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飲食店で社員やスタッフを募集する方法を解説!求人のコツを把握しよう

飲食店で社員やスタッフを募集する方法を解説!求人のコツを把握しよう

飲食店の新規オープン日まで残り1か月ほどになったら、オープニングスタッフの募集をはじめましょう。お店の営業を支えてくれる仲間を見つけるためには、採用に力をいれなければなりません。

この記事ではスタッフの募集方法や、アルバイト・正社員を採用する際のポイントを解説します。最後まで読むことで、飲食店オープン時の採用活動に関する情報がまとめて得られるでしょう。

飲食店に必要なスタッフの種類

健全な店舗運営を行うためには、下記3つの雇用形態でスタッフの確保を目指しましょう。

・正社員(のちの店長候補)
・パート(主婦層)
・アルバイト(若年層)

開業者自らが店頭に立つ場合、正社員は必要ないと考える人もいます。しかし、事業を拡大させていくためには正社員も必要です。店舗運営を任せられる人がいることで、開業者自身の休日が確保できる、開業者にトラブルが起こった場合でも休業しなくて済むなどのメリットも得られます。

そして、パートとアルバイトの双方を採用する理由は、一般的に主婦は午前~夕方まで、学生は夕方~夜までの勤務を希望するためです。終日営業する店舗の場合は、どちらも採用したほうがよいでしょう。

飲食店で社員、スタッフを募集する方法5選

飲食店におけるスタッフ募集の方法は、主に以下の5つが挙げられます。

①求人情報誌に掲載する
②ハローワーク、人材紹介会社を通じて募集する
③知人から紹介してもらう
④店舗に「オープニングスタッフ募集」の張り紙をする
⑤駅や街頭広告でオープンの告知とともにスタッフ募集の案内を入れる

各募集方法の費用相場は、下表のとおりです。

募集方法費用相場
求人情報誌への掲載約2万円
※1週間掲載する場合を想定(媒体・地域により異なる)
ハローワーク、人材紹介会社の利用採用したスタッフの年収の20~35%
※年収300万円であれば60万円~105万円
知人からの紹介謝礼(お渡しする場合)
張り紙印刷費のみ
駅看板広告による案内例1)首都圏の主要駅にB1サイズポスターを7日間掲載
約42,000円
例2)東京都内快速通過駅にB1サイズポスターを7日間掲載
約9,400円
※駅の等級、ポスターのサイズに応じて金額が変動します


複数の募集方法を使い分けることで、効率的にスタッフを集められます。ここからは、各募集方法の特徴を確認していきましょう。

② ハローワーク、人材紹介会社を使う

社員募集には、ハローワークの利用が向いています。求人の仕組みは、店舗がある住所を管轄するハローワークで「事業所登録シート」「求人申込書」をそれぞれ記入・提出し、その内容が「求人票」に反映されて掲載されます。希望すれば、ハローワークのWebサイト上にも求人票を公開できます。

ハローワークを利用するメリットは、利用料金が無料である点です。条件を満たせば助成金の対象になることもあります。しかし、掲載や選考に時間がかかるため余裕を持ったスケジューリングが求められる、掲載できる情報量が少ないため欲しい人材が集まりにくいといった点がデメリットとして挙げられます。

一方で、人材紹介会社は、雇用主の希望に合わせた人材を探して紹介してくれるため、マッチング率が高い点が特徴です。ただ、成功報酬型であるため、紹介された人材を採用した際にコストが発生します。

料金の相場は、採用した人材の年収の20~35%です。正社員や店長候補など、コストを掛けてでも優秀な人材が欲しい場合は利用を考えてみるとよいでしょう。

③ 知人から紹介してもらう

知人や友人から直接人材を紹介してもらう方法も、スタッフ募集においては有効です。経歴や人柄などを前もって把握できるため、採用してからのギャップは少ないでしょう。

紹介者に謝礼を支払う場合もありますが、その他の費用はかかりません。他の人員募集方法と並行しながら知人に相談をしてみるのも一つの方法です。

④ 店舗に「オープニングスタッフ募集」の張り紙をする

内外装工事が始まったタイミングで、「オープニングスタッフ募集」の旨を記載した張り紙を店舗に貼る方法も有効な募集方法です。ポスターを1枚用意すれば事足りるため、手間もコストもほとんどかかりません。

しかし、この手段だけでは必要な期限までにスタッフが集まらない可能性があります。リスク管理の観点から、他の方法と並行しながら実施するのがよいでしょう。

⑤ 駅や街中で告知をする

オープンまで30日を切る頃には、駅看板広告などによるオープン告知も検討し始めるタイミングです。駅や街中に広告の出稿を考えている場合は、小さく「オープニングスタッフ募集」の文字を加えてみるのも一つの手でしょう。

広告は多くの人が目にするため、求める条件にあてはまる人材からの応募が期待できます。一方、制作と掲載に費用がかかる、欲しい時期までに応募が集まらない可能性があるといったデメリットがある点も理解しておきましょう。

飲食店の求人に記載するべき項目

飲食店の求人に記載するべき項目

募集要項は、求人に興味を持った人が「どんなお店なのか」「どんな労働条件なのか」をイメージしやすくなるように内容を充実させましょう。 

募集要項に記載すべき内容は、下記のとおりです。

・店名
・店舗の外観orイメージ写真
・開店予定日
・募集する人材(社員/アルバイト/パートなど)
・職種(ホール/キッチンなど)
・労働時間
・給与/時給
・待遇
・店舗の住所
・面接場所
・電話番号
・募集受付期間
・担当者名

その他、経験の有無を重要視するかや採用する年齢の幅なども記載しておくとよいでしょう。興味を引くために、お店の特徴をアピールする言葉も短く盛り込むと効果的です。

飲食店でアルバイトスタッフを募集する際のポイント

飲食店を健全に営業していくためには、アルバイトスタッフの採用が欠かせません。信頼できるスタッフを多く抱えることで、オペレーションのクオリティも上がるでしょう。

ここからは、飲食店でアルバイトスタッフを募集する際のポイントを3つ解説します。

採用の幅を広げる

アルバイトスタッフを募集する際には、採用条件を広くすると応募が集まりやすくなります。特に、外見に関する条件(ネイル・ピアス・茶髪・アクセサリーなどの可否)を緩めておくと、若い世代も応募しやすくなるでしょう。

カジュアルな雰囲気の飲食店であれば、上記に挙げた条件で採用活動をしてもよいかもしれません。しかし、採用条件を緩くすればするほど「応募者が優秀な人材かどうか」の見極めが難しくなります。お店のコンセプトや雰囲気を踏まえたうえで、どこまで条件を許容できるかを綿密に検討しましょう。

アルバイトの目線でアピールポイントを入れる

「お店で働くことで将来的なメリットを得られるのか」「どんなスキルを伸ばしていけるのか」など、アルバイトをすることで得られるメリットを募集時にアピールしましょう。

アピールする際は、応募者が将来像をイメージしやすくなるよう、下記に挙げる例のように具体的な内容を伝えることが大切です。

・接客でコミュニケーション能力を培うことで、就活時に面接官とスムーズに話せるようになる
・3年間勤務を続けると、アルバイトから正社員に登用される可能性が生まれる
・常に忙しい環境に身を置くことで、どうすれば効率よく作業できるかを考える力が身につく

目指す姿が明確になっていれば、日々の業務に対するモチベーションも維持しやすくなります。

自店舗で働く付加価値を添える

アルバイト募集をする際は、「働きながら得られる付加価値」を応募者にわかりやすく提示する取り組みも重要です。

スタッフが「ここで働きたい!」と思える要素としては下記が挙げられます。

・制服のおしゃれさ
・まかないが食べられる
・シフトの融通が効く

職場に対するスタッフの満足度は、日々のパフォーマンスに直結します。離職率を下げるためにも、スタッフが喜んで働ける環境を整えましょう。

飲食店で正社員を募集する際のポイント

正社員として働きたい人が職場選びにおいて重要視する点は、労働条件や将来性についてです。正社員を雇用する際には、スタッフが高いモチベーションで働ける環境の整備を心がけましょう。

ここからは、飲食店で正社員を募集する際のポイントを2つ解説します。

労働条件を明記する

正社員を募集する際は、求職者が安心して応募できるよう求人に労働条件を明記しましょう。

記載すべき項目としては、職種や業務内容、給与、休日、残業の有無などが挙げられます。給与など、応募者の経験によって変動する項目もありますが、事前に決められる内容についてはあらかじめ詳しく記載しておきましょう。

昇給・昇進に関する記載を入れる

正社員を志す人は、将来的にどのぐらい稼げるのか、どのポジションで働けるのかといった観点に重きを置いている傾向にあります。そのため、募集要項には昇給・昇進に関する内容も盛り込みましょう。

具体的には、店長や料理長など将来的に任せる可能性があるポジションを記載します。もし複数店舗を展開するビジョンがあれば、エリアマネージャーとして働く可能性がある旨を面接で伝えるのもよいでしょう。

アルバイトを正社員に登用する場合は助成金も利用できる

アルバイトを正社員として登用する際には、厚生労働省が支給している「キャリアアップ助成金」の申請を検討しましょう。

同助成金の「正社員化コース」では、有期雇用労働者(アルバイト・パートなど)を正規雇用労働者に登用する場合、1人当たり57万円~72万円の助成金を受け取れます。正社員としてふさわしい人材に育てるための研修やトレーニングにかかる費用を一部まかなえるため、積極的に活用しましょう。

参考:厚生労働省「キャリアアップ助成金」

気をつけよう!採用面接時の注意事項

気をつけよう!採用面接時の注意事項

オープニングスタッフへの応募があった際には、応募者がお店で滞りなく働けるかを判断するために採用面接を行います。面接時は、応募者に対して威圧的にならないよう注意しましょう。開業前の忙しい時期であっても、応募者がリラックスして面接に臨める雰囲気づくりが大切です。

採用面接では、主に応募者の経歴や働ける日数、時間帯などを尋ねます。しかし、新規開店のお店では応募者もどんなお店なのかイメージを把握しきれていないことがほとんどです。そのため、どんなコンセプトのお店なのか、どんなメニューを提供するのか、なぜ開業するのかなど、お店の情報を丁寧に伝えましょう。

また、面接時は、応募者が約束の面接時間に遅れないかどうかも重要な観点です。面接時間にルーズな人は、決められたシフトを守らない可能性があります。交通機関の遅延などでどうしても遅れてしまうシチュエーションもありますが、その場合は「事前に遅れる旨の連絡を入れたかどうか」を判断基準としましょう。

スタッフ採用後はトレーニングを

無事オープニングスタッフの採用を終えたら、オープン2週間前を目安としてオープニング研修をスタートしましょう

キッチンスタッフは、提供メニューの試作を繰り返し、味や盛り付けのレベルを上げるためのトレーニングを。ホールスタッフは、席の場所やメニューを覚え、サーブの仕方などを学ぶためのトレーニングを行います。オープン前のレセプション(お披露目会)で各自の役割をチェックし、本番さながらのオペレーションを経て、気になったところはオープンまでに修正できるように指導しましょう。

また、食材や備品の買いだし、清掃、ビラ配りなどの業務も積極的に割り当てることをおすすめします。こうした雑用が、意外とコミュニケーションの場となるためです。

オープニング研修は、短期間で最低限のことを覚えてもらう必要があります。根気強くレクチャーできるよう、気を配りながら研修に臨みましょう。

まとめ

・オープニングスタッフの募集はオープン30日前を目安に始めよう
・飲食店に必要なスタッフは正社員・パート・アルバイトの3種類
・人員募集の手段はさまざま。複数の手段を効果的に使い分けるとスタッフが集まりやすい
・社員登用を考える場合、「キャリアアップ助成金」の申請を検討する
・面接時は、応募者に対して威圧的にならないよう注意
・オープニング研修はコミュニケーションを取りながら根気よく臨もう

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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