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ドッグカフェを開業する方法とは?必要な免許と規定6点

ドッグカフェを開業する方法とは?必要な免許と規定6点

ペット同伴OKの店舗作りには、注意すべきポイントやクリアすべき課題がたくさんあります。

犬や猫の飼育数は年々増え、今や中学生以下の子どもの人口よりも、ペットとして飼育されている犬や猫の数の方が多いほどです。
最近では、犬や猫はペットではなく家族の一員とする考えも高まり、ホームセンターやホテル、旅館などでもペット同伴可の施設が増えています。これだけ多くの人がペットを飼っていれば、同伴可の店舗をつくることで、集客の向上を狙うことが可能です。

ドッグカフェなど「ペット同伴」の飲食店の決まりとは?

ペットが一緒に来店することを前提としていないドッグカフェでも「ペット同伴OK」というお店もありますが、そのようなお店では犬だけでなく猫などのペットが一緒に来店をすることも可能であり、ペット用のスペースも確保されているようになっています。
この場合ペット用の飲食メニューの提供などはほぼないと言えます。

基本的に、飲食店の場合には飲食店営業許可等の他に、何かペット同伴に関しての法的許可取得などといった、追加の資格取得の必要はありません。
しかしながら、飲食店の場合ペットを店内に連れ込むという形になってしまうことから衛生面の問題があるとされるので、飲食業の許可を申請するときには必ず「ペットが同伴できる店である」などといったことを記載する必要があるのです。
また、これらについては開業する地域などによってかなり変わってきますので、開業する地域の役所などに聞くことをおすすめします。

ドッグカフェを例に・・ズバリ開業において必要な資格はあるのか?

ドッグカフェを開業するにあたって必要になってくる資格は、「食品衛生責任者」です。
あくまでもカフェであり、食品を取り扱うということから、この資格は必要不可欠となっています。

動物取扱責任者という資格は必ず必要

ドッグカフェを開業するにあたり、動物取扱責任者という資格が必要になるのか?と疑問に思う方も居るでしょう。
動物取扱責任者は、動物を展示販売・貸出・保管・訓練などする場合には必ず必要な資格であり、例えばお店にて看板犬などの犬を飼うのであれば必要となってきます。

しかしながら、ドッグカフェではあくまでも犬が来店することを前提としているお店がほとんどとなっていることから、店側が犬の展示をしているお店は少なく、動物取扱責任者という資格を持っている方も少ないでしょう。
しかしながら、持っていて損は無い資格です。

必要な届出について

ドッグカフェを開業するにあたり、必要な届出は「飲食店営業」または「喫茶営業」のどちらかとなっています。
「どっちでもいいの?」と思いがちですが、それぞれかなり異なっており、例えば飲食店営業ではお店で作っている料理等を提供する場合、喫茶営業は酒類以外の飲み物や軽食を提供する場合に必要となってきます。
ガッツリとした飲食物を提供するのであれば、飲食店営業の許可を貰うことをおすすめします。
また、この飲食店営業の許可を貰った場合には、消防署にて防火関係の届出も必要となってきますので、注意が必要です。

ドッグカフェ開業の規定6点を抑える

ドッグカフェなど、ペットを同伴できる飲食店の場合は、自治体によっては細かな規定を設けているところもあるので注意が必要です。
ペットを同伴できる飲食店にはどのような規定があるのか見ていきましょう。

ペット用食器に関する場合の規定

ペットに水や食事の提供を行う際に、食器を使用する場合には、ペットが使用した食器と人が使用した食器を同じ場所で洗ってはいけないという規定があります。
ペットの食器と人の食器を洗いたい場合は、水回りを2か所設置するなど、分けて洗うことが求められています。
もし、店舗内に水回りを2か所設置できない場合は、ペット用の食器を使い捨てできる紙皿やプラスチックの容器にして、提供するたびに使い捨てるなどの工夫が必要と言えるでしょう。

ペット用フードの調理に関する規定

ニンジンやサツマイモ、卵、小麦粉といった、人が食べる食材で犬用のおやつを作る場合には、人の料理を作る調理場を使っても問題ありません。
しかし、犬用として販売されているものを人の料理を作る調理場で開封、調理、盛り付けといった行為を行うことは禁止されています。
もし、それらの行為を行う場合には、食器のケースと同様、厨房を分けて調理を行う必要があるので注意しましょう。

手洗い場の設置に関する規定

店内でペットが排泄した場合や嘔吐した場合などに備えて、処理を行った後の手洗い場を確保しておく必要があります。
トイレにわざわざ行って手を洗うのではなく、すぐに洗うことができるように、客席側に設置しておくことが重要です。

ペット用トイレスペースに関する規定

「店内でペットが排泄することによるトラブルを防ぎたいのであれば、店内にペット用のトイレを設置すればいいのでは?」と思っている人がいるかもしれませんが、そう簡単にいきません。
店内にペット用のトイレスペースを作ることは禁止されているので、注意が必要です。
では、ペット用のトイレが設置できないのであれば、トイレシーツを置くのはどうなのでしょうか?
こちらも、衛生面を考慮すると、禁止と言えるでしょう。
基本的にトイレを済ませてから入店することになりますが、ペットの飼主が排泄したものを片付けないで去っていった場合には、近隣住民とのトラブルになる可能性もあるため、注意しましょう。

ペット用のテイクアウト販売に関する規定

ペット用のおやつなどをイートインとして提供する場合は、特別な許可は必要ありません。
しかし、ペット用のおやつなどをテイクアウト用として販売する場合には、ペットフード安全法によって農林水産省への届け出が必要になるので注意しましょう。

看板用動物の展示に関する規定

店舗によっては、犬などをカフェの看板犬として営業活動を行わせている場合があります。
このような場合は、展示業に該当することになるため、動物取扱責任者として第一種動物取扱業の登録や研修を受ける必要があります。
無許可で看板用動物に営業活動を行わせている場合は、営業停止処分になる可能性もあるので注意しましょう。

ドッグカフェ開業のポイント

犬用メニューのポイント

犬用メニューにこだわっていては手間がかかります。
見た目も大事ですが、スピーディーで安心安全な食材を使用して調理するように心がけましょう。
また、ポイントとしては犬には食べたらいけない食材がありますので、その食材を絶対に使用しないようにすることです。
飼い主にとっても犬にとっても嬉しいメニューを考案しましょう。

お客様全員が快適な空間を作り上げるポイント

ドッグカフェは、ペット同伴ということから、普通のカフェよりも、よりお客様そしてペットがくつろげるような空間を作り上げる必要があります。
そのためには、狂犬病などの予防接種を受けている犬のみを受け入れる・リードは絶対装着・ある程度の躾ができているなど、いくつかルールを決めておくことが必要でしょう。

ペット同伴の店で起こりうるトラブルとは?

ホームセンターやショッピングセンターでも、ペット同伴可能の店がたくさんあります。
さらには、美容室やネイルサロンなどでもペット同伴可能なお店が増えてきました。
しかし、何のルールも決めずにペット同伴可能にしてしまうと、トラブルが絶えないことは想像に難くありません。
ペットの飼い主のマナーや良識に任せるのではなく、店側がしっかりとしたルールを決めておくことで、トラブルの発生を最小限に防ぐことが可能です。
ペット同伴可能な店で一番注意しなければならないのは衛生面。
ペットが粗相してしまう可能性も考えると、内装のメンテナンスにも気を使う必要があります。
ペットが通る場所の床は木材ではなく、耐水性の素材にして素早く掃除できるようにしておくなど、設備面での投資が必要になる場合があります。

また、衛生面や、動物のストレスなどへの配慮も必要です。
飲食店の場合、ペットの抜け毛などが厨房に舞い込んでしまうことがないよう、厨房と客席は必ず扉を付けて遮断しておかなければなりません。
またテーブルの上も清潔に保てるよう、常にアルコール消毒などで拭くようにしましょう。

また、ペットに食事を提供する際は、動物の種類によって食べさせてはいけない食材についての知識についてもよく勉強しておく必要があります。
また、大型犬は水を飲むだけでも周りに飛び散るため、テラス席があればそちらにご案内するなどの配慮をしましょう。
普段はお利口なペットも慣れない環境では興奮して落ちつかなくなる場合もあります。
客席同士の間も通常より間隔をあけることで、ペットのストレスを軽減し、トラブルを未然に防ぎましょう。

ペット同伴の店で決めておくべきルールとは?

お客様がペットを同伴させるにあたり、できるだけ細かくルールを決めておきましょう。
例えば、ペット同伴と言ってもペットの種類はどこまで受け入れるのか、「犬、猫以外のペットの同伴は要相談」など、お店で受け入れるペットの種類は制限しておくべきです。
さらに、ペットカートやキャリーバックの使用は、必要であれば利用者に分かるように提示しておく必要があります。
また、ペットが店内の備品やインテリアなどを壊してしまった場合はどのように対処するのかも考えておきましょう。
器物破損、損害などは飼い主の責任になる場合、ルールとして事前の十分な案内が必要です。
飲食店ならば、食品を扱うので、さらに細かく衛生面でのルールを決めておく必要があります。
小型犬を椅子に座らせる場合にはシートを敷く、テーブルの上にはペットを登らせないように義務付けるなど、客席の清潔を保てるようにします。

ペットを連れていないお客様へはどう配慮するのか?

ペット連れではないお客様への配慮も忘れないようにしましょう。
アレルギーのお客様やペットの臭いが苦手な方のために、専用スペースを作るなどの対応をするとよいでしょう。
また、人の食べるメニューをそのままの食器でペットに食べさせてはいけないなどのルールを徹底すれば、ペット連れではないお客様も安心して利用していただけます。

ドッグカフェを開業するための費用はどれくらい?

①物件費用
家賃・初期費用だけで数百万円かかります。

②内外装の工事費用
物件にもよりますが、300万円〜1000万円とかなり振り幅は大きくなっています。

③道具類の費用
道具類については、エアコン・照明器具・調理器具など様々なものを揃えなければならないということから、数万円はかかって来てしまいます。しかしながら、この道具類については知り合いから安く譲ってもらったり、リサイクルショップなど、使用する道具類によっては、かなり安く抑えることは可能となってくるでしょう。

④光熱費
光熱費は、電気・ガス・水道などです。月に大体数万円かかるでしょう。

⑤食材
カフェですので、食材類の調達は必須です。ガッツリとした飲食店にするのであれば月に30万円程度、軽い飲食店にするのであれば月に15万円程度かかるでしょう。

まとめ

近年、ドッグカフェなどペット同伴の飲食店は、開業に人気の傾向があります。
しかし、通常の飲食店に比べて、トラブルが多いとのデータもあり、飲食店側の強い配慮が必要なお店であることは間違いありません。
ペット同伴OKの飲食店を開業には、事前にしっかりとしたルールを決めて、必ずペット連れでないお客様も気持ちよく利用できる工夫が成功へと繋がります。
ドッグカフェやペット同伴可の飲食店を開業したい、というオーナーたちは、自分も動物が好き、というのがケースがほとんどです。
「動物好きだけの人が来てくれればいい」では、なかなか経営は成り立たないのも実状です。
必ず、ペット連れでないお客様がいらっしゃること、そのお客様への配慮が重要になってきます。

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この記事の監修

株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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