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低温調理メニューで営業停止!? 飲食店の低温調理メニューの注意点

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肉をフライパンや鍋に入れて高温で加熱したときに、硬くてパサパサしてしまったという経験はありませんか?
安いお肉でもジューシーでおいしく食べられる方法があったら……そんな要望を満たしてくれるのが「低温調理」です。
ここ数年、ブームになりつつあり、いち早く取り入れた飲食店がメディアで取り上げられることも多くなってきています。しかし、食の安全性という点ではリスクがあるため、正しい知識をもって対処する必要があります。
そんな低温調理の特徴と導入する際のポイントをご紹介しましょう。

低温調理ってそもそもどんな調理法?

文字通り低温でじっくり火を入れる調理法のこと。主に肉料理に用いられています。
ミオシンとアクチンという2種類ある肉のタンパク質のうち、アクチンは一定以上の熱を加えると分解されてしまう性質があり、肉質が硬くなって水分が外に逃げてしまいます。
そこで、アクチンが変化しない程度に低温で時間をかけて加熱するという方法、「低温調理」が生まれました。フランスが発祥の地とされています。
肉がジューシーでおいしいうえ、体によい良質なタンパク質をたくさん摂取できるという利点があります。
最近では、女性の間でもお肉をしっかり食べる方がむしろダイエットによいという考えが浸透してきていて、健康的な体を手に入れる手軽な方法として見直されています。
ブームが起きた背景にはそんなトレンドも関係しているのかもしれません。

低温調理ってそもそもどんな調理法?

低温調理の調理方法

鍋に沸騰させたダシやタレに食材を入れて数分で火を止め、蓋をして余熱で火を通すという方法が最もシンプルですが、気温などの条件によっては食材の温度が中途半場に下がってしまい、鍋の中で食中毒を起こす菌が繁殖するおそれがあります。
そのため、ビニール製の袋に食材を入れて真空状態にして繁殖のリスクを抑え、低温のお湯の中につけて時間をかけて火を通す方法がとられています。
設定した時間の間、お湯を一定温度に保ってくれる便利な低温調理専用器があり、ここ数年は海外の並行輸入製品を中心に多くの商品が市場に出回って手軽に入手できるようになりました。
一般家庭では、約75度に保たれる炊飯器の保温機能を使って代用している人も多いようです。

調理温度と繁殖菌の関係

先ほども少し触れましたが、食材を長い間低温の状態で置いておくと、カノピロバクター、トキソプラズマ、サルモネラ菌など、食中毒を引き起こす菌が繁殖する可能性が高くなります。
特に、生温かい40~55度位の間が最も菌が繁殖しやすいとされています。
低温調理をする際には、細菌の死滅する温度以上で、食材の収縮やタンパク質、コラーゲンなどが破壊される温度以下、という範囲内に保てるよう、正確な温度管理をすることが重要になってきます。

温度と時間はどうやって決める?

通常、殺菌をするには75度以上で1分以上調理する必要があると言われていますが、低温調理は、75度より低くても、長く時間をかけることで同様の効果を生むことができるという考えに基づいた調理方法です。
必要な温度や時間は食材や調理環境によっても違いますが、ひとつの基準となるのは厚生省が定める加熱食肉製品の加熱時間と温度。
「63度でその中心部の温度を30分間加熱するか、またはこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌しなければならない」と記されています。
ただし、この数値が必ずしも安全であるとは言い切れないため、お店に導入する際にはデジタル機器でしっかり調理過程の数字を測定した試作品を細菌検査し、十分殺菌されたことが確認できたものをデータ化するようにしましょう。

押さえておきたいポイント

食材を冷蔵庫から出してすぐに調理したり、一度に大量に調理したりしようとするとお湯の温度が下がるので、食材を常温に戻してから控え目の量で調理することが肝心です。
分厚く切った食材も芯まで熱が十分に伝わらない危険性がありますので、多めの時間、あるいは高い温度で調理することをおすすめします。
あくまで食材の芯、中心部分の温度が基準になっているということを忘れないように。
特に豚肉は寄生虫リスクが大きいため、余裕をもった設定にしましょう。
なお、ホルモンなどの肉の内臓に付着するE型肝炎ウイルスは、低温で殺菌や減菌することはできないので、低温調理はできません。

飲食店における低温調理

低温調理には、おいしいという以外にも、飲食店にとってはさまざまなメリットがあります。
導入する際の注意点とともに見ていきましょう。

飲食店における低温調理

低温調理にはこんなメリットもある!

飲食店が生き残るためには、お客様をひきつける店のウリが必要になりますが、低温調理というアプローチで食材のおいしさを活かしたメニューを作ればひとつの話題になるはず。
低温調理であらかじめじっくり火を入れておけば、注文を受けてから表面を軽く焼いたり、温め直したりすればいいだけなので、お客様へ提供するまでの時間も短縮できます。
また、調理器の進歩で、本来は優秀な職人でなければ作れない低温調理メニューが、経験の浅いスタッフでも簡単に作れるようになりました。
スタッフを育成する時間、あるいは人件費を抑えられるので、調理器の購入に先行投資しても、ほどなくカバーできるという計算になります。

飲食店が注意すべきポイント

安全と言われる通常の高温の調理方法でも食中毒が発生する可能性があるなか、低温調理のリスクはさらに高く、ひとつ間違えば店の営業停止につながりかねません。
そのことをしっかりと認識し、万全の対策をしておきましょう。
菌が繁殖する可能性をひとつでも減らすには、食材の新鮮さや管理状態が鍵になります。
特定の信頼できる生産者などの仕入れ先から購入して、冷蔵庫などの保存温度もしっかりと管理しましょう。
また、基本的なことになりますが、調理の下ごしらえに使う包丁やまな板が清潔かどうか、手洗いの徹底も重要です。

低温調理で作れる料理

「低温調理」を謳ったメニューは店のウリになること間違いなし!低温調理に合う代表的な素材やメニューをご紹介します。

ローストビーフ

低温調理の最も定番となるメニューです。
昔からオーブンでじっくり焼き上げる方法がありましたが、近年は低温調理専用器具を使ってさらにジューシーに仕上げることが可能になりました。
お客様に提供する直前に表面をフライパンで焼くことによって、より細菌に対する安全性を高めることができます。

チャーシュー

「レアチャーシュー」という呼称で低温調理のチャーシューをウリにしているラーメン店が良く知られています。
タレに漬け込む際、入れた袋を真空状態にすることで、均等に味が染み込む利点があり、やわらかくしっかり味がついたチャーシューになります。
ただし、素材が豚肉なので、温度管理には細心の注意を払うことが必要です。

魚料理

魚は、ふっくらと仕上げるために、あまり長い時間、火にかけないことがコツとされています。
しかし、煮つけの場合は味を浸み込ませる必要があるので、身に軽く火が通ったところで火を止め、低温のダシや煮汁に時間をかけて浸しておく方法がとられています。
これも低温調理のひとつで、脂やコラーゲンが逃げにくく、おいしくいただけます。
さらに、煮つけを低温調理専用器で作ることもできます。
食材を煮汁とともに真空パックすれば味がまんべんなく染みるため、むしろ鍋で作るよりムラなくでき、簡単かもしれません。
また、真空パックの中で下味をつけて火を通し、提供する前に表面を軽く焼けば、ソテーも手軽に作ることができます。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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