相談が出来る!
② 開業時に必要な事業計画書の作成サポートが受けられる!
③ 店舗開業や運営に関するさまざまな疑問点・お悩みを何度でも相談可能!
※ 金融機関出身者、元飲食店オーナーら店舗開業のプロが対応します

PAGETOPへ