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【第6回:カナエタあとの方が大変!?儲かるためにおさえるべき5つのポイント】経営者の仕事はシステム化し経営をすること

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独立・起業し、飲食店などのお店を開業することは、「自分が考えたコンセプトやテーマに沿った"完全自分オリジナル"の〇〇を、お客さまに提供し、それによって報酬を得る」という夢の仕事です。
その夢の仕事を継続させるためには、自分オリジナルの〇〇を産み出す作業よりも、お店という組織を経営するという作業の方が、圧倒的に多いのです。
残念ながら、このポイントを少なく見積もって開業してしまう開業者が多いのが実情です。
canaeru(カナエル)では、忙しい開業予定者のために、「まずはこれだけ抑えておけば経営は継続する」というポイントまとめてみることにしました。
たくさんの経営本のどれを読めばいいのか分からない、セミナーなどで勉強する時間がない…という方に、まずはこれだけでも抑えてほしいポイントは5つです。
起業して会社経営、美容院や飲食店も開業。あらゆる業態を事業化し、成功させてきた株式会社グリーンツリー代表・森田健太郎氏が解説します。

第6回目は、システム化することと、本当に経営者を目指すためのまとめです。

「自分がいなくても問題がない状況にすること」これがシステム化であり経営である

森田:システム化と言いますと、IT化という意味と間違えがちですが、そういった意味ではありません。
私はカンボジアでバーの経営もしておりますが、そのバーではトマトソースパスタが非常に好評をいただいております。変な話、近くにあるイタリアンにも負けないと言われるほどです。
このトマトソースパスタは、現在カンボジア人スタッフが作っていますが、最初はなかなか美味しいトマトソースパスタができませんでした。
私はカンボジアに行っても、現地の料理、クメール料理を食べることはありません。美味しいと思えないからです。カンボジアにある最高級クメール料理店にも二度行きましたが、そのときもやはり美味しいとは思えませんでした。
ところがカンボジア人は大変美味しそうに私の前で食べているわけです。ここでわかったのですが、日本人とカンボジア人では味覚がまったく違うのです。つまり、我々の知っている料理であるトマトソースパスタを作っても、彼らには美味しいかまずいかの判断ができなかったのです。
同様に、クメール料理独特の味を日本人は美味しいとは感じませんから、クメール人が美味しいと感じるクメール料理を日本人が作ることも不可能だと思います。

これは私にとって非常によい経験でした。
味覚が違うことに気付いた私は、塩の量はこのくらい、ゆで時間は○分△秒、といった形で、すべてを数値化しました。その結果、クメール人に作らせてもブレのない美味しいパスタができるようになったのです。

独立したばかりは仕方ないと思いますが、飲食店で独立したオーナーはほとんどお休みがない状態です。
私も最初の5年間は、本当にがむしゃらに頑張っていました。がむしゃら時代は、それはそれで楽しかったのもあります。しかしながら、自分が倒れたら会社はどうなるのだろう、いつまでこんながむしゃら生活が続くのだろう、そういった思いが独立して5年を過ぎた頃から沸き立ってきたのです。
私は最初IT系で起業したので、風邪を引いて休んでも自宅で作業すればある程度は大丈夫ですが、飲食店の場合、予約が入っていれば、無理してでもお店を開けるか、予約をお断りしてお店を閉めるしかありません。
飲食店の場合、1日でもお休みをすると、売り上げにかなりの打撃が出ます。そのため、自分がいなくてもお店が問題なくまわるように、ある程度仕事を皆に任せていかなければいつかは限界が来ます。
この「自分がいなくても問題がない状況にすること」をシステム化と言うのです。
カフェ風の小さな1人美容室で独立する美容師が最近非常に多いのですが、インフルエンザにでもなったらどうなるのだろう?と常々思ってしまいます。
1人美容室の場合、インフルエンザに罹れば、その間お店を閉めるしかありません。でもそのスタイリストが好きなお客様であれば、大概は日程変更のお願いに応じてくれます。
このあたりは飲食店と違うと思います。飲食店の場合は、日程変更をお願いして応じるお客様はまずいないでしょう。
よってお休みとなると純粋にそこに穴があくわけです。数日お店を閉めると、飲食店は経営への影響が非常に大きくなります。更にロスも発生すると、計りしれないほどの打撃を受けてしまうかもしれません。
だからこそ、自分がいなくても大丈夫な仕組みを最初から考えておく必要があるのです。

「経営者にならなければならない」を思い出して。

自分がいなくても本当にまわるのか、お客様は自分以外の味でも納得していただけるのか、最初は非常に不安を感じると思います。
しかしその不安を乗り越えなければ、いつまでも職人のままです。カナエタあとは、この記事の第1回から説明しているように、経営者にならなければなりません。
私は、2016年に突発難聴で約1週間、2017年には酔って転んで膝を複雑骨折し、3週間入院をしました。複雑骨折のときは退院しても当面出社できず、結局1ヶ月間も休むこととなりました。
しかしシステム化を完了していたため、すべての事業において影響は出ませんでした。

美容事業の方はさっさとシステム化できたのですが、実はIT事業の方はなかなかシステム化ができないという状況が起きていました。そこでシステム化を無理矢理にでも進めるため、私は海外のカンボジアでビジネスを始めたのです。
カンボジアでビジネスを行うため、私は毎月1週間程度カンボジアに行くと決め、東京にいない状態を作ったのです。そうなりますと、私に聞かずに自分自身で決断をするようになります。
IT系の会社までシステム化してしまうと私の居場所もなくなってしまうので、正直かなり時間がかかってしまいましたが、私の入院時にはシステム化ができていて本当によかったと思っています。

まとめは、改めて「カナエタあとの方が本当に大変」

さて、全6回に分けて5つのポイントをお話しさせていただきました。

1つ目のポイントは、借り入れは税引後で返済していることを理解すること。
2つ目のポイントは、減価償却を最大限利用してキャッシュフローを改善すること。
3つ目のポイントは、社内のメンバーへ心からの感謝をすること。
4つ目のポイントは、集客こそ社長の仕事。
そして今回の5つ目のポイントが、仕事をシステム化することです。
カナエルよりカナエタあとの方が本当に大変です。この記事全6回が少しでも助けとなれば幸いです。

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■プロフィール

森田健太郎
1967年広島県生まれ。日本大学大学院理工学研究科物理学専攻博士前期課程修了後、KDDI株式会社に入社。1年間システムエンジニアを経験し、営業部門に異動。2年後、実績が新聞、雑誌などに多数取り上げられ、注文が殺到。東京支店達成率ナンバーワンに躍進。
1998年、ヘッドハンティングによって外資系ソフトウェア会社であるマカフィー株式会社に転職。1999年に日本でナンバーワンセールスとなり、2000年8月には世界ナンバーワンセールスアワードをハワイで表彰。同年11月、最年少部長に昇進。9四半期連続で目標達成という偉業を成し遂げる。
2001年、独立系ソフトウェアベンチャー企業にヘッドハンター経由で役員として転職。入社してわずか4年で売上を13倍にする。
2006年3月、株式会社グリーンツリーを設立。初年度からホームページを容易に制作できるソフトウェア販売(CMS業界)でトップレベルの会社に躍進させる。設立から現在までずっと黒字経営を続けており、2012年11月にはホームページ累計導入社数が1,000社を超える。
2011年11月、コンビニの5倍もある美容事業に参入し、一号店を3カ月で黒字化させる。
2017年11月現在、ホームページ導入社数は約2,000社、美容室は4店舗、一般社団法人 日本優良品協会 監事なども務める。

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