更新日:

資金不足でも独立開業できる理想的な資金調達の方法[人気記事]

資金不足でも独立開業できる理想的な資金調達の方法_記事画像

独立開業をするならば、事前に準備しておきたいのが開業資金です。開業したけれど潤沢に資金がなければ、事業規模を拡大できず収益アップは望めません。また途中で運転資金が底をつき、経営不振に陥ることもあります。そうならないために半年から1年先までの開業資金を用意しておくのが一般的です。
まずは、ある程度まで自己資金を準備しておくことを大前提に、不足分の資金に関しては公的金融機関に融資の申し込みをしましょう。では、独立開業の理想的な資金調達には、どのような融資や投資があるのか。初めて資金調達をする方にもわかりやすく解説していきます。

独立開業に関する理想的な資金調達 まずは自己資金を貯蓄!

独立開業時の資金調達手段として、利用できる融資がいくつかあります。しかし、最初はできるだけ個人資産を活用した自己資金の運用を基本に考えて、不足分に関しては「創業融資制度」や「制度融資」などを利用して資金調達をしましょう。自己資金を資本金にするべき理由は、返済の義務が発生せず、利息や収益に振り回されずに自由に計画を立てられることです。そして、借入金が少ないほどリスクが減少します。

自己資金の割合を条件に融資する金融機関もあるため、資金調達のために融資を利用する前に、ある程度の自己資金を貯蓄しておくことが大切です。また、自己資金を投資できると創業者の信用価値が上がるとともに、その後の融資を円滑にさせる利点もあるようです。

資金調達のために融資を利用する場合、「創業計画書」や「事業計画書」の書類内容をしっかりと落とし込んだ上で作成し、支出や収入を算出して資金計画を立てておくことも重要です。開業資金は業種ごとに異なるため、ご自身の業種における開業資金を把握してから準備を始めると、迅速かつ計画的に資金調達を進めることが可能になります。

開業に必要な費用や初期投資

独立開業時に必要な費用は、業種によっても異なります。店舗を所有する業種であれば、必要費用に「店舗物件取得費用」や「改修費」、またインテリアの購入や看板制作などの「経費」が挙げられます。

費用の内訳を見ていくと、店舗の内外装工事にかかる「改修費」、有形固定資産にあたるデジタル機器類の購入から無形固定資産のパソコンソフトやシステム導入などの「設備機器」、看板制作費やインテリア、備品を購入する「経費」、Webサイト制作や名刺作成などの「宣伝広告費」、材料や商品の「仕入れ」など、その他の細かい雑費も含めて多岐に渡ります。

店舗やオフィスの賃料には、初期費用として礼金・敷金・仲介手数料、前家賃の支払いが発生し、オープンするまでの準備期間は無収入のまま、継続的に家賃の支出だけが膨れ上がります。つまり、事業を運営する上で開業資金の準備はとても重要といえます。先に資金が尽きてしまうと経営不振に陥りますから、半年先を目安に運転資金を事前に用意しておくと安心です。

また、開業資金には該当しませんが、自身の生活費を3〜6ヶ月分確保しておくことも忘れずに準備しましょう。開業後の収益を考えると、まだ実績がなく営業して間もない事業では、口コミの宣伝効果や事業所に対する信頼が行き届くまでには年月がかかり、初月から安定した収益を上げ生活費を確保することは難しいからです。

開業資金が不足する場合、自己資金以外に利用すべき資金調達方法

自己資金が不足している場合、親や兄弟、または親族に支援を求める方もいますが、日本政策金融公庫の統計データによると、資金調達総額の5%と親族から受けられる支援の金額は小さいようです。自己資金以外の方法で資金調達を実施したければ、日本政策金融公庫の創業融資制度、またはエンジェル投資家やベンチャーキャピタルといった開業者向けの出資企業を利用するといいでしょう。

創業時に利用しやすい融資制度には、日本政策金融公庫の「創業融資制度」や都道府県や市町村の「制度融資」があります。政府が100%出資する日本政策金融公庫が行う「創業融資制度」は、民間金融機関よりも年利が安く、小規模事業者や中小企業が創業する後押しを積極的に行っており、これから起業する方にとっては心強い融資制度になります。

都道府県や市町村が斡旋する「制度融資」は、信用保証協会を利用することで民間金融機関から融資がおりて、年利の他に信用保証料がかかりますが、自治体からのサポートを受けられます。

無担保・無保証人や金利の低さが開業の資金調達に有利な日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、政府100%出資の金融機関なだけに国の政策に対して大きな影響を受けやすいと言われています。現在の流れとしては、新規開業資金や小口資金の融資を積極的に行っており、これから独立開業する人や零細企業に対して有利な融資制度も設けています。

その中でも「新規開業資金」「中小企業経営力強化資金」「新創業融資制度」は、小規模事業者や中小企業が創業時における資金調達に対して申請できる融資です。また日本政策金融公庫の融資には若年・女性・シニア向けの起業家支援資金や、社会的な課題解決を目的とした事業向けのソーシャルビジネス支援資金など、目的や対象の属性が多様性に富んだものがあります。

日本政策金融公庫の融資は民間の金融機関よりも低金利で、条件付きで無担保・無保証人となる融資もあり、まだ開業前で実績がなく収益の補償が立たない新規事業でも融資を受けられる可能性があります。

日本政策金融公庫で資金調達する場合は、事業開始後の経過年数や具体的な事業計画の提示など必要な要件や準備すべきものが変わってきます。申し込む融資制度の融資条件をよく確認し、不明点は日本政策金融公庫の認定機関など専門家を活用しながら必要な準備を進めるようにしましょう。

都道府県や市町村の「制度融資」

都道府県や市町村が斡旋する制度融資では、信用保証協会を利用することで民間金融機関からの融資を受けられます。年利の他に、信用保証料を支払う必要はありますが、都道府県や市町村から利子補給や保証料補助などのサポート付きです。

自己資金や創業計画書を厳しく審査される傾向があり、信用保証協会と民間金融機関の2重審査となるため、融資開始までに時間を要します。時間に猶予のあるならば、利用する価値があるでしょう。各地域の自治体によって制度融資の概要や条件が異なりますので、該当する自治体の相談窓口にお問い合わせください。

起業家のスタートアップに投資する出資企業からの資金調達

創業して間もない起業家のスタートアップに投資する出資企業といえば、投資会社のベンチャーキャピタルやエンジェル投資家が挙げられます。その投資の目的は、事業内容の独自性や将来性に対して出資することが多く、事業の拡大や促進を資金援助によってサポートしてくれます。

エンジェル投資家が1,000万円〜2,000万円ほど少額出資を扱うのに対して、億単位で投資するのがベンチャーキャピタルです。投資する代わりに出資先企業の株を取得します。事業が軌道に乗った頃合いをみて株を売り、その差額の収益で儲ける仕組みです。

ベンチャーキャピタルは、個人ではなく投資会社ですから長期に渡る厳しい審査を受ける必要があります。ビジネスとして会社が投資するため、早い段階で収益や結果を求められて、場合によっては経営に口を挟まれる可能性もあります。

エンジェル投資家の場合、特に審査はなく出資の決断は投資家次第です。そのため、長期戦の投資もあり得ます。元起業家のエンジェル投資家は多く、事業を軌道に乗せるためにアドバイスをくれたり、過去に築いた人脈から有益な人材を紹介してくれたりと、事業の発展に協力的なケースが見られます。

IT系のプロダクトや開発費などに多額の資金を投入したい、または画期的なプロジェクトであって、ある程度、収益の見込みがつくならば利用価値はあるでしょう。しかし、ハイリスク・ハイリターンにも成り兼ねないため、注意が必要です。

やってはいけない資金調達

融資や投資による資金調達を行う際は、融資担当の評価が下がるような行動は未然に防ぎたいものです。負債を抱えていたり、自己資金を見せ金で用意したり、誤魔化すために情報操作したことが発覚すると、場合によっては2度と融資や投資を受けられなくなります。

また、高金利・短期返済など返済が難しくて負債がダルマ式に増えていく消費者金融からの借入やカードローンのリボ払いもNGです。

見せ金を自己資金に組み込むこと

他人から借りた資金を自己資金に見せかけることを「見せ金」といい、自己資金を申告する際にこのような手口がばれると審査をクリアできません。親や兄弟、知人から借りた資金も借入であれば同じこと。最悪の場合、二度と融資を受けられなくなります。

消費者金融やカードローンなどの一時的な借入

気軽にATMでキャッシングできる手軽さから、悪気なく数度に渡って借入してしまうのが、カードローンのキャッシングです。リボ払いを活用した少額の長期返済は普段、あまり気にならない金額かもしれませんが、実際には年利や日割り計算の利息は高く、芋づる式に負債額が増えていく危険性があります。

返済期間が短く高金利の消費者金融に手を出すのもやめましょう。気づいた時には日に日に利息がかさんで毎月利息分だけを返済している、なんてことにも成りかねません。本来の融資や投資の申請では、必要書類を準備して面談や審査をクリアするといった時間がかかる手続きを乗り越えて成立するものです。借りるのは簡単、でも返済するのは難しい。このパターンには気をつけるべきでしょう。

主には自己資金で運用。不足分だけ融資を活用しよう

可能な限り自己資金での運用を考えて、不足分だけ融資を活用しましょう。資金繰りが必要な場合は、日本政策金融公庫の創業融資制度で挙げた「新規開業資金」「中小企業経営力強化資金」「新創業融資制度」の中から、対象者や要件を比較して申請する融資を選んでください。時間に猶予のある方であれば、都道府県や市町村のサポートがある「制度融資」も検討する余地ありです。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

canaeruは年間300件以上の開業サポート実績!

メールアドレスの登録で
開業までのサポート完全無料で受けられます!

個人情報の取り扱いについて

メールアドレスを入力してください

無料会員登録でできること
① 「日本政策金融公庫」の創業融資をはじめとする資金調達の相談が出来る!
② 開業時に必要な事業計画書の作成サポートが受けられる!
③ 店舗開業や運営に関するさまざまな疑問点・お悩みを何度でも相談可能!
※ 金融機関出身者、元飲食店オーナーら店舗開業のプロが対応します

PAGETOPへ