コロナをきっかけに開業を決意。未曾有の状況下で進めた怒涛の開業準備の内側
SHOP DATA
- サポート
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- 資金
- 物件
- 内覧
- 手続き
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- Cucina Piacere
- 小濱直人
大阪府豊中市服部豊町2-1-24
- エリア
- 大阪豊中
- 業種
- イタリア料理店
- ロケーション
- ベッドタウン
- ターゲット
- 大人向け
- 業界経験
- 10年以上
- 開業時の年齢
- 30代
- 目標月商
- ~100万
- 開業資金
- 500~1,000万
- 坪数
- 10坪以下
- 家賃
- 20万以下
開業を目指すきっかけ
- コロナ禍で、世の中的には飲食店の経営が厳しい状況だと思います。今、自分のお店を開業しようと思ったきっかけを教えていただけますか。
- 開業を決意したきっかけは、コロナウィルスの感染拡大です。コロナウイルスの影響で暗くなってしまった世の中を少しでも明るくしたいと思って開業しました。18年間料理人をしていれば、もちろん周りに開業を勧められることもありましたが、これまでは開業したいなんて全く考えていませんでした。ですが、緊急事態宣言があって、何もできない状況が続いたときに、このまま何もせずに雇われの身のまま、お金だけもらっているだけというのは良くないなと思ったんです。
コロナウィルス感染拡大や外出自粛の影響で気持ちが沈み、暗い気分になっている方に、僕の作った料理を食べてもらって一人でも多くの人に喜んでもらえたら嬉しいなと思い、開業を決意しました。
- 6月にcanaeru開業サポートへ連絡をいただいて、そこからわずか3ヵ月。9月にオープンとはかなり早足でしたね。
- そうですね。これまで開業を考えてこなかったので、いきなり開業すると伝えたときは嫁や先輩もびっくりしていました。「今じゃないやろ!」と言ってくれる人もいましたね。
でもそれはあくまでアドバイスというか…僕のために言ってくれていたことなのですが、僕の責任で開業するし、そのアドバイスを聞き入れてしまうとこの先もずっと開業できない気がしたんです。やらないで後悔するより、やって後悔した方が格好いいよなと思い開業に向けて準備を進めました。
開業するまでの準備期間中も悩んで進めないということが無いように、悩んだらすぐにいろんな人に相談して進める、という流れをつくってスピード感を大事にして進めていきましたね。
開業準備での課題と解決方法
(物件探し・資金集め, etc.)
- 開業準備を進める中で、特に苦労したことはどういった部分でしょうか?
- 物件探しにはかなり苦戦しましたね。働きながら物件を探していたので、仕事も物件探しもどちらも疎かにならないように心がけていました。候補として探した物件は10件くらい。その中から内見した物件は2件のみです。
その中で、canaeru開業サポートの方に紹介してもらった不動産屋で、このお店の物件を見つけました。全く土地勘がない場所だったので不安ではあったのですが、実際に物件を見に行った際に、僕が料理をしてお客様が笑顔で食べてくれている様子が鮮明に想像できたんです。この場所を逃してしまったら、これ以上に希望条件に合った物件を見つけられないと思い、この場所の物件に決めました。
- 資金の方はどのようにご準備されたのでしょうか。
- canaeru開業サポートの担当者がプロの目線で融資について教えてくれました。どのような経営方法が合っているのかということから、事業計画書の作成方法まで細かく教えてくれたんです。特に、コロナ禍で未曾有の状況下だったので、僕が考えていた飲食経営の方法だけでは太刀打ちできないところもしっかりとアドバイスをしてくれました。ときには厳しいことも言われましたが、言われたことを守っていたので、すぐに融資が通りましたね。
canaeru開業サポートの担当者とのやり取りはメールや電話だけでしたが、気になったことや不安なことを連絡するとすぐに返答いただけ、本当に助かりました。
- 猛スピードで開業まで進められたわけですが、その中で一番苦労した部分はどういったところでしょうか?
- 9坪の店内で僕がやりたい料理をどこまで実現できるのか、それを考えて実現していくことが大変でしたね。一番おいしい状態でお客様に料理を提供する導線づくりや接客の仕方などを考えた内装にしたので、かなりお金がかかりました。お客様のために何をすることが正解なのかを考えることがこんなにも難しいとは思いませんでした。
開業後の気づき/今後の課題
- オープン後の集客状況はいかがでしょうか。
- 開業当初の来店客数は少なかったのですが、テレビ番組で何回が紹介していただいたことをきっかけに、ランチで来てくださるお客様が増えましたね。でもテレビの力は一時的なものなので、これから継続的な集客が見込めるよう、メニューや告知方法を検討していきたいと考えているところです。
- 来店されるお客様はどういった客層が多いですか?
- 若い女性のお客様が多いですね。女性の方に多く来ていただけるので、開業当初に提供していたランチメニューを女性向けに変更しました。
女性客が来てくださる中で一つ勉強になったことは、おいしさはもちろんですが見た目もきれいな料理が求められるということ。前菜一つにしても見栄えが良くなるように、小さい木箱に盛り付けるなどして、喜んでもらえるための工夫を加えました。この工夫で、来店してくださった女性のお客様が僕の料理をインスタグラムで投稿してくれて――。インスタ映えというか、そういうSNSを利用した集客方法もあるのかと、驚きましたね。
- 料理人という立場からオーナー立場になって、違いを感じることはありますか?
- 20年近く料理人をやってきて、キッチン周りしか見てこなかったのですが、オーナーになった今、お店全体のことを見ていかなければなりません。本音を言うとしんどいと思う瞬間が多いです。でもオーナーになってお店全体を見渡すことで、料理だけにこだわっていたらお店が潰れるんだということが分かりましたね。
料理人だけをしていたときよりも人との接し方や数字の見方が大きく変わりました。立場が変わることで視野が広がりましたね。人との接し方は、お客様だけでなくお店を一緒に作って行ってくれるスタッフに対しても気を付けています。意見を言い合える、聞き入れられる関係値は財産だなと思っているので、大切にしています。
- 大変なことの方が多いと思うのですが、オーナーになって良かったと感じることはどういった部分でしょう。
- スタッフが着いてきてくれていることに感謝していますね。お店全体の流れを見渡せるようになったことでスタッフの気持ちなどをくみ取れるようになり、スタッフも安心して着いてきてくれているのではないかと思っています。先ほど、しんどいことが多いといいましたが、辛いと思う分、得るものは大きいなと感じています。
仮に経営者を辞めたとしてもオーナーの気持ちを理解出来るので、次に雇われる側になったとしても上手くやっていけると思っています。(笑)
- 最後に今後のビジョンを教えてください。
- まだまだ先の話ではありますが、今いるスタッフを育ててこのお店をいずれ任せたいですね。そして2号店、3号店を出したいなと考えています。2号店は今のお店よりももっとカジュアルな雰囲気のお店にして、3号店では僕がやりたいことにこだわりを持ったお店にしたいんです。そのために毎日スタッフの教育やオーナーとしての研鑽を怠らないようにしています。