コーヒーの種類で最近よく聞くようになった「サードウェーブ」「デカフェ」って、いったい何でしょうか?
コーヒーの歴史を紐解くと、アメリカでコーヒーが広く一般家庭でも飲まれるようになった1970年台の「ファーストウェーブ」、スターバックスに代表されるシアトル系深煎りコーヒーが世界的に人気となった1990年代までの「セカンドウェーブ」、そして現在、豆の産地やコーヒーの淹れ方などをこだわる『スペシャリティコーヒー』の時代「サードウェーブ」へと続きます。そもそも、サードウェーブとはどんな「波」なのか。そして、最近よく耳にするようになった「デカフェ」まで。これまでのコーヒーと何が異なるのかについて探求していきましょう。
大量生産・大量消費!「ファーストウェーブコーヒー」とは?
コーヒーは古くから存在していたものの、それを運ぶための流通手段がなく、高価なものとして扱われ、大衆的な飲み物ではありませんでした。しかし、19世紀後半から1960年代に流通が発達したことでコーヒーが大量生産・大量消費されるようになったため、安価で一般大衆の飲み物として定着するようになりました。
さらに、日本ではインスタントコーヒーの発明によってコーヒー事業は大きく飛躍します。今では当たり前になった缶コーヒーが1969年に登場し、翌年の大阪万博でも注目を集めるものとなりました。
インスタントコーヒーは、手軽にコーヒーを楽しむことができるものの、品質という面では現在のような深いコクなどを味わうことができませんでした。そこで次にやってきたのが「セカンドウェーブコーヒー」です。
高品質な深煎り!「セカンドウェーブコーヒー」とは?
大量生産・大量消費で安価で手軽にコーヒーを飲むことができるようになった「ファーストウェーブコーヒー」とは異なり、「セカンドウェーブコーヒー」では、とにかくどうすればおいしいコーヒーに仕上がるのかが求められるようになりました。
高品質のコーヒー豆を使用したり、コーヒー豆の加工にこだわりを入れたりしておいしいコーヒーを提供するようになりました。コクや香りを出すためにコーヒー豆の深煎りが台頭していきました。深煎りすることによって、深いコクと味わいが出せるようになったため、「単なる飲み物」から「味わいを楽しむ飲み物」へと印象が大きく変化しました。
スターバックスやタリーズなどの日本でおなじみのコーヒー店も、このセカンドウェーブコーヒーに含まれています。深いコクと味わいを楽しむほか、カフェオレなどアレンジしたコーヒーが登場したことによって、さらにコーヒー好きのすそ野が広がったのが「セカンドウェーブコーヒー」です。
大手も参入!「サードウェーブコーヒー」とは?
サードウェーブは90年代後半から起こった動きで、豆の産地を重視し、豆の個性を最大限に引き出す淹れ方を追求する新しいコーヒーカルチャーです。
それまでの大量生産やマニュアル化されたコーヒーではなく、『こだわり重視』なのでサードウェーブでは一杯ずつ丁寧に淹れるスタイル”ハンドドリップ”が基本となります。
重視しているのが単1種の苗木から収穫されたコーヒー豆だけを使用する「シングルオリジン」であること。ブドウの生産地によってワインの味わいが変わるように、コーヒーも栽培品種、生産方法によって味わいが異なります。
「ブレンドせずに単一のコーヒー豆を使うことで、ワインのように品種や土地の風土などの個性をダイレクトに味わえるのが、シングルオリジンコーヒーの魅力」なのです。
優良な豆を使ったさらに付加価値の高いコーヒーの提供を目指す流れが強まり、このサードウェーブコーヒーのムーブメントの波が起きたとも言えるでしょう。
コーヒーに含まれるカフェインのメリットとは
コーヒーを寝る前に飲むとカフェインの効果で眠れなくなるという話を聞いたことがある人も多いと思います。コーヒーに含まれているカフェインにはどんなメリットがあるのでしょうか?主なメリットは以下の通りです。
・覚醒作用がある
・利尿作用がある
・集中力アップ
・偏頭痛の緩和
・脂肪燃焼作用
・眠気の除去
・筋肉の疲労回復
・脳卒中のリスク軽減
・血行促進
このようにカフェインを摂取することは、多くのメリットをもたらします。覚醒作用があることに加え、眠気の除去が作用として挙げられることから、寝る前に飲むと眠れなくなるというのはこのことです。
偏頭痛の緩和や脂肪燃焼作用、脳卒中のリスク軽減は、健康増進の観点からも優れていると言えます。では、逆にカフェインを摂取することには何かデメリットはあるのでしょうか?
コーヒーに含まれるカフェインのデメリットとは
カフェインを摂取することは、特に大きなデメリットは無いとされています。しかし、どんなものでも過剰な摂取は体に悪影響を与えることがあります。カフェインの脂肪燃焼効果や覚醒作用などを期待して、過度に摂取しすぎると以下のような症状が出る場合があるので注意が必要です。
・神経過敏
・興奮
・睡眠障害
・顔面紅葉
・嘔吐
・胃痛
カフェインは覚醒作用があることから、神経が過敏になったり、興奮して眠れなくなったりなどの症状が現れる場合があります。また、血液循環が良くなることから、顔が赤く火照る場合があります。
胃液の分泌が促進されることから、胃痛を引き起こす場合もあるほか嘔吐する場合もあるなど、人によっては重症化する可能性もあると言えるでしょう。
成人の場合は1日300mg程度の摂取であれば問題はないと言われていますが、分解できる量が1日に500mgと言われているため、過剰摂取さえしなければ問題ありません。
しかし、妊婦さんの場合は注意が必要です。妊娠初期には、血管が収縮されることによってお腹が張り、体調悪化のリスクが高くなります。また、出産後も母乳にカフェインが出るなどする可能性があるので注意しましょう。
ネクストコーヒーブームの主役はカフェインレス
サードウェーブで、「コーヒーのある暮らし」は我々のライフスタイルにすっかり定着。その後も新しいコーヒーショップやカフェが続々と登場し、こだわりの豆も各所で販売されるなど、ますます盛り上がりを見せています。
この盛り上がりの中、今注目されているキーワードは「デカフェ」。カフェインレスコーヒーです。
コーヒーにはポリフェノールが含まれており、アンチエイジングや脂肪燃焼の促進が期待でき、美容やダイエットにも嬉しい点があります。しかし、カフェインを取りすぎると胃が荒れたり、かえって肌荒れすることもあると言われています。
ある統計では、「主力のカフェインレスコーヒーは10年前と比べて1.6倍の販売量」、「カフェインレスはカフェイン入りと比べても、おいしさについては特に変わらないことが消費者に認知され始めている」といった結果が出ています。
デカフェは妊婦さんや体質的にコーヒーのカフェインが合わない人が愛飲している印象が強いかもしれませんが、今日では味のクオリティも上昇し、きちんと香りも楽しめる、おいしさにも妥協のないものが多く出ています。
まとめ
各店舗がしっかりと個性を持ち、そこにこだわりが共鳴したお客様が集う。これからの日本のコーヒーカルチャーは、こだわりの数だけ多様化し、カフェというコーヒーを飲むだけではない場を必要としている消費者も増え、ますます魅力的な市場になっていくと言えます。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。
