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「正月に働けるか?」で採用したから正月休みは認めない・・・飲食店の年末年始のアルバイト強制シフト問題から見るシフトの組み方

「正月に働けるか?」で採用したから正月休みは認めない・・・飲食店の年末年始のアルバイト強制シフト問題から見るシフトの組み方_記事画像

クリスマスや忘年会などイベント・行事が続く年末年始。飲食店にとっては、一番のかき入れ時ですが、そこで悩ましいのがアルバイトのシフト調整。このような繁忙期のシフトは、どのように調整すればよいのでしょうか?

年末年始のアルバイトの強制シフトが数年前話題に

数年前、ある企業がアルバイトに向け、年末年始のシフトについて喚起した張り紙の画像がツイッターで投稿され、その内容が「ブラック過ぎる」と、大きな話題を呼びました。
張り紙の内容とは、「正月なので忙しいです。始めの面接の時も入れるか聞いています。
そもそも大型連休入れない子は採用しません」「家族と一緒に、友達と一緒に、地方の子であれば実家に帰る等、この様な理由であれば許可しません」などと呼びかけたもので、年末年始に休日を取りたいと申し出たアルバイトのスタッフに対して、そのようなことは認めないと告げる内容です。
大きな波紋を呼んだ、この「年末年始のアルバイトの強制シフト」問題。
ネット上では賛否両論、意見が分かれました。
では実際、このようにしてアルバイトのシフトを強制的に組むことは可能なのでしょうか?

年末年始のアルバイトの強制シフトが数年前話題に

年末年始にアルバイトのシフトを強制的に組むことは可能なのか

結論から言えば、不可能ではありません。
通常、土日を休日とするような一般の企業ならば、年末年始は休日になっている場合がほとんど。
しかし、飲食店のように年末年始に営業することが前提となっている業態では、アルバイトの年末年始の休みの希望を使用者が拒否できる場合があります。
しかしそれは、労働契約や「就業規則」の中に、使用者がアルバイトに対して、特定の日の業務に就くことを命令できる根拠がある場合のみに限られます。
とはいえ、一方的とも取れる「押しつけ」の態勢は、できれば取りたくないもの。
また、スタッフとは良好な信頼関係を保ちながら店舗運営していくためにも、アルバイトひとりひとりの事情や意向を尊重してシフトを組むことが望ましいということは、言うまでもありません。

年末年始にアルバイトを集める効果的な施策

1年の中で最も忙しくなると言っても過言ではない年末年始の飲食店。
この年末年始の繁忙期を乗り切るためにはアルバイトなどの、人員の確保がカギとなります。
一体、どのようにすれば効果的にアルバイトを集めることができるのでしょうか?

年末年始にアルバイトを集める効果的な施策

時給をアップさせる

ある程度の集客、売り上げが見込める年末年始のシフトでは、時給の上乗せもひとつの方法です。
時給がアップすれば、むしろ「年末年始こそ積極的に働きたい!」と希望するアルバイト(特に学生)は少なくありません。
一般的に年末年始は、さまざまな業態で時給をアップさせている傾向にあります。

短期のアルバイトを雇う

個人経営の飲食店では、通常営業は少数のアルバイトでシフトを構成していますが、年末年始の数日間だけを増員したい、と考える人は少なくないはず。
その場合は、期間を限定した上で、短期のアルバイトを雇うのも一案です。
短期間での“働きぶり”や、店と本人との相性がよければ、期間終了後、通常時のアルバイトに打診してみる、といった方法でアルバイトを採用している飲食店もあります。

営業時間を調整する

即戦力となるアルバイトの動員が難しいようであれば、営業時間を調整することも選択肢のひとつです。
ディナータイムでの集客増が見込める場合は、期間を限定した上でランチタイムの営業を休業するなどして調整します。
ただし、営業時間を一時的に変更する場合は、最低でも1ヵ月前にはお客様や食材等の取引先に告知しておきましょう。

上手なアルバイトシフトの組み方(年末年始に限らず)

アルバイトのシフト管理は、年末年始に限らず通常の営業でも重要なポイントとなります。
大きなチェーン店などでは、バイトリーダーを決め、バイトリーダーがアルバイト全員のシフトを組む、というスタイルを取っているケースも多くあります。
しかし、個人経営の飲食店では、店主(経営者)がアルバイトのシフトを組むというのがおおよそのパターンではないでしょうか。
このシフト管理は、アルバイトの人員が増えるほど調整が複雑になり、シフト決定に漕ぎ着けるまでには、思いのほか長い時間を要するため、どうしても後回しとなってしまう…という声も聞かれます。
飲食店では、アルバイトのシフトをどのように組めば効率的に営業できるのでしょうか?
シフト組みに役立つポイントをチェックしていきましょう。

提出期限を早めに設定

アルバイトのシフトの組み方は、以下のように大きく2通りに分かれます。

(1)採用時に曜日や時間等で、基本的なスケジュールをあらかじめ決める方法
(2)希望日の自己申告による方法

年末年始の場合、個々の事情により(1)の方法だけは、なかなか決まりません。
その場合は、やはり(2)のように、アルバイトに入りたい日程を前もって自己申告してもらうのが、より手間のかからない方法といえます。
通常、シフトの希望は、用紙などに記入した後、期限を設けて提出してもらう、といったスタイルをとっているケースが多いようですが、ここでポイントとなるのが“提出期限を早めにする”ということ。
アルバイトの人員が多ければ多いほど面倒な作業となるため、どうしても、後回しにしてしまいがち。
しかし、前もって希望を聞き、スケジュールを決めてしまえば、繁忙期のアルバイトの増員の計画も立てやすくなります。
また、アルバイトにとっても予定が立てやすくなるので、双方のメリットとなり、繁忙期の営業にも見通しがつきます。
また、中には期限通り提出できない、あるいは、先々の予定が立たないというアルバイトもいるはずです。
その場合は、期日を守ったスタッフのシフトを優先させた上でシフトを組んでいくことがポイントです。

メンバー編成に注意する

アルバイトのシフトを組む際に気をつけなければならないのは、やはりメンバー同士の人間関係。
同時に複数名を組み込む際の人間関係はもちろんですが、希望は同じなのに、どうしてあの人ばかり入れてもらえるシフトが多いのか?
あるいは逆に、どうして自分ばかり多く入れられているのか?
と、アルバイトに疑問を抱かせてしまうようなシフト組みは、避けたいものです。
しかし、仕事の場合、実力の差は出てしまうもの。
どうしても偏りは出てしまいます。
そのような場合、経験のある人には積極的に責任あるポジションを任せる、時給のアップを検討するなど、柔軟な対応も必要となります。

希望をできるだけ尊重する

アルバイトの希望はできるだけ尊重するように努めましょう。
もちろん、必ずしも希望通りにはならないということを理解してもらうことが前提ではありますが、アルバイトひとりひとりの声に耳を傾けることは重要なことです。
日頃から、コミュニケーションが取れていれば、信頼関係が生まれ、どうしてもシフトが埋まらない時なども、相談がしやすくなります。
同時に、信頼関係が築かれている店は、店内の雰囲気も自然と明るくなります。
飲食店にとって、いちばん大切とも言われるコミュニケーション。
まずは、従業員とのコミュニケーションを深めることからはじめてみましょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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