「フランチャイズ経営って、儲かるの?」
「フランチャイズで儲けるためには、どのような点に注意すればいいの?」
フランチャイズでの開業を検討している方の中には、このような疑問をもっている人が少なくないのではないでしょうか。このような疑問にお答えするべく、今回はフランチャイズの仕組みやメリット、フランチャイズで儲けるための5つのポイントなどについて解説していきます。
目次
フランチャイズの仕組み
フランチャイズとは、個人や法人がフランチャイズ本部と契約を結び、加盟店となって経営を行う事業形態のことをいいます。同種の商品やサービスを提供する多数の小売店(チェーンストア)が、ひとつの企業によって統制されていることから、「フランチャイズチェーン(FC)」とも呼ばれています。
加盟店は、本部と類似する商品やサービスを提供させてもらう代わりに、ロイヤリティと呼ばれる対価を継続して支払う必要があります。
ロイヤリティの金額は、「売上の○%」や「月額固定」など本部によって支払条件が異なります。当然のことですが、ロイヤリティの金額が大きくなればなるほど、加盟店は利益を上げることが難しくなります。そのため、事前に契約書などでロイヤリティの支払条件を確認し、納得した上で本部と契約を結ぶことが大切になります。
また、フランチャイズでは、最初に開業した店舗の経営に成功すれば、2店舗目、3店舗目と事業規模を拡大していくことも可能です。複数の店舗を経営することにより、売上をさらに伸ばすことができます。
フランチャイズのオーナーになるメリット
フランチャイズのオーナーになるメリットとしては、おもに以下の3つが挙げられます。
・開業コストが安く済むことがある
・未経験でも始めやすい
・ブランドを売りにできる
それぞれどのような内容なのか、順番に見ていきましょう。
開業コストが安く済むことがある
フランチャイズの開業には、契約時に本部に支払う加盟金のほかに、物件取得費や改装費、設備の購入費などの費用がかかり、業種にもよりますが数百万円〜1,000万円ほどの資金が必要になるといわれています。
ただし、本部によっては店舗や設備などをすべて用意してくれるところもあるので、そうしたフランチャイズに加盟する場合は、開業コストを安く抑えることができます。
未経験でも始めやすい
本部の集客ノウハウや仕入れルートなどを利用できるため、経営や店舗運営に関する知識や経験がなくても開業しやすいというのもメリットです。
多くのフランチャイズ本部は研修制度を設けており、加盟店のオーナーは開業前に業務に関する知識や店舗運営のノウハウを学ぶことができます。また、開業後もスーパーバイザー(SV)と呼ばれる本部の指導員が定期的に店舗を訪れ、経営に関するアドバイスを求めることもできるので、未経験者でも安心して営業することができます。
ブランドを売りにできる
個人経営の場合、開業してからしばらくは固定客がつきにくく、売上が伸びないケースが大半です。その点、フランチャイズ加盟店は本部のネームバリューを利用して集客できるので、開店してから早期に利益を上げられる可能性が高くなります。
実際、フランチャイズは儲かる?
これからフランチャイズでの開業を考えている人にとっては、「オーナーになることでどのくらいの収入が得られるのか」という点がもっとも気になるのではないでしょうか。
フランチャイズオーナーの収入は、業種によって異なります。たとえば飲食業の場合、平均年収は400万円程度といわれていますが、飲食店にもさまざまな業態があるためこれも一概にはいえません。もちろん、繁盛店や複数の店舗を経営しているオーナーの中には1,000万円以上の年収を稼いでいる人も少なくありません。
ただし、当然ながらオーナーになれば誰でも上記のような収入を得られるというわけではありません。本部のバックアップがあるといっても、経営に失敗し廃業を余儀なくされるオーナーが数多くいるのも事実です。
それでは、フランチャイズ経営で儲けられるオーナーと、廃業してしまうオーナーにはどのような違いがあるのでしょうか。ここからは、フランチャイズ経営に成功するための方法について解説していきます。
フランチャイズで儲けるための5つのポイント
フランチャイズ経営においては、「どの本部に加盟するか」によって成否が分かれるといっても過言ではありません。会社にもホワイト企業とブラック企業があるように、フランチャイズ本部にも親身にサポートしてくれる良心的なところと、そうでないところの2種類があるのです。
本部を選ぶ際は以下の5つのポイントを押さえることで、開業後に失敗するリスクを減らすことができます。
①サポート体制をチェックする
②事業が成長して儲かる可能性があるか確認する
③信頼できる本部か見極める
④加盟金やロイヤリティだけで判断しない
⑤複数の本部から検討する
それぞれどのような内容なのか、ひとつずつ解説していきます。
①サポート体制をチェックする
本部が経営や店舗運営に関してどの程度までサポートしてくれるのかは、加盟するチェーンによって異なります。本部と契約を結ぶ前に、スーパーバイザーが月に何回くらい店舗を訪問してくれるのかなどを質問して、サポート体制の充実度を確認しておきましょう。
②事業が成長して儲かる可能性があるか確認する
加盟する本部が行っているビジネスが今後も成長していき、長期的に利益を出せるのかを見極めることも大切です。
そのためにも、加盟者は事前に既存店の成長率や閉鎖率を把握しておく必要があります。フランチャイズチェーンの成長速度を知るには、本部の担当者に展開している店舗数や出店スピードなどを質問すると良いでしょう。
③信頼できる本部か見極める
フランチャイズ本部は、事前に加盟希望者に対して事業概要とおもな契約内容を書面で開示し、説明することを法律によって義務付けられています。
詳細な契約内容や直営店の営業実績などを情報開示していない本部の場合、加盟金などを騙し取るのが目的の詐欺の可能性も考えられます。そのようなチェーンとは、契約しないように気をつけましょう。
参考: 日本フランチャイズチェーン協会「法定開示書面について」
④加盟金やロイヤリティだけで判断しない
本部と契約を結ぶ前に、契約書などで加盟金とロイヤリティの金額をきちんと確認しておくことも大切です。どちらか一方の金額ではなく、両方とも加味しましょう。
本部によっては、加盟者を増やすために加盟金などを安く設定しているところもありますが、そういうところでは代わりに広告費などの追加コストを請求してくることがあります。契約してから高額な支払いに困ることがないように、前もって費用の詳細を確認しておきましょう。
⑤複数の本部から検討する
①〜④のポイントを踏まえ、複数の本部を比較して加盟先を決めます。Webサイトや合同説明会などで情報収集を行ない、好条件で契約できる本部を見つけましょう。
フランチャイズで儲けるためのポイントを押さえましょう
フランチャイズは、1店舗目の経営に成功すれば2店舗目、3店舗目と事業を拡大させることができ、それに伴い収入も倍々ゲームで増やしていくこともできます。フランチャイズオーナーの中には、このようにして年収1,000万円以上を達成している人が数多くいます。
ただし、フランチャイズで儲けるためには好条件で契約してくれて、開業後も継続してサポートしてくれる本部に加盟することが重要になります。今回ご紹介した5つのポイントを踏まえて、ぜひ自分に合った本部を探してみてください。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。
