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繁盛店と儲からない飲食店の格差とは?発想の転換が必要かも?

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すでに飲食店が飽和状態にあるといわれ、飲食業界は依然として競争が激化しつつあります。新規開業する飲食店がある一方で、廃業する飲食店も非常に多いのが現状です。そんな飲食業界で生き残り、自分の店舗を守り続けるためには、どのような戦略をとるべきなのでしょうか?

こちらでは飲食店経営者の方へ向けて、飲食業界が置かれている状況を紹介しながら、繁盛店を作るためのヒントをご紹介します。場合によっては、飲食店という形態にとらわれずに、発想の転換で売上を立てる必要があるかもしれません。今後の戦略を立てる上で、ぜひ参考にしてみてください。

飲食店は廃業率が高い

厚生労働省が2009年に発表した「飲食店営業(料理店)の実態と経営改善の方策」によると、2007年に新規開業した飲食店が154,278件であったのに対して、廃業した飲食店は171,540件とより多くなっています。同様に、2006年は新規開業163,026件に対して廃業170,005件、2005年は新規開業162,322件に対して廃業165,614件と、廃業率が高い傾向にあることが分かります。

このような廃業の理由として多く挙げられるのが、運転資金不足です。オープン時に店舗の賃料や内装に金額をかけすぎ、固定客がつく前に運転資金が底をついてしまうケースがよく見られます。そもそも、飲食業界はすでに飽和状態にあるともいわれており、出店戦略なしに生き残るのが難しいと言われています。しかし、業界は依然として人気が高く、新規開業が後を絶たない状況です。

また、飲食店経営者の働き方に問題があるとの見方もあります。飲食業は体力が求められる業種でありながらも、長時間労働が生じやすくかつ休暇が少ないことから、心身への負担が重くなりやすいのが課題といえます。

飲食店は廃業率が高い

飲食店経営者の働き方の実態

飲食業界は、従業員の長時間労働をはじめとした働き方の問題を抱え、現在も労働環境の見直しが求められている状況にあります。そんな中で、実際に飲食店を経営している方たちは、どのような働き方をしているのでしょうか? ここでは飲食店経営者の実態について知るために、「平均年収」と「月の平均休暇日数」についてご紹介します。

飲食店経営者の平均年収

「日経レストランONLINE」の調査によると、飲食店経営者の平均年収は627万円という数値が発表されています。2017年に厚生労働省から発表された「国民生活基礎調査の概況」では、全世帯の平均年収が545万8000円となっており、これと比較して飲食店経営者は所得が高いことが分かります。ただし、こちらはあくまで黒字経営している飲食店のデータです。実際には、飲食店経営者でありながらも年収200~300万円の例も少なくないと考えられています。このような飲食店経営者の年収の実態については、以下の記事でも詳しく触れているため、気になる方はぜひご一読ください。

参考記事:飲食店オーナーの平均年収はいくら?

月の平均休暇日数

株式会社シンクロ・フードが2018年に実施した調査によると、飲食店経営者の月の平均休暇日数は「5~6日」という回答が40.9%を占め、もっとも多いことが分かりました。続いて40.3%が「4日以下」と回答しており、全体で8割の方が休暇日数6日以下で働いていることになります。つまり、場合によっては1周間に1日の休暇が取得できない状況で働き続けている飲食店経営者が、大多数を占めていると考えられるのです。ほかの業界と比べても過酷な働き方を余儀なくされる例が少なくありません。

参考:飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ

参考:飲食店リサーチ

飲食店経営者の悩み

飲食業界は廃業率が高く、黒字経営ができれば平均よりも高額な年収が期待できるものの、月間の休暇の少なさなど働き方という観点からも多くの課題が残されています。そんな飲食業界で生き抜く上で、多くの飲食店経営者は、どのようなことに悩んでいるのでしょうか?

同様に株式会社シンクロ・フードが2018年に実施した調査によると、もっとも多くの飲食店経営者が悩みとして挙げていたのが「集客」でした。特に赤字店では深刻な問題である集客ですが、飲食業界が飽和状態にあり、固定客の獲得に悩んでいることが伺えます。

これに次いで「人材の採用」に悩んでいる飲食店が多くあります。こちらの項目については、黒字店のほうがより悩みを抱えているようです。少子高齢化により社会全体で人手不足が懸念される中、飲食業界でも従業員の確保が経営者を悩ませる問題となっています。

参考記事:【お店が回らない...】飲食店の人手不足の原因と対策をご紹介

続いて多い悩みが「人材の教育」です。優良な人材は店舗のサービスの質を向上させ、顧客満足度を高めるために欠かせない存在です。社会全体が人手不足の中、一度採用した人材をいかに活躍させるかは従業員教育に依るところが大きく、教育を重視する店舗が増えつつあります。

その一方で、赤字店全体では「資金繰り」を悩みとして挙げる店舗が多い結果となりました。ほかにも、売上にかかわる「客単価の向上」を悩みとして挙げた店舗も多く、黒字店と比べて飲食店経営者の悩みの傾向にも大きな違いが出ていることが分かります。

自分のお店を守り抜くには

飲食業界は依然として生き残りをかけた競争が激化しており、新規開業後に自分のお店を守り抜くには、戦略が不可欠といえるでしょう。そこで、最後に多くの飲食店経営者が悩む「集客」のコツや、売上を挙げるためのポイントについてご紹介します。

集客のコツ

飲食店の売上を支えるのは、固定客の存在です。そのためにも、リピーターとなった顧客が定期的に来店したくなるよう工夫をするほか、新規客の獲得にも力を入れなければなりません。たとえば、期間限定メニューを開発すれば、固定客に足を運んでもらいやすくなるでしょう。同時に、新規客を獲得するために店舗の存在を広くアピールできます。これまでとは趣向の異なる新メニューを開発したり、女子会プランのような特定の客層にアピールするプランを設定したりするほか、地域にお住まいの方へ向けてチラシを配布する方法もあります。固定客を定着させ、新規客も積極的に開拓していきましょう。

飲食店という形態にこだわらない

飲食店の売上をアップさせたいとき、必ずしも来店した顧客に料理を提供する形態にこだわる必要はありません。たとえば、昨今ニーズが高まりつつあるケータリングや、料理教室をはじめとした新規事業によって、新たな売上を立てるという方法があります。飲食店には、料理のプロとしてのノウハウがあるはずです。このノウハウをなにか別の形で提供しながら売上を向上させるのも、飲食店として生き残る道のひとつだといえるでしょう。これらの形態を取り入れることで、これまでとは異なる客層へアプローチしやすくなるというメリットもあります。

まとめ

廃業率の高い飲食業界において、自分の店舗を守り続けるためのヒントをご紹介しました。労働環境の問題をはじめとして、多くの悩みを抱えている飲食店経営者たち。社会全体の課題である人手不足のほかに、赤字店では集客や資金繰りにお悩みの経営者も少なくないようです。

飲食店の売上を立てるためには、固定客を獲得しそして維持するための工夫が不可欠です。また、必ずしも飲食店という形態にとらわれず、新規事業で売上を立てるという発想の転換をしてみても良いかもしれません。自分のお店に必要な戦略を練り、生き残れる繁盛店を作っていきましょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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