お洒落な店などではよく見かけるルーフトップ、美しい風景を前に飲食などをするそのスタイルはお洒落で若者にも人気な形態です。しかし実際にルーフトップのある店を開業しようと考えた場合には、しっかりと設置するインテリアのポイントを抑えておかないとせっかくのルーフトップの魅力が半減してしまいます。
そこでこの記事ではルーフトップをより魅力的にするインテリアのポイントについて解説をしています。ぜひ開業後のルーフトップのインテリア選びの参考にしてみてください。
配色に気を配る
インテリアにおいてはまず配色に気を配ることが重要です。これはルーフトップのある店に限ったことではありませんが、配色が適当だといまいちパッとしない印象になってしまうからです。
極端な例でいえばインテリアの配色が「全て彩度の高い(蛍光色っぽい))青だけ」といった場合では店の雰囲気がまるでカートゥーンのようになってしまうでしょう。
さすがに一面を青で統一するというようなインテリアをする人は少ないと思いますが、考えなしにインテリアを設置していると思わぬ印象の空間になってしまうことがあります。実際に配色を考える際にはさまざまな要素を考慮に入れる必要があります。
基本的には
①ベースの色をいくつか決める
②何らかの規則性に沿って配色を決定する
といった構成になります。
ベースとなる色は最終的な空間のイメージに基づいて考えられることが多く、明るい印象にしたいのであれば黄色や緑などといった色がベースとして選択されることが多い傾向にあります。同時にベース色は数色に抑えることで空間をどのような印象にしたいのか明確にすることができます。逆に沢山のベース色を設定してしまうと色とりどりの空間になってしまい、どのような空間にしたいのかが不明瞭になります。
また②の配色に関してはベース色に加えていくつかの類似色を加えたり、ベース色をどのように組み合わせるかという理論で、配色に留意することで「この色のインテリアだけ目立っている」「この色のインテリアだけ地味すぎる」などといった問題を防止することができます。配色理論に関しては多数の理論が開発されており、一例を紹介すると
・トライアード配色
・対比の調和
などが存在します。
トライアードは色相環(色の円)上において正三角形または二等辺三角形を作る点に位置する色を組み合わせるというもので、これによって色が調和するとされています。また対比の調和は色相が同一(色が同じ)の色で明暗が対称的な色同士を組み合わせることによって、調和が生まれるというものです。色の調和が起こることによって空間に対して「鮮やかすぎる」「地味すぎる」などといった色に関する不自然な印象を抱きにくくなります
テーマを決める
インテリアを設置する前にはしっかりと全体的なテーマを決定しておきましょう。たとえば爽やかな感じの雰囲気といったものや、アンティークな雰囲気など自分の目指すテーマをあらかじめ決めることが大切です。これはテーマに沿ってインテリアを採り入れていくことにより、全体的に統一感が出るからです。
逆に、テーマを決めずにインテリアをポンポンと置いてしまうと、全体的な統一感が失われてしまうことになります。
たとえば、ほとんどすべてがガラスやスチールなどの清潔感のあるインテリアを使っていたとして、その中に木製のアンティークなインテリアがあったらどうでしょうか。全体的な統一感が失われて、どのような空間にしたいのかが不明瞭になってしまいます。逆にガラスやスチールなどのインテリアで空間を統一すれば、清潔感のある空間というコンセプトが明確になってくるというわけですね。
配置を決める
実際にインテリアを店舗内に設置する際には、配置に気を配るようにしましょう。というのも、インテリアの配置はお客様が店に入った時に感じる印象をそのまま作り出す要素でもあるからです。
極端な話、中学校の机配置のごとく等間隔で規則的にインテリアが設置されていた場合、そのようなインテリア空間は間違いなく狭苦しく、悪い意味で形式ばった雰囲気になってしまうでしょう。
逆にある程度の空間を残しつつ、乱雑にならない程度にインテリアを設置していた場合には開放的で自由な雰囲気を造ることができるでしょう。
オシャレに拘り過ぎない
インテリアを設置する際に、ある程度デザインなどに拘ることは重要ですが、拘り過ぎるのは逆に空間全体の雰囲気を悪くしてしまいます。というのもオシャレな家具は色が鮮やかだったり、造形が非常に凝っているために鮮やかすぎることがあるからです。
たとえば部屋の雰囲気を落ちついたシンプルなものにしようと思っていた時に、鮮やかな色をした家具を沢山設置してしまうと全体の雰囲気が簡単に破壊されてしまいます。
あくまで自分の好みに引きずられてインテリアを選んでしまうと、たとえそれが少ない数であっても部屋全体の雰囲気を壊してしまうことがあるということです。
スペースを考える
インテリアを部屋に置く場合は、スペースを考えておくようにしましょう。これは空間自体のスペースを考えずに、大型のインテリアをポンポンと設置してしまうと通路がなくなるうえ、狭苦しい印象の空間になってしまうからです。
たとえばソファーや棚などといった大型の家具を所狭しと設置してしまうと、歩くことができる場所がかなり限定されてしまいます。とくにソファーなどのような大きなインテリアはその大きさゆえに数個置くだけでも配置方法や通路がかなり制限されてしまいます。
質感を考える
これは「テーマを決める」にもつながる点ですが、インテリアを設置する場合においてはインテリア自体の質感を考えておく必要があります。たとえば木製のインテリアを多めにすればやわらかい雰囲気の空間になるでしょうし、逆に鉄製のインテリアを多めにすればすこし硬い雰囲気の空間になることになります。どのような雰囲気の空間にしたいかは人それぞれですが、自分の求める空間にあった質感のインテリアを選択することが大切です。
背の高すぎるモノを置かない
ルーフトップのあるお店では背の高すぎるインテリアを設置しないことが大切です。というのも単純な話として背の高すぎるインテリアはルーフトップからみられるせっかくの風景を潰してしまうからです。
ですから本棚など、天井近くまで高さがあるようなインテリアは避けるようにし、そういったものを設置する際にはできるだけ小型の物を選んだり、壁際に置いたりとルーフトップ特有の景色を邪魔しないような置きかたをしましょう。
ルーフトップでのインテリアを考えるにあたって
いかがでしたでしょうか。ここまでルーフトップにおけるインテリアのポイントを紹介してきました。ルーフトップにおけるインテリアは基本的な部分は通常のインテリアと変わらないものの、ルーフトップ特有の景色などに配慮した考え方が求められます。通常のインテリアの配置方法に加えてルーフトップに配慮した配置にインテリアを工夫することで、より魅力的な空間を造ることができるでしょう。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。
