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【小阪裕司コラム】第114回:手書きPOPへの一工夫が②

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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

多店舗・他業種の事例に一工夫加えて成果へつなげる

 前回、通常の手書きPOP(店頭販促物)に一工夫加え「顔出しPOP」にしたところ、成果につながり、それが別の店の成果へとつながっていったリユース店の事例をお話しした。それはさらに、ワクワク系マーケティング実践会員の、文具店での成果へとつながったのだが、そこではどのように活かされたのだろうか?
 同店からの報告によると、「スタッフ皆の全身の写真を撮り、ラミネートして、それぞれのスタッフが自分の言葉でPOPに使いました」。そこに幾つかの実例写真が載っていたが、例えばあるスタッフのPOPは、全身写真に添えて一言「いつもの日記が一瞬でオシャレに 垢ぬけフォトシール」。また別のスタッフのものは「収納力が圧倒的!しかもオシャレ」の見出しに、「①増えていく習い事の用具 ②重いーキャンプ用品 ③推し活の大きなウチワもすっぽり 何と7㎏の重さに耐えられる丈夫過ぎるバッグ」。そこにもう1つ吹き出しを加えて、「お米5㎏+牛乳5本らくらくスッポリ!息子たちの食欲ですぐなくなります笑」。見ていて思わずうなずく楽しいPOPばかりだが、「使い始めた途端に、『楽しいお店だね』と言われる率が上がり、新人スタッフもお客様と会話が弾みます!」と成果は上々だった。
 実は同店、以前から「顔出しPOP」は作っていた。しかし、先のリユース店の事例で全身写真が使われていたのを見て、今回はそこにこだわった。報告には、「全身を使って紹介したことで、お客様にも伝わりやすく、面白さもアップしました」とあり、以前の顔写真だけのPOPと比較されていたが、「伝わりやすく、面白さもアップ」されたのは一目瞭然だった。

良い事例を参考にして応用する

 ここでお伝えしたい、商売にとって大事なことがある。それは今回の一連の取り組みのように「良い事例を参考にし、応用する」ことだ。先のリユース店ではこれに意識的・組織的に取り組んでおり、当会でも強く奨励している。私たちはこれを「まねぶ」と呼ぶが、文具店主らもこのように言う。「本来であれば、実践する段階に行き着くまで、頭を悩ませ、アイディアを絞り出したりと、簡単にはいきません。けれど、参考にし、気軽にまねぶさせていただいた結果、忙しくて何もできないような時期でも、お客様を楽しませることができました」。こうして、「誰かの一工夫」がどんどん連鎖していく。今回の事例のように、異業種の事例も大いに活用できる。商売上手への近道は「まねぶ」ことなのである。

〇執筆者
小阪裕司(こさかゆうじ)
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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