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東京を例にとって売り上げ計画を立ててみよう|飲食店事業計画の作り方

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継続して営業するためには、無理のない事業計画が必要です。では、どの段階で事業計画は必要なのでしょうか?出店するに当たって、最初にぶつかるのが物件探しですが、事業計画が無いまま物件を探しているのは危険です。まずは基礎となる売上予測を立ててみましょう。

参考記事:飲食店の始め方 飲食店開業マニュアル

売上を予測して事業計画書を作成する

開業に向け、銀行で融資を受けるケースは少なくありません。きちんと返済できるという、数値的な目安や根拠があれば、条件を有利に進めることができます。また、潤沢に資金がある場合でも、無理な計画はいずれ経営破たんを招きます。そこで必要となるのが、事業計画書。なかでも精査に時間をかけるのが売上予測なのです。

1日の売上計画の予測を計算する

1日当たりの売上高の予測には、次の計算式を使います。

売上高=坪数×座系数×満席率×回転率×客単価

「席系数」は、1坪に設置できる席数のこと。 目安は1坪につき1.3〜1.5席です。 ゆったりとした空間にしたいなら1に、 多少詰めて座れるようにするのなら1.8席程度と考えてください。「満席率」は、座席稼働率のことです。満席でも4人座りのテーブルに1人しか座っていないこともありますので、0.6〜0.7が目安です。また、「回転率」は、1時間当たりに客席が何回転するかを意味しています。滞在時間が2時間なら0.5、30分程度で出る店なら2.0という具合です。業態や客層が似ている店舗の回転率をリサーチし、数値を決めましょう。そして、「客単価」は顧客1人が使う平均額です。後は、物件の「坪数」によって、売上高が左右されます。

東京を例にとって売り上げ計画を立ててみよう

それでは東京でステーキ屋を出店すると想定し、実際に売上計画を立ててみましょう。ポイントは、平日と週末を分けて考えること。ここではディナー営業のみとしますが、ランチも営業するなら、それぞれに分けて計算し、1日分として合算。そのうえで1ヵ月の売上を予測します。

繁華街の場合

目黒区で家賃30万円の物件Aを例に計算してみます。

平日
広さ15坪×席系数1.7×満席率0.7×回転数0.8回×客単価4000円
=売上高5万7120円

週末
広さ15坪×席系数1.7×満席率0.8×回転数0.6回×客単価6000円
=売上高7万3440円

1ヵ月30日、平日1日を定休日とした場合、月の売上高は150万1440円になります。

郊外の場合

北区で家賃12万円の物件Bを例に計算してみます。

平日
広さ30坪×席系数1.3×満席率0.5×回転数0.6回×客単価4,000円
=売上高:4万6800円

週末
広さ30坪×席系数1.3×満席率0.6×回転数0.5回×客単価6,000円
=売上高:7万200円

1ヵ月30日、平日1日を定休日とした場合、月の売上高は、128万400円になります。

結果をどう考える?

繁華街の場合、坪数が限られているので、座係数や満席率をいかに上げるかがポイント。売上が高くても家賃も高いため、バランスを見極める必要があります。一方、郊外の場合、家賃の安さに加え、繁華街よりも広めの空間を提供できることが魅力ですが、その分回転率が下がることが考えられます。また、平日は集客が落ちるため、満席率も抑え目の数字となっています。家賃の目安は、月の売上高の10%。つまり、上記物件Bなら事業として成立しますが、物件Aはクリアできていません。ランチ営業をするなどの事業形態の見直しが必要です。

事業計画書に反映させよう

売上予測にはほかにも、雨が多い月や給料日前などの条件が悪い時期、平均的な売上が期待できる時期、給料日やパーティシーズンなどの条件がよい時期などを考え、数値を微調整すれば、現実的な売上高が見込めます。曜日で人通りが左右されやすいなら、曜日別で算出する手もあります。座係数を上げる内装の工夫、満席率や回転率を上げるマーケティング戦略、単価や場所、業態の見直しなどを行って、より精度を上げたものを作成しましょう。
物件を決める際、売上予測を基に支払い可能な家賃額を算出した上で、坪数が近い物件を選べば、堅実な事業計画書を作成できます。

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この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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