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都市部でよく見かけるコンテナ店舗、ミニ店舗。このような店舗形態は、初期投資が抑えられ、運営もローコストとあり、開業形態として人気を集めています。そもそも、コンテナ店舗、ミニ店舗って、どのような定義なのでしょうか?
コンテナ店舗、ミニ店舗とは?
コンテナ店舗、ミニ店舗と呼ばれる形態は、比較的小規模な店舗(10坪程度)で開業する方式のことです。最近は、駐車場などのスペースに小さな店舗が集まって運営をしていたりします。屋台と同じような店舗の体裁ですが、場所や店構えなどは、それなりに確保が必要です。
メリットは?
外装、内装費が抑えられる
これらの店舗は外装工事の必要性がほとんどありません。また、内装に関しても、坪数が少ないだけにこだわりよりも機能を重視して考えなければならないので、結果的に初期投資を抑えることにも繋がります。
人件費がかからない
規模が小さくスタッフの数も少なくて済むので人件費がかかりません。多くてもオーナーのあなたのほか、2名ほどのスタッフがいれば十分対応可能です。場合によってはオーナーのあなたひとりですべてをまかなうこともできます。
無駄な経費が減る
例えば、飲食店ならスペースの都合やさばける数にも限界があるので、自然と無理のない仕入れ量になります。結果、食材を余らすなどの無駄な経費が減少します。
デメリットは?
売り時に売れないケースも
その規模から自然と小ロットになってしまうので、通常の店舗に比べると収益を上げにくくなります。飲食店ならランチ客が多いのにさばききれないなど、小規模であることが完全に裏目に出てしまうことがあるのです。
賃料が高くなる場合も
これは立地にもよりますが、商業施設の店舗としてお店を構える場合は賃料が高くなります。その反対に、郊外の駐車場の一角などで営業ができれば賃料を抑えることができます。
しかし、商業施設にはお客様が集まりやすいですが、郊外の駐車場は集まりにくいといったこともあるので、どちらを選ぶのかはじっくりと考えたいところです。繁盛するお店を目指す
小さな店舗であっても繁盛店を目指すなら事前調査は必須です。近くの競合店の有無、近隣店舗の規模、同様の店舗の客層など、実際にそのエリアに足を運び情報を分析しましょう。また、飲食ならテイクアウトに専念するなど、小さな店舗だからこそできる取組みを考えれば収益がうまくかみ合うこともあります。今一度、どういう店舗にしたいのか洗い出してみましょう。
ローコスト経営こだわるならFL比率に注意
FL比率とは何か
ローコスト経営にこだわるのであれば、経費をいかに抑えるかが重要です。その際に使用するのが「FLコスト」です。FLコストはF「フード(材料費)」、L「レイバー(人件費)」のことです。そして、売上高に対してどれだけ材料費と人件費が占めているのかを表した数値が「FL比率」です。業態によってFL比率は変化しますが、飲食店は55~60%程度が一般的であるとされています。この数値が50%以下なら、食材費、人件費に無駄がなく、しっかりと利益が上げられていると判断できます。数値が60%を超えてしまうと、無駄なコストが発生している可能性があり、材料費、人件費の見直しが必要になるので注意しましょう。
FL比率で売上目標の目安を求めることもできる
FL比率は従来利益率を求めるものであるため、無駄なコストが発生していないかどうかを判断するために使用されます。しかし、FL比率を活用することによって、飲食店に必要な売上目標を算出することも可能です。具体的な数字を用いて売上目標を求めてみましょう。
売上目標の算出事例
例えば、F(材料費)が100万円、L(人件費)が50万円の店舗があったとします。店舗がFL比率50%の条件を満たすには、毎月の売上はいくら必要になるでしょうか?FLコストの合計が150万円をFL比率の50%で割れば、1ヶ月の売上目標を算出することができます。この店舗の条件では、1ヶ月の目標売上が300万円となります。1ヶ月の営業日が25日である場合には、「300万円÷25日=12万円」という結果となり、1日の売上目標は12万円です。1日の売上目標である12万円を達成できる経営体制が整っているかどうかを判断し、整っていない場合はFL比率を見直すことが重要です。的確な経営改革を立てていくことが安定した店舗経営につながると言えるでしょう。
R(家賃)も計算式に含めて考える
飲食店の経営を行う際に発生するコストは、F(材料費)、L(人件費)だけではありません。店舗を借りる場合は、R「レント(家賃)」もコストとして発生することになるため、より正確に無駄なコストが発生していないかどうかを知るには、Rも含めた「FLRコスト」や「FLR比率」を考慮することが重要です。事業を始めるにあたって、FLコストだけで事業計画を立てていると、金融機関から「Rは考慮している?」と家賃が利益をどれだけ圧迫しているかという状況を判断できているか指摘される可能性があります。逆に事業計画を立てる際に「FLRコスト」や「FLR比率」を考慮していれば、どの程度の家賃の物件まで借りることができるのかを判断することも可能です。FL比率は50%が一般的な目安ですが、FLR比率は70%を超えないようにするのが一般的な目安です。店舗を決める際は、FLR比率が70%を超えない範囲で店舗を決めていけば、利益を確保しながら飲食店を経営することができるでしょう。
コストを抑えるのは食材選びも重要
業務用冷凍食品を活用する
家庭用の冷凍食品ではなく業務用であるため、「容量が多く、価格が安い」ことはもちろん、すぐに冷凍処理しているので、採れたての食材を求めて遠出をするよりも「新鮮」なものが手に入る可能性があります。「下処理・調理済みで時間が短縮できる」ことも大きなメリットと言えます。「必要な量だけ出して使えるので、食材のロスがでない」という点も経営者としてはコスト削減につながるので魅力的と言えるでしょう。特に賞味期限が短い生鮮食料品は、「カット済みやボイル済み」のものが重宝されます。コンパクトなスペースでも調理が可能なので、人手が少なくて済む、調理場を極力清潔に保てるということにもつながるので、特に個人経営の店にとって、冷凍食品を活用することは多くのメリットを生みます。気象によって価格が大きく変動してしまう野菜などの「価格が安定している」こともポイントです。廃棄する食品が少なくなるということは、それだけ生じるごみの量を削減にもつながります。飲食店から生じるごみは一般家庭ごみとして出すことができず、回収業者に回収を依頼することになります。量単位での契約になっている場合は、ごみの量を減らすことによって、ごみの処理にかかるコストを軽減できることも、業務用冷凍食品の魅力と言えるでしょう。
業務用冷凍食品を活用する際の注意点
食材によって、解凍や調理にちょっとした工夫が必要になるケースがあります。解凍状態次第で料理が水っぽくなる、調理中に油はねが生じる、加熱しすぎたことで触感を損なう可能性があるので注意が必要です。また、業務用冷凍食品の中でも、加工されている加工済食品を提供した場合には、他店とのメニューの差別化、味の差別化ができない可能性があります。「冷凍食品を使っている飲食店=手抜きの飲食店」という印象を与える可能性もあることがデメリットです。特に、コンテナ店舗やミニ店舗は、業務用冷蔵庫を設置するスペースがありません。コンテナ店舗やミニ店舗で業務用冷凍食品の利用を検討している場合には保存方法を考えた上で取り入れましょう。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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